日産のe-POWER車で突然警告灯が点灯し、「e-POWER システム故障」と表示されると、多くのドライバーは不安を感じるものです。特に、走行制限中や次回始動できませんといった深刻なメッセージが表示された場合、日産システム故障の修理代が一体いくらかかるのか、心配になりますよね。 セレナe-POWERシステム故障の事例では、意外なセレナの原因が見つかることもあります。
この警告灯の原因は多岐にわたり、単純なバッテリーの問題から専門的な修理が必要なケースまで様々です。 この記事では、e-POWERシステム故障の原因を解明し、警告灯が表示された際の正しい対処法や、表示を安全に解除する方法について詳しく解説します。販売店で点検してくださいという表示が出た時に慌てないためにも、ぜひ最後までご覧ください。
- e-POWERシステム故障の警告灯が点灯する主な原因
- 警告メッセージの種類とそれぞれの緊急度
- 具体的な修理費用の目安と保証期間の重要性
- ユーザー自身で試せる応急処置と注意点
e-POWER システム故障の症状と修理費用への影響
- e-POWERの警告灯が点灯する原因
- セレナe-POWERシステム故障の事例
- セレナで故障が起こる特有の原因
- 販売店で点検してくださいと表示されたら
- 走行制限中と表示された時の危険性
- 次回始動できませんという警告の意味
e-POWERの警告灯が点灯する原因
e-POWER搭載車で警告灯が点灯する原因は多岐にわたりますが、まずは警告灯の色で緊急性を判断することが重要です。
赤色は「危険」を示し、直ちに運転を中止する必要があります。一方で黄色(オレンジ色)は「注意」を意味し、速やかな点検が推奨されます。緑色はシステムの作動状態を示すため、基本的に問題ありません。
e-POWERシステムに関連する主な警告灯とその原因は以下の通りです。
警告灯の名称 | 主な原因 |
---|---|
e-POWERシステム警告灯 | e-POWERシステム自体(インバーター、モーター、駆動用バッテリー等)に何らかの異常が発生している状態です。 |
故障警告灯(MIL) | 発電用エンジンの電子制御システムや排出ガス関連のセンサー(O2センサー等)に異常がある場合に点灯します。 |
12V系充電警告灯 | カーナビやライトなどの電装品に電力を供給する補機バッテリー(12V)の充電系統に異常があると点灯します。 |
補足情報
これらの警告灯は、単独で点灯することもあれば、複数の警告灯が同時に点灯・点滅することもあります。特に補機バッテリーの電圧が低下すると、多数の警告灯が一斉に点灯するケースが報告されています。
セレナe-POWERシステム故障の事例
人気ミニバンのセレナe-POWERでも、システム故障の事例は多数報告されています。突然のトラブルに慌てないためにも、具体的なケースを知っておくことが大切です。
例えば、あるユーザーのケースでは、新車から4年経過したセレナで、まずエアコンから熱風が出るようになり、その後「e-POWERシステム故障。次は始動出来ません」という表示と共に走行不能になるトラブルが発生しました。最初のディーラー点検ではコンプレッサーの故障と診断され約16万円の修理を行いましたが、症状は改善しなかったといいます。

このように、最初に現れた症状(この場合はエアコンの不調)が、必ずしも故障の根本原因とは限りません。e-POWERシステムは複雑に連携しているため、一つの不具合が別のシステムの異常として現れることがあるのです。
また、他の事例では、後付けした社外パーツが原因で「システム故障」「ソナー故障」などのエラーが頻発したケースもあります。この原因は、常時電源を取るために分岐させた箇所のヒューズが飛んでいたことでした。一見、重大な故障に見えても、原因は意外と単純な電気系統のトラブルだったということも少なくありません。
セレナで故障が起こる特有の原因
セレナe-POWERには、その構造や装備に起因する特有の故障原因が存在します。特にプロパイロットなど先進安全装備に関連するトラブルが特徴的です。
フロントセンサーの障害物が原因のケース
セレナは運転支援のため、フロントガラス上部の単眼カメラやフロントグリル内のレーダーセンサーを使用しています。このカメラやセンサーの視界が遮られると、システムが異常と判断し、警告灯が点灯することがあります。
特に、天候が悪い日にフロントガラスが曇ったり、冬場に雪や氷が付着したりすると、エラーが発生しやすくなります。この場合、デフロスターでガラスの曇りを完全に取り除くか、付着物を清掃することで症状が改善されることがほとんどです。
ただし、日産の単眼カメラは一度エラーを検知すると、障害物がなくなっても警告灯が消えるまでに30分ほど時間がかかる場合があるため、しばらく様子を見る必要があります。
