日産ノートe-powerのワンペダル走行、とても便利ですが「思ったよりエンジンブレーキが強いな」と感じていませんか。特にeペダルのSモードやエコモードでは、アクセルを離した際の強い回生ブレーキに戸惑う方もいるかもしれません。日産ノートのeペダルを解除したい、あるいはエンジンブレーキの効きを弱めるためのモード切り替えに関心がある方のために、この記事では具体的なノートe-powerのワンペダル解除方法を解説します。また、新型モデルでワンペダルの完全停止機能が廃止された理由についても掘り下げていきます。
この記事でわかること
- ワンペダルの基本的な仕組みやメリット・デメリット
- スイッチ操作による具体的なワンペダル解除方法
- 走行モードごとの減速感の違いと最適な選び方
- ワンペダル操作の注意点と安全な運転のコツ
ノート e-POWER ワンペダル解除 方法の基本知識
- 日産のeペダルはどんな機能?
- ワンペダルはエンジンブレーキが強い?
- 加減速を制御する回生ブレーキの仕組み
- Sモードの強いエンジンブレーキの特性
- 走行モード切り替えによる減速感の違い
日産のeペダルはどんな機能?
日産のe-Pedal(eペダル)とは、アクセルペダルだけの操作で、加速から減速までをコントロールできる画期的な機能です。通常、運転はアクセルペダルで加速し、ブレーキペダルで減速を行いますが、e-Pedalを使えば、その踏み替えの頻度を大幅に減らすことができます。
アクセルペダルを踏めば加速し、踏む力を緩めたり足を離したりすると、まるでブレーキを踏んだかのように減速します。このため、市街地でのストップ&ゴーが多い場面や、緩やかなカーブが続く道などでは、右足の移動が少なくなり、運転時の疲労軽減につながります。

慣れるまでは少し独特の感覚がありますが、一度この操作に慣れてしまうと、ペダルの踏み替えが減って運転がとても楽に感じられます。特に渋滞時のノロノロ運転では、その真価を発揮しますよ。
ただし、この機能はあくまで運転を支援するものであり、急ブレーキが必要な場合や緊急時には、従来通りブレーキペダルを踏む必要があります。安全を最優先し、状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
ワンペダルはエンジンブレーキが強い?
「ワンペダルはエンジンブレーキが強い」と感じる方は少なくありません。実際にアクセルペダルを離した際の減速感は、一般的なガソリン車のエンジンブレーキよりもかなり強力です。これは、e-POWERシステムが通常のエンジンブレーキとは異なる仕組みで減速力を生み出しているためです。
この強い減速力の正体は、「回生ブレーキ」と呼ばれるものです。アクセルをオフにすると、モーターが発電機として働き、タイヤの回転エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーを充電します。このとき、発電のためにモーターに大きな抵抗がかかり、それが強力な制動力となって車速を落とすのです。
特に、走行モードを「S(Smart)」や「ECO(エコ)」に設定している場合、この回生ブレーキが最大限に活用されるため、アクセルを離すだけでガクンと減速するような強い制動力を体感します。
後続車への注意が必要
この強い減速のため、アクセルを急に離すと後続車に追突されるリスクも考えられます。ワンペダル操作に慣れていないうちは、後続車との車間距離を十分に保ち、緩やかにアクセルを戻すことを心がけましょう。なお、一定以上の減速G(重力加速度)が発生した際には、ブレーキランプが自動で点灯する仕組みになっています。
この特性を理解し、滑らかなアクセルワークを身につけることが、ワンペダルを快適に使いこなすための鍵となります。
加減速を制御する回生ブレーキの仕組み
ワンペダルの強力な減速感の源である「回生ブレーキ」は、ハイブリッド車や電気自動車に特有の非常に効率的なシステムです。ここでは、その仕組みを分かりやすく解説します。
従来のガソリン車では、減速時にブレーキパッドをディスクに押し付けて摩擦を発生させ、車の運動エネルギーを熱エネルギーに変えて放出していました。これは、せっかく作り出したエネルギーを捨ててしまうことになり、効率的とは言えません。
一方、回生ブレーキは、減速時にモーターを発電機として機能させ、車の運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに回収(回生)する仕組みです。つまり、これまで捨てていたエネルギーを再利用して、次の加速や走行に役立てるのです。
回生ブレーキは燃費向上に貢献
回生ブレーキによって電気を回収することで、発電のためにエンジンを動かす頻度を減らすことができます。これにより、燃料の消費を抑え、燃費(電費)の向上に大きく貢献します。
この発電プロセスにおいて、モーターには発電のための負荷(抵抗)がかかります。例えるなら、自転車のダイナモ式ライトを点灯させるとペダルが重くなるのと同じ原理です。この抵抗力が、e-POWERのワンペダル操作における強力なブレーキ力として作用するわけです。
