ノートe-POWER NISMO Sのフル加速は6秒台?速さと実力を徹底解説

日産のノート e-POWER NISMO Sのフル加速は、コンパクトカーの常識を覆すほどの性能を秘めていると話題です。その驚異的なスペックや馬力から、0-100km/hのタイムで加速6秒台を記録するという声もあり、非常に速いと評価されています。一方で、一部では遅いとの意見や、バッテリーに関する懸念も聞かれます。この記事では、標準モデルとの違い、気になる燃費性能、そして中古車市場での状況まで、ノート e-POWER NISMO Sのフル加速性能に関するあらゆる情報を徹底的に掘り下げていきます。

この記事でわかること
  • NISMO Sの圧倒的な加速性能の秘密
  • 0-100km/h加速タイムの実力と評価
  • 走行性能と燃費、実用性のバランス
  • 中古車選びで失敗しないための注意点

ノート e power nismo s フル加速の真実とは?

  • 驚異のスペックとモーター駆動の仕組み
  • カタログ値を超える馬力の秘密とは?
  • 公式の0 100km加速タイムを徹底分析
  • 実測で驚きの加速6秒台は本当なのか?
  • なぜコンパクトカーなのに速いのか

驚異のスペックとモーター駆動の仕組み

驚異のスペックとモーター駆動の仕組み

ノート e-POWER NISMO Sの加速性能の根幹を成すのは、その心臓部であるパワートレインの特異なスペックにあります。このモデルは、エンジンで発電し、その電力でモーターを駆動させて走行する「シリーズ式ハイブリッド」を採用しています。

注目すべきは、搭載されているモーターがミニバンの「セレナe-POWER」と共通のハイパワーユニットである点です。モーターの最高出力は100kW(136ps)、最大トルクに至っては320Nmという、3リッターV6エンジンに匹敵する数値を発生させます。

ポイント

車重が1760kgあるセレナe-POWERと同じ強力なモーターを、510kgも軽い1250kgの車体に搭載していることが、圧倒的なダッシュ力を生み出す最大の理由です。

この強力なモーターを支えるため、インバーターや車両制御モジュール(VCM)も専用にチューニングされ、発電を担う1.2リッターエンジンも標準モデルよりパワーアップしています。まさに「羊の皮をかぶった狼」を現代の技術で実現した一台といえるでしょう。

ノート e-POWER NISMO S 主要スペック
項目 スペック詳細
駆動方式 FF(前輪駆動)
車両重量 1250kg
モーター最高出力 100kW (136ps) / 2985-8000rpm
モーター最大トルク 320Nm (32.6kgm) / 0-2985rpm
エンジン種類 1.2L 直列3気筒 DOHC(発電専用)
エンジン最高出力 61kW (83ps) / 6000rpm
サスペンション NISMO専用サスペンション(フロント強化スタビライザー付)

カタログ値を超える馬力の秘密とは?

カタログ値を超える馬力の秘密とは?

ノート e-POWER NISMO Sの最高出力は136馬力と公表されていますが、その体感的な速さはカタログスペック以上だと感じる方が多いようです。この感覚の背景には、e-POWERシステムならではの巧みな電力制御が隠されています。

最大のポイントは、バッテリーとエンジン発電の両方から、いかに効率よく大電力をモーターへ供給するかという点にあります。開発担当者によると、バッテリーからの持ち出し電力は、標準のe-POWERユニットに比べて30〜40%も増加しているとの情報があります。これにより、アクセルを踏み込んだ瞬間に、モーターが要求する大きな電力に即座に応えることができるのです。

豆知識:ドライブモードの役割

走行モードの中でも「Sモード」の「Bレンジ」を選択すると、発電用のエンジンがなるべく停止しないように制御されます。これは、常に発電体制を維持することで、バッテリー残量に左右されず、いつでも瞬時にフルパワーを引き出せるようにするためのスポーツ走行を意識した専用チューニングです。

このように、単純なモーターの馬力だけでなく、その性能を100%引き出すための専用制御があってこそ、ノート e-POWER NISMO Sの鮮烈な加速が実現されています。

公式の0 100km加速タイムを徹底分析

モーター駆動車ならではの鋭い加速性能を測る指標として、多くの方が気にするのが「0-100km/h(ゼロヒャク)加速」タイムです。

複数の自動車メディアによるテストによると、ノート e-POWER NISMO Sの0-100km/h加速タイムはおおむね7.8秒前後と記録されています。これは、ベースとなった「ノート e-POWER NISMO」のタイムから約1.7秒も短縮された、驚異的な数値です。

 Jorge

一般的なガソリンエンジン車と違い、発進した瞬間(モーター回転数0rpm)から最大トルクの320Nmを発生できるのが電気モーターの最大の強みですね。この特性が、ロケットのようなスタートダッシュを可能にしています。

同クラスのコンパクトカーでは10秒を切れば俊足と言われる中で、この7秒台というタイムは、一昔前のスポーツカーに匹敵するレベルです。街乗りから高速道路の合流まで、あらゆるシーンで余裕のある、力強い走りを提供してくれます。

実測で驚きの加速6秒台は本当なのか?

