日産のe-POWERについて、「ブレーキランプが点かなくて危ない」「後ろはほんと危ない」「日産eパワーはうざい」といった声を聞いたことはありませんか。特に、独特の仕組みであるE-POWERの回生ブレーキとブレーキランプの関係性は、時に日産ノートE-POWERの追突や、ヒヤリとするE-POWERの追突事故につながるのではという懸念を生んでいます。
アクセル操作だけで加減速できる利便性の裏で、なぜこのような評価が生まれるのでしょうか。この記事では、その核心にある仕組みから、日産ワンペダル廃止の理由、さらにはご自身でできるノートE-POWERのブレーキランプ確認方法やノートe-POWERのブレーキランプ交換に至るまで、あらゆる角度から徹底的に解説します。
この記事でわかること
- e-POWERのブレーキランプが「危ない」と言われる本当の理由
- 回生ブレーキとブレーキランプ点灯を定める法的な仕組み
- 追突リスクを回避するためにドライバーができる具体的な対策
- ワンペダルが廃止された背景と現行モデルの安全仕様
e-POWERのブレーキランプが危ないと言われる背景
- 日産eパワーはうざいという声の理由
- e-POWERの後ろはほんと危ないという口コミ
- e-POWER回生ブレーキとブレーキランプの仕組み
- ブレーキランプ点灯に関する保安基準
- 日産ノートe-POWERでの追突リスク
- 実際のE-POWER追突事故の事例
日産eパワーはうざいという声の理由
「日産eパワーはうざい」という、少し強い言葉がインターネット上で見受けられることがあります。これは、e-POWER特有の走行フィールが、他のドライバーから見て予測しにくい動きに感じられることがあるためです。
主な理由として、ドライバーがブレーキペダルを踏んでいないにもかかわらず、アクセルペダルを緩めるだけで比較的強い減速(回生ブレーキ)が発生する点が挙げられます。従来のエンジン車や他のハイブリッド車に慣れているドライバーからすると、前方のe-POWER車が予期せぬタイミングで頻繁に減速しているように見えるのです。特に渋滞中や市街地の走行では、このギクシャクした動きが「車間距離を詰めにくくてうざい」「挙動が読めない」といった印象につながることがあります。

もちろん、これはe-POWERの「ワンペダル感覚」という大きな魅力の裏返しでもあります。ただ、その特性を知らない後続車のドライバーにとっては、少し戸惑う場面があるのかもしれませんね。
また、ブレーキランプの点灯タイミングもこの印象に影響を与えています。アクセルオフで減速しても、その度合いによってはブレーキランプが点灯しないケースがあるため、「減速しているのに合図がない」と感じさせてしまうのです。この点が、次の「危ない」という口コミにもつながっていきます。
e-POWERの後ろはほんと危ないという口コミ
「うざい」という感情的な評価以上に、より深刻なのが「E-POWERの後ろはほんと危ない」という安全性に関する指摘です。これは、主に後続車を運転するドライバーからの視点で語られることが多く、追突しそうになったという体験談も少なくありません。
危険だと感じられる最大の理由は、「緩やかな減速時にブレーキランプが点灯しないまま、想定以上に速度が落ちていく」という現象にあります。例えば、前方の信号が赤に変わったのを見て、e-POWERのドライバーがかなり手前の位置からアクセルペダルを緩やかに戻し、回生ブレーキだけで減速していく場面を想像してみてください。この時、減速の度合いが法令で定められた基準に達していないと、車両は減速しているにもかかわらず、ブレーキランプは一切点灯しません。
後続車のドライバーは、前方の車との距離感や背景の流れで減速を察知する必要がありますが、多くのドライバーは無意識のうちに「前の車のブレーキランプ」を減速の主要な合図として認識しています。そのため、ランプが点灯しないままe-POWER車がスーッと速度を落としていくと、反応が遅れてしまい、ハッとして急ブレーキを踏むことになるのです。
特に注意が必要な状況
特に、夜間や雨天、トンネル内など視界が悪い状況では、前走車のブレーキランプへの依存度が高まります。このような状況でランプの点灯がないと、危険度はさらに増すと言えるでしょう。
e-POWER回生ブレーキとブレーキランプの仕組み
