「旧型ヴェゼルの購入を考えているけれど、燃費が悪いという噂が気になる…」と感じていませんか。中古市場で人気の旧型ヴェゼルですが、実燃費や航続可能距離についての情報は購入前にしっかり把握しておきたいポイントです。特に、ガソリンモデルとハイブリッドの燃費性能の違いや、モデル特有の欠点を知らないまま購入すると、後悔につながる可能性もあります。
また、新型ヴェゼルも燃費が悪いのか、比較してどうなのかも気になるところでしょう。この記事では、そうした疑問を解消するため、旧型ヴェゼルの燃費に関する情報を網羅的に解説し、燃費の良い走り方も紹介します。
- 旧型ヴェゼルのリアルな実燃費
- 燃費が悪化する具体的な要因と環境
- 購入前に知るべきグレードごとの違いや注意点
- 今日から実践できる燃費向上のための運転術
旧型ヴェゼルの燃費が悪いと言われる理由
- カタログ値と実燃費のギャップ
- 燃費はガソリンモデルでどう違う?
- ハイブリッドの燃費は本当に良いのか
- 燃費以外の知っておくべき欠点とは
- 新型ヴェゼルも燃費が悪いという噂は?
カタログ値と実燃費のギャップ
旧型ヴェゼルの燃費を評価する際、まず理解しておくべきなのがカタログ燃費と実燃費の間に差があるという点です。カタログに記載されている燃費は、国が定めた特定の条件下で測定された理想的な数値であり、実際の公道での走行燃費とは異なるのが一般的です。
旧型ヴェゼルの場合、ユーザー報告に基づく実燃費はカタログ燃費の達成率が約80%以上と比較的良好ですが、それでも数値上のギャップは存在します。例えば、ハイブリッドモデルのカタログ燃費が20km/Lを超えていても、実燃費は18km/L前後になるケースが多く見られます。
実燃費がカタログ値を下回る主な要因
実際の走行では、以下のような要因が複雑に絡み合い、燃費はカタログ値よりも低くなる傾向にあります。
- 交通状況:渋滞や信号の多い市街地でのストップ&ゴーの繰り返し
- 運転スタイル:急発進、急加速、急ブレーキなどの運転操作
- 環境要因:エアコン(特に冷房・暖房)の使用、冬場の低温環境
- 車両条件:乗車人数や荷物の重さ、タイヤの空気圧
このように、カタログ燃費はあくまで一つの目安として捉え、ご自身の利用環境を想定した実燃費を参考にすることが、購入後の満足度を高める鍵となります。
燃費はガソリンモデルでどう違う?
旧型ヴェゼルにはハイブリッドモデルだけでなく、ガソリンモデルもラインアップされています。ガソリンモデルの燃費は、当然ながらハイブリッドモデルには及びません。ユーザー報告による実燃費の平均は、おおよそ14km/L〜16km/L前後が目安となります。
しかし、燃費性能だけでガソリンモデルが劣っていると判断するのは早計です。ガソリンモデルには、ハイブリッドモデルにはないメリットも存在します。
ガソリンモデルのメリット
ガソリンモデルは、燃費以外の面で以下のような利点があります。
- 車両価格:同等グレードのハイブリッドモデルと比較して、新車・中古車ともに価格が安価な傾向にあります。
- メンテナンス性:ハイブリッドシステムを搭載していないため、構造がシンプルでメンテナンスコストを抑えやすいです。
- 運転フィール:自然吸気エンジンならではの素直でリニアな加速感を好むドライバーもいます。
特に、4WDモデルは車両重量が増加するため、2WDモデルと比較して燃費が1〜2km/L程度低下する傾向があります。年間走行距離がそれほど多くない方や、初期費用を抑えたい方にとっては、ガソリンモデルも十分に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ハイブリッドの燃費は本当に良いのか
