NV200とタウンエースどっちが良い?徹底比較で選ぶ1台商用バンや、近年盛り上がりを見せるコンパクトキャンパーのベース車両として、常に比較対象となる日産NV200とトヨタタウンエース。NV200とタウンエースどっちが良いかという疑問は、ビジネス用途からプライベートでの利用まで、多くの方が抱える共通の悩みです。長距離移動の快適性を左右する乗り心地や日々の経費に関わる燃費、そして事業の効率に直結する重要な荷室比較はもちろん、趣味の相棒としての車中泊での使い勝手まで、購入を決定する上で気になるポイントは多岐にわたります。

インターネット上では「タウンエースは最悪」といった厳しい口コミ・レビューも散見されますが、一方で乗用車ライクなNV200にも商用車としての欠点がないわけではありません。この記事では、永遠のライバルとも言える両車種のスペック、長所、短所を徹底的に比較し、あまり知られていないタウンエースの同等車種(OEMモデル)にも触れながら、あなたのビジネスやライフスタイルにとって最適な一台を見つけるための詳細な情報をお届けします。

この記事で分かること
  • NV200とタウンエースの基本的なスペックの違い
  • 走行性能や乗り心地に関する具体的な差
  • 荷室の広さや車中泊における使い勝手
  • 購入前に知っておくべき各車種の注意点

データ比較でわかるNV200とタウンエースどっちが良い?

データ比較でわかるNV200とタウンエースどっちが良い?

 

  • カタログ値で見る燃費性能
  • 商用バンとしての乗り心地
  • NV200に潜む欠点とは
  • タウンエースが最悪と言われる理由

仕事で使う際の荷室比較

仕事で使う際の荷室比較

NV200とタウンエースをビジネスパートナーとして評価する上で、最も重要かつシビアな比較ポイントが荷室の使い勝手です。まず結論から明確にすると、段ボールやコンテナなど規格品の積載効率と最大積載量ではタウンエースドライバーの身体的負担の軽減や柔軟なシートアレンジによる長尺物の積載ではNV200に、それぞれ明確なメリットが存在します。

寸法スペックの直接対決

両車の荷室寸法を比較すると、設計思想の違いが数値となってはっきりと現れます。特筆すべきは、タウンエースが車両全長ではNV200より約35cmも短いにもかかわらず、荷室長では逆に約15cmも長いという点です。これは、エンジンを運転席下に配置するセミキャブオーバー形式の恩恵であり、スペース効率を極限まで追求した商用車ならではの設計と言えます。

項目 日産 NV200バネットバン (DX/VX) トヨタ タウンエースバン (DX/GL)
荷室長 1,900mm 2,045mm (2名乗車時)
荷室幅 1,500mm (タイヤハウス間 1,220mm) 1,495mm (タイヤハウス間 1,265mm)
荷室高 1,315mm 1,305mm
床面地上高 520mm 620mm
最大積載量 600kg (2WD) 750kg (2WD)

このように、タウンエースは荷室長と最大積載量でNV200を明確に上回っています。特に最大積載量が150kgも多い点は、建築資材や飲料、重量のある機械などを運ぶ機会が多い事業者にとっては、日々の業務効率を左右する決定的な差となるでしょう。また、荷室がよりスクエアな形状をしているため、規格品の段ボールなどを隙間なく効率的に積載する際に有利に働きます。

形状と使い勝手の違い

一方で、NV200は前輪駆動(FF)レイアウトと乗用車由来のプラットフォームの恩恵で、床面地上高が520mmと非常に低いのが最大の特徴です。タウンエースより10cmも低いこの設計は、1日に何十回と繰り返す積み下ろし作業において、ドライバーの腰への負担を大きく軽減します。これは数値スペックだけでは測れない、長期的な視点での大きなメリットです。

さらに、NV200は助手席を前に倒すことでフラットなスペースを作り出し、長尺物の積載に対応できる「助手席シートバックテーブル」機能も備えています。これにより、内装材や物干し竿といった長さのある荷物も車内にスマートに収納可能です。