では、なぜe-POWERはこのような挙動を示すのでしょうか。その答えは、「e-POWER回生ブレーキとブレーキランプの仕組み」の根幹にあります。
まず、e-POWERの大きな特徴は、アクセルペダルの操作だけで加速から減速までをコントロールできる「e-Pedal Step(旧ワンペダル)」機能です。アクセルを緩めると、タイヤの回転エネルギーを使ってモーターが発電を行い、バッテリーを充電します。この発電する際の抵抗が、エンジンブレーキのように作用して車を減速させるのです。これが「回生ブレーキ」の正体です。
ブレーキランプの点灯は「ペダル操作」ではなく「減速度」で決まる
ここが最も重要なポイントです。通常の車では、「ブレーキペダルを踏む」という操作がブレーキランプ点灯のスイッチになっています。しかし、e-POWERの回生ブレーキでは、ペダルの操作ではなく、実際に車にかかっている「減速G(減速度)」の強さによってランプを点灯させるかどうかが決まります。
つまり、ドライバーがアクセルを離して強い回生ブレーキがかかり、規定以上の減速度が検知されれば、ブレーキペダルを踏んでいなくても自動でブレーキランプが点灯します。一方で、アクセルを緩やかに戻して弱い回生ブレーキで減速している場合、規定の減速度に達しないため、ランプは点灯しない、というわけです。この仕組みが、前述した「危ない」「うざい」といった評価を生む一因となっています。
ブレーキランプ点灯に関する保安基準
e-POWERのブレーキランプがメーカーの独自判断で点灯したりしなかったりするわけではありません。実は、この点灯ロジックは法律(道路運送車両の保安基準)によって厳密に定められています。
回生ブレーキ作動時のブレーキランプ点灯については、「減速度(1秒あたりにどれだけ速度が落ちるかを示す値)」に応じて、以下のように明確にルール化されています。これは、不必要なブレーキランプの点灯(いわゆるパカパカブレーキ)による後続車の混乱を防ぐ目的もあります。
公式サイトの情報によると、この基準は国際的な基準とも調和が図られており、日産だけでなく、回生ブレーキを採用する他のメーカーの車両にも適用されているとされています。(参照:国土交通省 報道発表資料)
回生ブレーキ作動時の制動灯点灯基準
減速度 | ブレーキランプの点灯 | 概要 |
---|---|---|
0.7m/s² 以下 | 禁止 | ごく緩やかな減速。エンジンブレーキと同程度。この範囲でランプを点灯させてはならない。 |
0.7m/s² 超 ~ 1.3m/s² 以下 | 任意 | やや強めのエンジンブレーキ程度の減速。メーカーの判断で点灯させても、させなくてもよい。 |
1.3m/s² 超 | 義務 | 明確なブレーキと感じる強い減速。必ずランプを点灯させなければならない。 |
このように、e-POWERが緩やかに減速する際にブレーキランプが点灯しないのは、法律で「点灯させてはいけない」と定められた領域で走行しているからなのです。これは欠陥や不具合ではなく、保安基準に適合した結果の動作ということになります。
日産ノートe-POWERでの追突リスク
前述の仕組みと保安基準を踏まえると、日産ノートE-POWERでの追突リスクは、決して無視できない問題として浮かび上がります。リスクの核心は、「ドライバーの減速の意図」と「ブレーキランプによる後続車への情報伝達」の間にズレが生じる可能性がある点です。
従来の車であれば、「減速しよう」という意志は「ブレーキペダルを踏む」という行動に直結し、それが即座に「ブレーキランプの点灯」となって後続車に伝わりました。しかし、e-POWERの場合は、「アクセルを緩めて緩やかに減速しよう」と考えても、その減速度が0.7m/s²以下であれば、後続車には何の情報も伝達されないのです。
これにより、以下のようなリスクが考えられます。
- 後続車の反応遅れ: 最も直接的なリスクです。後続車がブレーキランプに頼った運転をしている場合、発見が遅れて追突に至る可能性があります。
- 車間距離の誤認: ランプが点灯しないことで、後続車は前方のe-POWERがまだ同じ速度で走行していると誤認し、無意識に車間距離を詰めてしまうことがあります。その直後にe-POWERが何らかの理由で急停止した場合、回避が困難になります。