実測で驚きの加速6秒台は本当なのか?

公式な記録ではないものの、オーナーコミュニティや動画サイトでは、ノート e-POWER NISMO Sが0-100km/h加速で6秒台を記録したという報告が複数見られます。

例えば、あるユーザーの投稿では、勾配のない平坦な路面で計測したところ、6.67秒というタイムが出たとの事例があります。これは、メーカーのテスト車両やメディアの計測値をさらに上回る、衝撃的な速さです。

ただし、こうしたユーザーによる実測値にはいくつかの注意点が存在します。

注意点

これらのタイムは、タイヤの種類、路面状況、気温、乗車人数、そして計測機器の精度など、様々な条件によって大きく変動します。あくまで非公式な参考値として捉えることが重要です。

また、前述の6.67秒を記録したユーザーによると、純正タイヤではモーターの強大なトルクに耐えきれず、発進時にタイヤが空転してしまう問題があったと報告されています。グリップ性能の高いタイヤに交換することで、さらにタイムが向上する可能性も示唆しており、このクルマのポテンシャルの高さを物語っています。

なぜコンパクトカーなのに速いのか

ノート e-POWER NISMO Sがコンパクトカーの枠を超えた速さを持つ理由は、これまでに述べてきた要素を統合すると明確になります。

軽量ボディと高トルクモーターの融合

最大の理由は、「軽い車体に、過剰なほど強力なモーターを搭載した」という点に尽きます。車重はわずか1250kg。ここに、発進直後から320Nmもの大トルクを発生するモーターが組み合わさることで、驚異的な加速Gを生み出します。

優れたパワーウェイトレシオ

クルマの加速性能を示す指標の一つに「パワーウェイトレシオ(1馬力あたりが支える車重)」があります。この数値が小さいほど加速性能に優れるとされますが、NISMO Sのパワーウェイトレシオは約9.19kg/psです。これは多くのスポーツモデルに迫る数値であり、動力性能の高さを裏付けています。

ポイント

単純な馬力だけでなく、車重とトルクのバランスが、このクルマの「速さ」を決定づける重要な要素となっています。日常的な速度域であるハーフアクセルの領域でさえ、ベースモデルとは比較にならない力強さを感じられるのは、この優れたバランスのおかげです。

ノート e power nismo s フル加速と実用性の両立

  • フル加速が遅いと感じる唯一の弱点
  • 標準ニスモとの決定的な違いを比較
  • 気になる実燃費とカタログ燃費の差
  • 中古車市場での価格と選び方のコツ
  • まとめ:ノート e power nismo s フル加速の魅力

フル加速が遅いと感じる唯一の弱点

ノート e-POWER NISMO Sは圧倒的な瞬発力を誇りますが、そのパフォーマンスには一つだけ明確な弱点が存在します。それは、駆動用バッテリーの容量が比較的小さいことです。

フルアクセル状態を長く続けると、モーターが消費する電力にエンジンによる発電が追いつかなくなります。その結果、バッテリー残量が底をつき、一時的に加速性能が大幅に制限されてしまうのです。

デメリット

メーカーによるテスト情報では、富士スピードウェイのショートコースを3周ほど連続走行しただけで、バッテリー残量がなくなり加速が鈍ってしまったという報告があります。サーキットでの連続周回や、長い上り坂が続く峠道での全開走行といったシチュエーションには向いていません。

もちろん、バッテリーが空になってもエンジンは発電を続けるため、電欠で走行不能になる心配はありません。しかし、「胸のすくようなフル加速」はバッテリーの電力が回復するまでしばらくお預けとなります。この点が、唯一「遅い」と感じられかねない部分といえるでしょう。