販売店で点検してくださいと表示されたら
メーター内に「e-POWERシステム故障 販売店で点検してください」というメッセージが表示された場合、それは車両の自己診断機能がユーザー自身での解決が難しい異常を検知したサインです。
たとえ走行に異常を感じなくても、このメッセージは軽視すべきではありません。なぜなら、目に見えない部分でトラブルが進行しており、放置するとより深刻な故障や予期せぬ事故につながる危険性があるからです。
自己判断は危険です
このメッセージが表示されたら、速やかに日産販売店(ディーラー)へ連絡し、点検を依頼してください。ディーラーでは「CONSULT(コンサルト)」と呼ばれる専用の診断機を使い、システムに記録されたエラーコードを読み取ることで、故障箇所を正確に特定できます。
特に、後述する「走行制限中」や「次回始動できません」といった、より緊急性の高いメッセージが伴う場合は、ただちに運転を中止し、販売店の指示を仰ぐ必要があります。
走行制限中と表示された時の危険性
「e-POWERシステム故障 走行制限中」という表示は、e-POWERシステムの保護機能が作動している状態を示します。メーターパネルには、カメの形をした「出力制限表示灯」が同時に点灯することが多いです。
この状態になると、アクセルを踏んでも車が思うように加速しなくなり、速度が出せなくなります。
走行制限がかかる主な原因
- 駆動用リチウムイオンバッテリーの残量が極端に低下したとき
- 長時間の登坂走行などで、モーターやバッテリーの温度が異常に高くなったとき
- 真冬の屋外などで、バッテリーの温度が極端に低いとき
- 発電用エンジンの出力が何らかの理由で制限されているとき
平坦な道では問題なく感じても、高速道路の合流や追い越し、坂道など、パワーが必要な場面で非常に危険です。この警告が表示された場合は、無理な運転を避け、速やかに安全な場所に停車してディーラーに連絡してください。
次回始動できませんという警告の意味
e-POWERの警告メッセージの中で、最も緊急性が高いものの一つが「e-POWERシステム故障 次回 始動 できません」という表示です。
この警告は、e-POWERシステムに回復が難しい、あるいは安全上の重大な異常を検知したことを意味します。このメッセージが表示された場合、一度パワースイッチをOFFにすると、次にONにしてもシステムが起動しなくなり、車は完全に動かなくなります。
絶対にエンジンを切らないでください
もし走行中にこの警告が表示されたら、絶対にパワースイッチを切らずに、そのままの状態でディーラーへ向かってください。自宅の駐車場などでこの表示が出た場合は、パワースイッチには触れず、すぐにJAFや任意保険のロードサービスに連絡してレッカー移動を手配する必要があります。
問題を放置した結果、出先で立ち往生してしまう事態を避けるためにも、この警告の意味を正しく理解しておくことが極めて重要です。
e-POWER システム故障の対処法と修理費用の内訳
- e-POWERシステム故障の主な原因
- 日産システム故障の修理代はいくら?
- 警告灯の表示を一時的に解除する方法
- e-POWERシステム故障 修理費用の総まとめ
e-POWERシステム故障の主な原因
e-POWERシステムの故障警告が表示される原因は様々ですが、主に以下の4つが代表的な原因として挙げられます。これらの原因を理解することで、トラブル発生時に冷静に対処しやすくなります。
最も多い原因は「補機バッテリー」の劣化
意外に思われるかもしれませんが、e-POWERシステムの始動不良や警告灯点灯の最も一般的な原因は、12Vの補機バッテリーの劣化です。このバッテリーは、ハイブリッドシステムを起動させるために不可欠なもので、電圧が一定レベルを下回るとシステムが正常に立ち上がりません。3年以上交換していない場合は、まずバッテリーの劣化を疑うべきです。ジャンプスタートで一時的に始動できても、早めの交換をおすすめします。
その他の主な原因
- センサー類の異常・故障
e-POWERは多数のセンサーで制御されています。特にプロパイロット関連のカメラやレーダー、ソナー、ABSセンサーなどが故障したり、断線したりすると、システムが異常と判断して警告を表示します。 - ヒューズ切れ
特定のセンサーや制御系統につながるヒューズが切れることで、システム全体が異常を検知することがあります。ヒューズ自体の価格は安いですが、原因を特定するのに手間がかかる場合があります。 - ECU(電子制御ユニット)の故障
車両全体を制御するコンピューター(ECU)自体が故障するケースです。初期不良のほか、経年劣化で発生することもあります。
日産システム故障の修理代はいくら?