対するタウンエースは後輪駆動(FR)のため、後輪のホイールハウスが荷室内に大きく張り出しており、これがデッドスペースになりがちです。荷物の積み方には多少の工夫が必要になる場面も少なくありませんが、タイヤハウス間の幅自体はNV200より若干広いという利点もあります。

荷室比較のまとめ

  • タウンエース:最大積載量とスクエアな大空間が最大の武器。重くてかさばる荷物を効率よく運ぶプロフェッショナル向け。
  • NV200:圧倒的な低床による作業負担の軽減が魅力。柔軟なシートアレンジで多様な荷物に対応できる器用さも持つ。

カタログ値で見る燃費性能

カタログ値で見る燃費性能

燃料価格の変動が経営に直接影響を与える商用車にとって、燃費性能は無視できない重要なランニングコストです。ここではNV200とタウンエースの燃費性能を、より実態に近いとされるWLTCモードの数値を交えて比較・解説します。

結論として、乗用車由来の先進的なパワートレインを持つNV200が、特に市街地走行における燃費性能で優位に立っています。これは、NV200が無段変速機であるCVTを採用し、エンジンの最も効率的な回転域を常に使用できることが大きく影響しています。

車種 (2WDモデル) エンジン トランスミッション 燃費 (WLTCモード) 燃費 (JC08モード)
日産 NV200バネットバン 1.6L ガソリン (HR16DE) エクストロニックCVT 13.3 km/L 14.0 km/L
トヨタ タウンエースバン 1.5L ガソリン (2NR-VE) 4AT 12.0 km/L 12.6 km/L
トヨタ タウンエースバン 1.5L ガソリン (2NR-VE) 5MT 12.6 km/L 12.8 km/L

(出典:国土交通省 自動車燃費目標基準および各メーカー公式サイトより)

表の通り、特にオートマチック車同士で比較すると、WLTCモードで1.3km/Lの差があり、これは日々の走行距離が長いほど大きな燃料コストの差となって現れます。NV200に搭載されるCVTは、変速ショックのない滑らかな加速を実現し、燃費だけでなく運転の快適性にも貢献しています。

一方で、タウンエースのMT(マニュアルトランスミッション)車は、ベテランドライバーが運転技術を駆使することで、カタログ値に近い、あるいはそれを上回る燃費を叩き出すことも可能です。シンプルな構造ゆえに、ドライバーの意思がダイレクトに伝わるという側面もあります。

男性

ただし、これはあくまでカタログ上の数値です。実際の燃費は積載量やエアコンの使用、運転の仕方(急発進・急ブレーキの有無)によって大きく変動することを忘れてはいけません。特に商用バンは積載物の重量が燃費に与える影響が乗用車よりも大きいため、日々の業務内容を考慮して判断することが重要です。

両車ともに現代の車両としてアイドリングストップ機能が搭載されており、環境性能や燃費向上への配慮がなされています。純粋な燃料代だけを考えるならNV200が有利ですが、構造がシンプルなタウンエースは長期的に見た際のメンテナンスコストを抑えられる可能性もあり、トータルコストで判断する視点も必要です。

商用バンとしての乗り心地

一日の大半を車内で過ごすドライバーにとって、乗り心地は単なる快適性の問題ではなく、業務の生産性や安全性を左右する重要な要素です。この点において、NV200とタウンエースは「乗用車」と「トラック」ほどの明確なキャラクターの違いがあります。

あらゆるユーザーレビューや専門家の評価で一致している通り、乗り心地、静粛性、運転のしやすさといったドライバーの快適性に関わるすべての面でNV200が圧倒的に優れています。