Sモードの強いエンジンブレーキの特性
ノートe-POWERには、走行シーンに合わせて選べる複数のドライブモードが搭載されています。その中でも特にスポーティーな走行フィールを提供するのが「S(Smart)モード」です。
Sモードを選択すると、アクセル操作に対するレスポンスが向上し、加速・減速がよりダイレクトになります。特に減速側では回生ブレーキの効きが最も強くなるように設定されており、アクセルを少し戻すだけで明確な減速感が得られます。
Sモードのメリット
このキビキビとした反応は、カーブが連続するワインディングロードなどで真価を発揮します。アクセルワークだけで車速を自在にコントロールできるため、リズミカルで楽しい運転を体験できます。ペダルの踏み替えがほとんど不要になるため、ドライバーはステアリング操作に集中しやすくなるという利点もあります。
Sモードの注意点
一方で、その強い減速力ゆえに、滑らかな運転にはアクセルの繊細なコントロールが求められます。慣れないうちは、意図しない急な減速で同乗者が車酔いを起こしてしまう可能性もあるため、特に市街地などでは丁寧な操作を心がける必要があります。
走行モード切り替えによる減速感の違い
ノートe-POWERでは、ドライブモードを切り替えることで、ワンペダル(回生ブレーキ)の減速力の強さを調整できます。各モードの特性を理解し、走行状況や好みに合わせて使い分けることが、快適なドライブのポイントです。
主に搭載されているのは「Normal(ノーマル)」「S(Smart)」「ECO(エコ)」の3つのモードです。それぞれの減速感には以下のような違いがあります。
ドライブモード | 加速感 | 減速感(回生ブレーキ) | 特徴とおすすめシーン |
---|---|---|---|
Normal | 標準的 | 弱い | ガソリン車に近い自然なフィーリング。高速道路での巡航や、ワンペダルに慣れていない場合に適しています。 |
S (Smart) | 力強い | 最も強い | キビキビとしたスポーティーな走りを楽しみたい時に最適。ワインディングロードなどで運転が楽しくなります。 |
ECO | 穏やか | 強い |
燃費を最優先したモード。加速がマイルドになり、回生ブレーキを強く効かせることで効率的にエネルギーを回収します。 |

「エンジンブレーキが強すぎる」と感じる場合は、まずはNormalモードで試してみるのがおすすめです。ガソリン車からの乗り換えでも違和感が少なく、スムーズに運転できますよ。
具体的なノート e power ワンペダル解除 方法
- 日産ノートeペダルの解除スイッチ操作
- エンジンブレーキ解除と通常走行への復帰
- エコモード解除で走りはどう変わるか
- なぜワンペダル完全停止は廃止されたか
- ノート e power ワンペダル解除方法の要点まとめ
日産ノートeペダルの解除スイッチ操作
日産ノートe-POWERのワンペダル機能(e-Pedal)は、簡単なスイッチ操作でいつでもオン・オフを切り替えることができます。「ワンペダルの感覚に慣れない」「一時的に解除したい」という場合に、すぐに通常走行に戻すことが可能です。
e-Pedalの切り替えは、センターコンソール(シフトレバー周辺)に配置されている「e-Pedalスイッチ」で行います。
e-Pedalの解除(OFF)手順
- 車のパワースイッチをONにします。
- ブレーキペダルを踏みながら、e-Pedalスイッチを引きます。(車種や年式によってはブレーキペダル操作が不要な場合もあります)
- メーター内のe-Pedalインジケーターが消灯すれば、機能が解除(OFF)された状態です。
再びe-PedalをONにしたい場合も、同様にe-Pedalスイッチを引くだけで切り替わります。この操作は走行中でも可能ですが、減速の度合いが大きく変わるため、安全な状況で操作するようにしてください。
設定を記憶させることも可能
通常、一度パワースイッチをOFFにすると、次に始動した際にはe-Pedalは自動的にOFFの状態になります。もし、常にe-PedalがONの状態から始めたい場合は、アドバンスドドライブアシストディスプレイの「設定」から「運転支援システム」→「e-Pedal」→「モード記憶」を選択することで、前回の設定を維持できます。
エンジンブレーキ解除と通常走行への復帰
e-Pedalスイッチを操作してワンペダル機能を解除(OFFに)すると、ノートe-POWERは従来のオートマチック車とほぼ同じ運転感覚に戻ります。これにより、「強いエンジンブレーキ」と感じていた強力な回生ブレーキは作動しなくなります。
ワンペダルを解除した状態での主な特徴は以下の通りです。
クリープ現象が発生する
ワンペダルOFFの状態では、ブレーキペダルから足を離すと車がゆっくりと前進する「クリープ現象」が発生します。これにより、駐車場での微調整や渋滞時の少しずつの前進が、アクセルを踏まずにブレーキ操作だけで行えるようになります。これは、ガソリンのオートマ車に慣れている方にとっては馴染み深い感覚です。
減速はフットブレーキが基本