「ハイブリッド車だから燃費が良い」と期待して旧型ヴェゼルを選ぶ方も多いですが、その性能は走行環境に大きく左右されます。旧型ヴェゼルに搭載されているハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」は、特定の条件下で優れた燃費性能を発揮する一方で、苦手なシチュエーションも存在します。
得意な走行シーン
ハイブリッドシステムが最も効率良く作動するのは、モーターでの走行(EV走行)とエンジン走行がスムーズに切り替わる環境です。具体的には、信号が少なく、一定の速度で巡航できる郊外の道路や、加減速時にバッテリーへの充電(回生ブレーキ)が効率的に行われる緩やかな下り坂などが挙げられます。
苦手な走行シーン
一方で、以下のような環境ではハイブリッドの恩恵を受けにくく、燃費が伸び悩むことがあります。
特に注意が必要なのは、冬場の寒冷地での走行です。気温が低いとバッテリー性能が低下し、暖房のためにエンジンが作動し続ける時間も長くなるため、燃費は大きく悪化します。札幌や旭川といった地域では、実燃費が10km/L前後まで落ち込むというユーザー報告もあり、これは燃費が悪いと感じる大きな要因の一つです。
また、片道数キロ程度の短距離走行の繰り返しも、エンジンが十分に温まらないうちに目的地に到着してしまうため、燃費には厳しい条件となります。

旧型ヴェゼルのハイブリッドは、どんな状況でも常に高燃費を維持するわけではありません。ご自身の主な運転環境が、ハイブリッドシステムの得意なシーンに合っているかどうかが、満足度を左右する重要なポイントになりますね。
燃費以外の知っておくべき欠点とは
旧型ヴェゼルの購入を検討する際には、燃費性能だけでなく、いくつか知っておくべき欠点も存在します。これらを事前に把握しておくことで、購入後の「思っていたのと違った」という後悔を防ぐことができます。
特にユーザーからよく指摘されるのは、以下の3つのポイントです。
1. 視界の問題
旧型ヴェゼルは流麗なクーペスタイルを特徴としていますが、そのデザインが視界に影響を与えています。特に、太いAピラー(フロントガラス横の柱)が右左折時の死角を生みやすいという意見や、リアウィンドウが小さく傾斜しているため後方視界がやや狭いという点が挙げられます。駐車時などはバックモニターの活用が推奨されます。
2. 乗り心地の硬さ
モデルやグレードによって差はありますが、特に初期モデルやスポーティな「RS」グレードでは、足回りが硬めに設定されていると感じるユーザーが少なくありません。路面の凹凸を拾いやすく、長距離運転では少し疲れを感じる可能性があります。ただし、この硬めのセッティングは、高速走行時の安定感やキビキビとしたハンドリングにも寄与しています。
後期モデルではサスペンションの改良が行われ、乗り心地は前期モデルに比べて改善されています。乗り心地を重視する場合は、後期モデルを試乗してみることをおすすめします。
3. 収納スペースの少なさ
室内空間自体は広いものの、運転席周りの小物などを収納するスペースが少ないという声もあります。スマートフォンや飲み物以外の小物を置く場所に困ることがあるかもしれません。
これらの欠点は、ヴェゼルのデザインや走行性能とトレードオフの関係にある部分もあります。ご自身の許容範囲かどうか、実車で確認することが重要です。
新型ヴェゼルも燃費が悪いという噂は?