- 玉突き事故の誘発: 万が一、e-POWERが後方から追突された場合、モーターだけで停止維持している状態(ブレーキペダルを踏んでいない状態)だと、その衝撃で前に押し出され、玉突き事故につながるリスクも指摘されています。
実際のE-POWER追突事故の事例
では、実際のE-POWER追突事故は起きているのでしょうか。国土交通省が管理する自動車不具合情報ホットラインには、ユーザーからの報告が寄せられています。
例えば、過去のモデルにおいて「停車直前に意図せず急加速し追突した」といった、ドライバーの操作とは異なる挙動が原因とされる事故報告が複数存在します。これらは、本記事のテーマであるブレーキランプの問題とは少し異なりますが、e-POWERの電子制御システムがドライバーの感覚と一致しない場合に事故につながる可能性を示唆しています。

もちろん、これらの報告が直ちに車両の欠陥を証明するものではありません。多くは運転者の操作ミスと判断されるケースもありますが、「e-POWERの挙動に慣れず、いざという時にブレーキ操作が間に合わなかった」という状況は十分に考えられます。
また、SNSや掲示板では、「e-POWERの後ろを走っていて追突しそうになった」という体験談は数多く見つかります。これらは公的な事故統計ではありませんが、多くのドライバーがe-POWERの挙動に危険性を感じていることの証左と言えるでしょう。こうした声が、メーカーの判断にも影響を与えたと考えられます。
e-POWERのブレーキランプが危ないと感じた時の対策
- 日産ワンペダルが廃止された理由
- ドライバーが意識すべき安全な停止方法
- ノートE-POWERブレーキランプの確認方法
- ノートe-POWERのブレーキランプ交換について
日産ワンペダルが廃止された理由
こうした背景を受けて、注目すべきは日産ワンペダルが廃止された理由です。正確に言うと、「ワンペダルドライブ」という機能自体が完全になくなったわけではありません。しかし、その仕様は大きく変更されました。
初代ノートe-POWER(E12型)などに搭載されていた「e-Pedal」は、アクセルペダルを完全に戻すと、ブレーキペダルを踏むことなく車両を完全に停止させ、その場で停止を保持することができました。これが、いわゆる「ワンペダル完結」の機能です。
しかし、現行モデル(E13型ノートやセレナC28型など)に搭載されている「e-Pedal Step」では、アクセルオフで減速はするものの、完全には停止せず、最終的には時速数キロでのクリープ走行(アクセルもブレーキも踏まずにゆっくり進む状態)に移行する仕様に変更されました。車両を完全に停止させるためには、必ずドライバーがブレーキペダルを踏む必要があります。
この仕様変更の背景には、メーカーがユーザーからの「違和感がある」「停止しているか分かりにくい」といった声や、本記事で解説してきたような潜在的なリスクを重く受け止めた結果であると考えられます。完全停止機能をなくし、最終的な停止操作をドライバーの明確な意思(ブレーキペダル操作)に委ねることで、安全性を高める判断をしたのです。
仕様変更のポイント
この変更により、「ブレーキランプが点かないまま完全に停止してしまう」という、初代モデルで最も危険視されていた状況が物理的に発生しなくなりました。これは、e-POWERの安全性を向上させるための大きな一歩と言えます。
ドライバーが意識すべき安全な停止方法
e-POWERの仕様を理解した上で、ドライバー自身が安全性を高めるためにできることも多くあります。特に旧世代のe-POWERにお乗りの方や、現行モデルのe-Pedal Stepに慣れていない方は、以下の点を意識することが重要です。
e-POWERドライバーが心がけるべき安全操作
- 完全停止後は必ずブレーキペダルを踏む
これが最も重要です。特に初代ノートe-POWERの場合、ワンペダルで停止した後も必ずフットブレーキを踏み、物理的に車両を保持する癖をつけましょう。これにより、後続車にブレーキランプで停止の意思を明確に伝え、万が一追突された際の玉突きリスクも軽減できます。 - オートブレーキホールド機能を活用する