e-POWERシステムの故障に関する修理費用は、原因となる部品によって大きく異なります。ここでは、代表的な箇所の日産 システム故障 修理代の目安をまとめました。
修理・交換箇所 | 費用目安(部品代+工賃) | 備考 |
---|---|---|
補機バッテリー(12V) | 20,000円~40,000円 | 最も頻度の高い修理項目。e-POWER専用品は比較的高価です。 |
各種センサー類 | 30,000円~100,000円 | ソナーセンサーは2~3万円、ミリ波レーダーやカメラは5万円以上かかることもあります。交換後に専門的な調整(エーミング)が必要です。 |
ECU(電子制御ユニット) | 50,000円~100,000円以上 | システムの頭脳にあたる部品のため高額になります。 |
駆動用バッテリー | 300,000円以上 | 最も高額な修理。保証期間外での交換は大きな負担となります。リビルト品(再生部品)を選択肢に入れることも可能です。 |
保証期間の確認が重要
高額な修理費用を避けるためにも、ご自身の車の保証期間を必ず確認しましょう。e-POWERの主要部品(駆動用バッテリー、インバーター等)は、「特別保証」の対象となり、公式サイトによると新車登録から5年間または走行距離10万kmまで保証されるのが一般的です。保証期間内であれば、修理は無償で受けられます。
警告灯の表示を一時的に解除する方法
警告灯が点灯した際、すぐに販売店へ行けない状況で試せる応急処置として、表示を一時的に解除できる可能性があります。ただし、これは根本的な解決ではなく、問題の先延ばしに過ぎないことを理解しておく必要があります。
1. 車両システムの再起動
最も簡単で効果が期待できる方法です。ソフトウェアの一時的なエラーであれば、これで復旧することがよくあります。
- 安全な場所に車を完全に停車させ、シフトを「P」に入れます。
- パワースイッチを押し、システムの電源を完全にOFFにします。
- 全てのドアを閉めて施錠し、最低でも5分~10分程度待ちます。(システムを完全にスリープさせるため)
- 再度ブレーキを踏み、パワースイッチを押してシステムを再始動させます。
2. センサー類の清掃
前述の通り、フロントガラスのカメラ周辺やフロントグリルのレーダー周辺の汚れが原因の場合、柔らかい布などで優しく拭き取ることで警告が解除されることがあります。

もしこれらの方法で警告灯が消えたとしても、車両のコンピューターにはエラーの履歴が記録されています。「治ったから大丈夫」と自己判断せず、近いうちに一度ディーラーで点検してもらうことを強く推奨します。再発して路上で立ち往生するリスクを避けるためです。
e-POWERシステム故障 修理費用の総まとめ
この記事で解説した、e-POWERシステムの故障と修理費用に関する要点を以下にまとめます。
- e-POWERの警告灯は色で緊急度がわかる(赤:危険、黄:注意)
- 最も多い故障原因は12Vの補機バッテリーの劣化
- セレナ特有の原因としてフロントセンサーの汚れや曇りがある
- 「販売店で点検」の表示は専門診断が必要なサイン
- 「走行制限中」は加速不良に陥るため危険な状態
- 「次回始動できません」の表示が出たらエンジンを切ってはいけない
- システムの再起動で一時的に警告灯が解除できる場合がある
- 根本的な原因特定にはディーラーの専用診断機が必要
- 補機バッテリーの交換費用は2万円から4万円程度が目安
- センサー類の修理は高額になりやすく3万円から10万円以上かかることも
- ECUの交換は5万円以上が目安となる
- 最も高額なのは駆動用バッテリーで30万円を超える可能性がある
- 高額修理を避けるには新車時の「特別保証」の期間確認が不可欠
- e-POWER主要部品の保証は5年または10万kmが一般的
- 警告灯が一度消えてもエラー履歴は残るので点検が推奨される