旧型モデルの燃費について調べていると、「新型ヴェゼルも燃費が悪いのでは?」という疑問が浮かぶかもしれません。しかし、結論から言うと、新型ヴェゼル(RV系)の燃費性能は旧型(RU系)から大幅に向上しています。
この進化の最大の理由は、ハイブリッドシステムが刷新された点にあります。旧型の1モーター式「i-DCD」から、新型では2モーター式の「e:HEV」へと変更されました。e:HEVは、日常走行のほとんどをモーターで駆動するため、よりスムーズで静かな走りと、優れた燃費効率を両立しています。
実際の燃費データを比較してみましょう。
モデル | 駆動方式 | 旧型 (RU系) WLTCモード燃費 | 新型 (RV系) WLTCモード燃費 | 向上率 |
---|---|---|---|---|
ハイブリッド (中間グレード) | 2WD (FF) | 21.0 km/L | 25.3 km/L | 約20%向上 |
ハイブリッド (中間グレード) | 4WD | 19.4 km/L | 21.3 km/L | 約10%向上 |
上記の表からも分かる通り、新型ヴェゼルは旧型と比較して燃費が10%〜20%も改善されています。特に市街地走行における燃費の差は大きく、ストップ&ゴーが多い環境でこそ新型e:HEVのメリットが際立ちます。したがって、「新型ヴェゼルも燃費が悪い」という噂は、旧型のイメージに引きずられた誤解であると言えるでしょう。
旧型ヴェゼルで燃費が悪いと感じたら
- 中古で買う前に知りたいこと
- 購入後に後悔しないためのポイント
- 今日からできる燃費の良い走り方
- 航続可能距離を伸ばすコツ
- 旧型ヴェゼルの燃費が悪いかの結論
中古で買う前に知りたいこと
中古で旧型ヴェゼルを購入する際には、価格や走行距離だけでなく、いくつか重要なチェックポイントがあります。これらを押さえておくことで、燃費性能を含め、満足のいく一台を見つけることができます。
グレードごとの特徴を理解する
旧型ヴェゼルには、主に「X」「Z」「RS」といったグレードが存在します。快適性を重視するなら、装備が充実した上級グレードの「Z」がおすすめです。一方、走りの楽しさを求めるなら、専用サスペンションやエアロパーツを装備した「RS」が魅力的です。ただし、RSは乗り心地が硬めで燃費もやや劣る傾向にあるため、バランスを考えるなら「X」も良い選択肢となります。
前期モデルと後期モデルの違い
旧型ヴェゼルは2018年にマイナーチェンジが行われ、前期モデルと後期モデルに分かれます。後期モデルでは、乗り心地や静粛性が改善されているほか、安全運転支援システム「Honda SENSING」が全車標準装備となっています。燃費性能に大きな差はありませんが、総合的な快適性や安全性を重視するなら後期モデルがおすすめです。
メンテナンス履歴の確認
特にハイブリッドモデルを検討している場合、バッテリーの状態は非常に重要です。点検記録簿を確認し、定期的なメンテナンスが実施されてきたか、ハイブリッドシステムのチェックが行われているかを確認しましょう。バッテリーの交換には高額な費用がかかる可能性があるため、慎重な確認が必要です。
もちろん、修復歴の有無やエンジンオイルなどの消耗品が適切に交換されてきたかも、車両のコンディションを判断する上で欠かせないポイントです。
購入後に後悔しないためのポイント
旧型ヴェゼルの購入で後悔しないためには、ご自身のライフスタイルや車の使い方と、ヴェゼルの特性がマッチしているかを冷静に見極めることが最も重要です。
以下のポイントを自問自答してみることで、ミスマッチを防ぐことができます。
自分の使い方を再確認しよう
- 主な走行環境は?:渋滞の多い市街地がメインなのか、信号の少ない郊外路を長距離走ることが多いのか。前述の通り、市街地メインや寒冷地での使用は、ハイブリッドでも期待した燃費が出にくい可能性があります。
- 4WDは本当に必要か?:降雪地帯に住んでいる、あるいはウインタースポーツなどで雪道を走る機会が多い場合を除き、燃費や価格の面で有利な2WDモデルで十分なケースがほとんどです。
- 何を最も重視するか?:燃費性能を最優先するのか、それともデザインのかっこよさ、キビキビとした走り、あるいは購入価格の安さを重視するのか。すべての要求を満たす車は存在しないため、優先順位を明確にすることが大切です。