標準ニスモとの決定的な違いを比較

標準ニスモとの決定的な違いを比較

「NISMO」と「NISMO S」は、外観こそ似ていますが、中身は全くの別物です。購入を検討する上で、両者の違いを正確に理解しておくことが重要になります。

最大の違いは、前述の通りモーターの出力とトルクです。NISMO Sは、標準のNISMOに対して出力が27ps、トルクは66Nmも向上しています。この差が、0-100km/h加速で1.7秒もの違いを生み出しているのです。

NISMOとNISMO Sの主な違い
項目 e-POWER NISMO e-POWER NISMO S
モーター最高出力 80kW (109ps) 100kW (136ps)
モーター最大トルク 254Nm 320Nm
0-100km/h加速(参考) 約9.5秒 約7.8秒
ドライブモード数 4種類 6種類
新車時価格(参考) 約249万円 約272万円
 Jorge

エクステリアの違いはエンブレムとLEDヘッドランプが標準装備化された程度ですが、走りの性能は全くの別次元です。約23万円の価格差でこのパフォーマンス向上が得られるのは、非常に魅力的と言えますね。

その他、NISMO Sにはスポーツ走行をより楽しむための専用ドライブモードが追加されるなど、走りに特化したチューニングが随所に施されています。

気になる実燃費とカタログ燃費の差

これほどの動力性能を持つノート e-POWER NISMO Sですが、燃費性能も気になるポイントです。ただし、このモデルは特殊な位置づけのためか、公式なJC08モード燃費は公表されていません。

e-POWERシステムは、アクセルの踏み方によって燃費が大きく変動するのが特徴です。モーターの強力なトルクを活かして、ゆったりと加速する「ECOモード」で走行すれば、発電用エンジンの稼働を最小限に抑えられ、良好な燃費が期待できます。

一方で、フル加速を多用する「Sモード」での走行がメインとなれば、当然ながら燃費は悪化します。特に、エンジンを常時稼働させて発電を続けるスポーツ走行用のモードでは、燃費よりも走りの楽しさが優先されます。

ポイント

燃費はオーナーの運転スタイルに大きく依存します。日常的な使い方であれば、標準のノートに近い燃費を実現することも可能ですが、スポーツ走行を楽しめば、その分燃料消費は増えるという、非常に分かりやすい特性を持っています。

中古車市場での価格と選び方のコツ

中古車市場での価格と選び方のコツ

ノート e-POWER NISMO Sは、その専門性の高さから生産台数が限られており、中古車市場での流通量は決して多くありません。しかし、根強い人気があるため、状態の良い車両は今でも高値で取引される傾向にあります。

中古車を選ぶ際の最大のポイントは、車両の状態を丁寧に見極めることです。スポーツモデルという特性上、前オーナーがどのような乗り方をしていたかによって、車両のコンディションに大きな差が出やすいためです。

中古車選びの注意点

  • 修復歴の有無はもちろん、サスペンションやブレーキ周りの消耗・劣化具合を重点的にチェックしましょう。
  • 可能であれば試乗を行い、走行中に異音や違和感がないかを確認することをおすすめします。
  • メーカーオプションの「NISMO専用RECARO製スポーツシート」が装着されているかどうかも、価格や満足度に影響する重要なポイントです。

新車価格が約272万円だったことを考えると、状態の良い中古車を適切な価格で見つけられれば、非常にお買い得な選択肢となり得ます。信頼できる販売店で、車両の状態をしっかりと確認してから購入を決めましょう。

まとめ:ノート e power nismo s フル加速の魅力

最後に、この記事で解説した「ノート e-POWER NISMO S」のフル加速性能と、その魅力に関する要点をまとめました。

  • ノートe-POWER NISMO Sはモーター駆動のチューニングモデル
  • モーターの最高出力は136ps、最大トルクは320Nmを発揮
  • このトルクは3L V6自然吸気エンジンに匹敵するレベル
  • 車重の重いセレナe-POWERと同じモーターを軽量な車体に搭載
  • 公式な0-100km/h加速タイムの記録は約7.8秒
  • 標準のe-POWER NISMOよりも1.7秒速いタイム
  • ユーザーによる実測では6秒台を記録したという報告もある
  • 発進直後から最大トルクを発生できるモーターの特性が強み
  • 唯一の弱点は駆動用バッテリーの容量が小さいこと
  • サーキットなどでの連続した全開走行ではパワーが制限される
  • 標準ニスモとの違いは主にモーター出力と専用制御にある
  • 走行モードは標準の4種類から6種類に増加している
  • 公式なカタログ燃費は未公表で走り方によって大きく変動
  • 中古車市場では流通量が少なく希少なモデルとなっている
  • 中古車選びでは車両コンディションの個体差に注意が必要