オートブレーキホールド機能が搭載されている車種であれば、積極的に活用しましょう。この機能を使えば、信号待ちなどで停止した際にブレーキペダルから足を離しても停止状態が保持され、ブレーキランプも点灯し続けます。 - 後続車の存在を意識する
後方に車がいる状況で緩やかに減速する際は、ミラーで後続車の動きを確認しましょう。もし車間距離が詰まってきていると感じたら、軽くブレーキペダルを踏んでランプを点灯させ、減速の意思を伝えてあげると親切です。
これらの操作は、e-POWERの利便性を少しだけスポイルするかもしれませんが、ご自身の安全、そして周囲のドライバーの安全を守るために非常に効果的です。
ノートe-POWERブレーキランプの確認方法
「自分の運転で、今ブレーキランプは点いているのだろうか?」と不安に思う方もいるかもしれません。この点についても、日産は対策を進めています。
例えば、現行のセレナe-POWER(GC28型)やノートe-POWER(E13型)の一部グレードでは、ノートE-POWERブレーキランプの確認方法として、メーター内のアドバンスドドライブアシストディスプレイに進化した機能が搭載されています。
このディスプレイには、自車のイラストが表示されており、e-Pedal Stepによる回生ブレーキや、通常のフットブレーキ操作でブレーキランプが点灯すると、メーター内のイラストのブレーキランプも連動して赤く光るようになっています。これにより、ドライバーは自分の車のブレーキランプが今、点灯しているのか、していないのかをリアルタイムで視覚的に確認できます。
表示の注意点
ただし、このメーター内の表示はあくまでドライバーへのインフォメーション機能です。実際のランプの球切れを検知する機能はないため、定期的なランプの目視確認は別途必要です。また、この機能が搭載されているかどうかは、車種やグレード、年式によって異なりますので、ご自身の車の取扱説明書をご確認ください。
この機能は、ドライバーがe-POWERのブレーキシステムの挙動を学習し、より安全な運転を心がける上で非常に役立つと言えるでしょう。
ノートe-POWERのブレーキランプ交換について
最後に、基本的なメンテナンスとしてノートe-POWERのブレーキランプ交換について触れておきます。e-POWERのブレーキランプも、他の車と同様に消耗品であり、いつかは球切れを起こします。
ブレーキランプが片方でも切れていると、後続車への情報伝達が不十分になるだけでなく、整備不良として交通違反の対象にもなります。ランプの交換作業自体は、車種にもよりますが比較的簡単なDIYで可能な場合もあります。しかし、最近の車はLEDランプを採用していることが多く、ユニットごとの交換が必要になるなど、専門的な知識が求められるケースも増えています。
自信がない場合や、どの電球を買えばよいか分からない場合は、無理せずディーラーやカー用品店、整備工場に依頼するのが最も確実で安全です。費用は車種や依頼先によって異なりますが、一般的には部品代と工賃を合わせて数千円からが目安となります。

e-POWERの挙動とは直接関係ありませんが、ブレーキランプが正常に点灯することは安全運転の大前提です。定期的に家族や友人に協力してもらうなどして、ランプが全て正常に点灯するかチェックする習慣をつけておくと安心ですね。
まとめ:e-POWERのブレーキランプは危ないのか?
- e-POWERのブレーキランプが危ないと言われるのは事実
- 主な原因はアクセルオフ時の回生ブレーキにある
- 従来の車と減速のタイミングや感覚が異なるため戸惑う声が多い
- ブレーキランプはペダル操作ではなく減速度に応じて点灯する
- 緩やかな減速では保安基準によりブレーキランプが点灯しない
- これが後続車から見て「合図なしの減速」となり危険視される
- 「うざい」「後ろは危ない」という口コミの背景にはこの仕組みがある
- 日産はこの問題を認識し現行モデルでは仕様を変更している
- 初代のワンペダル完全停止機能は廃止された
- 現行モデルは最終的にブレーキ操作が必要で安全性が向上
- メーター内でブレーキランプの点灯を確認できる車種もある
- e-POWERドライバーは停止後にブレーキペダルを踏む習慣が重要
- オートブレーキホールド機能の活用も非常に有効
- 後続車の存在を意識し時には知らせるブレーキ操作も大切
- e-POWERの特性を理解し安全運転を心がけることが最も重要