例えば、「冬の札幌市内で毎日短距離の通勤に使う」という目的であれば、旧型ヴェゼルのハイブリッドは燃費面で期待に応えられないかもしれません。一方で、「週末に郊外へドライブするのが趣味」という方なら、その燃費性能と走りの楽しさに満足できる可能性が高いでしょう。このように、具体的な利用シーンを想像することが後悔しないための第一歩です。
今日からできる燃費の良い走り方
旧型ヴェゼルの燃費は、少し運転の仕方を工夫するだけで改善することができます。特別な技術は必要なく、誰でも今日から実践できる「エコドライブ」の基本的なポイントをご紹介します。
1. 「ふんわりアクセル」を心がける
最も効果的なのが、穏やかなアクセル操作です。発進時はアクセルをゆっくりと踏み込み、スムーズにスタートすることを意識しましょう。「最初の5秒で時速20km」が目安です。急発進は燃費を悪化させる最大の要因の一つです。
2. 早めのアクセルオフ
赤信号や停止線が見えたら、早めにアクセルから足を離す習慣をつけましょう。エンジンブレーキが作動し、燃料の供給がカットされるため、燃費の節約につながります。ハイブリッド車の場合は、この間にバッテリーへの充電(回生)も行われるため、特に効果的です。
3. 車間距離に余裕を持つ
前の車との車間距離を十分に保つことで、不要な加速や減速の機会を減らすことができます。これにより、速度変化の少ない安定した走行が可能になり、燃費が向上します。
これらの運転を実践すると、同乗者の乗り心地も良くなるというメリットもあります。安全運転にもつながるエコドライブ、ぜひ習慣にしてみてください。
航続可能距離を伸ばすコツ
一回の給油で走れる距離、すなわち航続可能距離を伸ばすことは、結果的に燃費を向上させることと同じです。前述の「燃費の良い走り方」を実践することが基本となりますが、それに加えて日頃からできるいくつかのコツがあります。
1. タイヤの空気圧を適正に保つ
タイヤの空気圧が規定値より低いと、タイヤの転がり抵抗が大きくなり、燃費が悪化する原因になります。月に一度はガソリンスタンドなどで空気圧をチェックし、常に適正な状態を保つようにしましょう。これは安全走行のためにも非常に重要です。
2. 不要な荷物は降ろす
車の重量は燃費に直接影響します。使わないゴルフバッグやキャンプ用品などを常に積みっぱなしにしている場合は、不要な荷物を降ろすだけで燃費の改善が期待できます。車重が100kg軽くなると、燃費が約3%向上するとも言われています。
3. エアコンの適切な使用
特に夏場のエアコン(A/C)使用は燃費を大きく悪化させます。車内の温度が下がったら、風量を弱めたり、設定温度を少し上げるなどの工夫をしましょう。また、AUTOモードを効果的に使うことで、コンプレッサーの無駄な作動を抑え、燃費の悪化を最小限にすることができます。
これらの地道な積み重ねが、航続可能距離の延長とガソリン代の節約につながります。
旧型ヴェゼルの燃費が悪いかの結論
この記事で解説してきた内容をまとめると、旧型ヴェゼルの燃費に関する評価は以下のようになります。
- 旧型ヴェゼルの燃費評価は走行環境に大きく依存する
- カタログ燃費と実燃費には差があることを理解しておく必要がある
- 実燃費の達成率は約80%と比較的良好な部類に入る
- ガソリンモデルの実燃費は14km/L〜16km/Lが目安
- ハイブリッドモデルは得意な環境と苦手な環境がある
- 特に冬場の寒冷地や短距離走行では燃費が悪化しやすい
- 燃費以外にも視界の狭さや乗り心地の硬さといった欠点がある
- 新型ヴェゼルはe:HEV採用で燃費が大幅に向上している
- 中古で購入する際はグレードや後期モデルかどうかの確認が重要
- ハイブリッドはバッテリーの状態を必ずチェックする
- 自分の利用シーンと車の特性が合うかを見極めることが後悔を防ぐ
- エコドライブの実践で実燃費は改善できる
- 「ふんわりアクセル」と「早めのアクセルオフ」が基本
- タイヤ空気圧の管理や不要な荷物を降ろすことも効果的
- 燃費性能だけで判断せず、デザインや走りを含めた総合力で評価すべき一台である