アクセルペダルを離しても、ワンペダル作動時のような強い減速は起こりません。ごく弱い回生ブレーキは効いていますが、基本的にはガソリン車と同様の緩やかな減速となります。そのため、車速を落としたり停止したりする際には、フットブレーキ(ブレーキペダル)をしっかりと踏む必要があります。

レンタカーでノートe-POWERに初めて乗る方や、ご家族など運転に慣れていない方が運転する際には、安全のためにまずワンペダルをOFFにして、通常の2ペダル操作で運転することをおすすめします。
エコモード解除で走りはどう変わるか
ワンペダル機能そのものを解除するのではなく、「減速の効き具合を調整したい」という場合は、ドライブモードの切り替えが有効です。特に「ECO(エコ)モード」を解除し、「Normal(ノーマル)モード」にすることで、走行フィールは大きく変化します。
ECOモードは、その名の通り燃費効率を最優先するためのモードです。そのため、以下のような特徴があります。
- アクセルの反応が穏やかになり、緩やかに加速する
- 回生ブレーキを強く効かせ、効率的にエネルギーを回収する
このECOモードを解除してNormalモードに切り替えると、アクセルを離した際の強い減速感が和らぎ、ガソリン車に近い、より自然で滑らかな走行感覚になります。加速もECOモードよりはダイレクトになるため、流れの速い幹線道路や高速道路などでは、ストレスの少ない運転が可能です。
ECOモードからNormalモードへの変更方法
ドライブモードの切り替えは、シフトレバーの近くにある「ドライブモードセレクター」で行います。スイッチを押すたびに「Normal → S → ECO」の順にモードが切り替わりますので、メーター内の表示を確認しながら好みのモードを選択してください。
「ワンペダルの利便性は活かしたいけれど、減速が強すぎるのは苦手」という方は、まずNormalモードで運転してみることをお勧めします。
なぜワンペダル完全停止は廃止されたか
初代ノートe-POWERで大きな注目を集めた特徴の一つが、アクセルペダルを離すだけで車が完全に停止する機能でした。しかし、2020年に登場した現行モデルでは、この完全停止機能が廃止され、最終的にはブレーキペダルを踏んで停止する仕様に変更されています。
この仕様変更には、主に「操作性」と「安全性」の2つの理由が背景にあります。
1. 操作性の観点
ワンペダルでの完全停止は、慣れると非常に便利な一方、狙った停止線でピッタリと止まるには繊細なアクセルワークが求められました。特に運転に慣れていないドライバーからは、「停止位置の微調整が難しい」という声がありました。メーカーは、より多くのドライバーが違和感なく、かつ確実に車を停止できるよう、最終的な停止操作はドライバー自身のブレーキ操作に委ねるという判断をしたと考えられます。
2. 安全性の観点
より重要なのが安全性の問題です。ワンペダルで減速する際、緩やかにアクセルを戻すと、ブレーキランプが点灯しないまま停止することが可能でした。日本の保安基準では、一定の減速度を超えないとブレーキランプの点灯義務がないためです。後続車が減速に気づかず、追突事故につながるリスクがあると指摘されていました。
現行モデルのe-Pedal Step
現行モデルに搭載されている「e-Pedal Step」は、アクセルを離すと約5km/h程度まで減速し、そこからはクリープ走行に移行します。これにより、ドライバーは必ずブレーキペダルを踏んで停止することになり、ブレーキランプが確実に点灯するため、後続車への安全性も向上しています。
この変更は、一部のユーザーからは「ワンペダルの魅力が半減した」と惜しむ声もありますが、より幅広いユーザーにとっての扱いやすさと安全性を優先した、メーカーとしての合理的な判断と言えるでしょう。
ノート e power ワンペダル解除方法の要点まとめ
最後に、この記事で解説したノートe-powerのワンペダル解除方法や関連情報の要点をまとめます。
- e-Pedalはアクセル操作だけで加減速できる日産の独自機能
- 強い減速感の正体はモーターによる回生ブレーキ
- ワンペダルの解除はセンターコンソールのe-Pedalスイッチで行う
- 機能を解除するとクリープ現象が発生し通常のオートマ車に近い操作感になる
- 走行モードをNormalに切り替えることでも減速感を弱めることが可能
- Sモードは最も回生ブレーキが強くスポーティーな走行に適している
- ECOモードは燃費を優先し加速が穏やかで回生が強い設定
- ワンペダル操作に慣れない場合はNormalモードでの走行が推奨される
- 現行モデルではワンペダルによる完全停止機能は廃止されている
- 廃止の理由は操作性の向上と安全性の確保が目的
- 特にブレーキランプ非点灯での停止による追突リスクが問題視された
- 現行のe-Pedal Stepは時速約5kmまで減速後クリープ走行に移行する
- 最終的な停止にはブレーキペダル操作が必要となり安全性が向上した
- 緊急時や急制動が必要な場面では必ずブレーキペダルを使用する
- 設定を記憶させないとエンジン再始動時にワンペダルはOFFになる