乗用車プラットフォームのNV200

NV200は、日産のグローバルBプラットフォームをベースに開発され、バンだけでなく乗用ワゴンや、かつてはニューヨークのイエローキャブに採用された実績もあるなど、人の移動を強く意識した設計がなされています。フロントサスペンションには乗用車で一般的なマクファーソンストラット式を採用。これにより、路面からの衝撃をしなやかに吸収し、商用バン特有のゴツゴツ感を大幅に低減しています。また、エンジンルームとキャビンの隔壁の遮音性も高く、走行中のエンジン音やロードノイズが小さいのも大きな特徴。長距離・長時間の運転でも疲労が蓄積しにくく、ドライバーは運転に集中できます。

道具に徹したタフな乗り味のタウンエース

一方、タウンエースはインドネシアをはじめとする新興国の未舗装路など、過酷な使用環境を想定した堅牢な設計が特徴です。運転席が前輪のほぼ真上にあるセミキャブオーバーというレイアウトは、小回り性能に優れる反面、路面からの突き上げや振動がダイレクトに伝わってきます。特に空荷の状態では、後輪の強固なリーフスプリング(板バネ)が常に跳ねるような感覚があり、乗り心地は「軽トラックに近い」と評されることも少なくありません。

そして、タウンエースを語る上で避けて通れないのが、運転席の足元スペースの狭さと特異なペダルレイアウトです。

【最重要】タウンエースのペダルレイアウトは必ず実車で確認を!

タウンエースは、FRレイアウトの都合上、前輪の大きなホイールハウスが運転席の足元に大きく張り出しています。これにより、アクセル、ブレーキ、そしてクラッチ(MT車)の各ペダルが車両の中央寄りにオフセットして配置されています。このため、大柄な方はもちろん、そうでない方でも窮屈に感じたり、自然な体勢で運転できなかったりすることがあります。これが原因で腰痛に悩まされるという声も聞かれます。購入を検討する際は、短時間の試乗だけでなく、できればレンタカーなどで1日乗り、自分の体に合うかどうかを厳しくチェックすることを強く推奨します。

結論として、ドライバーの快適性や労働環境を重視するならば、選択肢は自ずとNV200になります。しかし、タウンエースの頑丈な作りと悪路もいとわない走破性は、建設現場や山間部など、よりハードな現場でその真価を発揮するでしょう。

NV200に潜む欠点とは

乗用車ライクな快適性とスタイリッシュなデザインで、個人ユーザーからも支持を集めるNV200ですが、商用車としての側面から見ると、いくつかの無視できない欠点が存在します。メリットばかりに目を向けていると、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。ここでは、NV200が抱える構造的な弱点を深掘りします。

NV200の主な欠点は、ライバルと比較して劣る最大積載量と、前輪駆動(FF)レイアウトに起因する積載時の走行バランスに集約されます。

業務内容を選ぶ「最大積載量600kg」

前述の通り、NV200(2WD)の最大積載量は600kgです。これは、タウンエース(750kg)や、かつてのライバルであったトヨタのライトエース(最終モデルは750kg)と比較しても見劣りする数値です。あと100kg、150kgが積めるかどうかは、一度に運べる荷物の量を左右し、配送業務などでは往復回数の増減、つまり人件費や燃料費に直接影響します。

軽量でかさばる荷物(例:アパレル、生花、パンなど)の配送が中心であれば問題ありませんが、建築資材、重量のある機械、液体が入ったタンクなどを日常的に運ぶ用途では、常に積載量を気にしながら業務を行う必要があり、大きなストレスとなる可能性があります。

積載時に露呈するFFレイアウトの弱点

前方にエンジンという重量物を配置し、前輪で駆動するFFレイアウトは、空荷や軽積載時には前輪にしっかりと荷重がかかるため、直進安定性に優れ、雪道など滑りやすい路面でも比較的安定した走行が可能です。これはNV200の大きなメリットの一つです。

しかし、荷室に最大積載量に近い重い荷物を積むと、シーソーのように車体の後方が沈み込み、相対的にフロント部分が持ち上がる形になります。これにより、駆動輪である前輪の接地圧が低下し、タイヤが路面にトラクション(駆動力)を伝えにくくなるという現象が発生します。特に、雨の日の工事現場や、砂利が敷かれた急な坂道での発進時など、ただでさえ滑りやすい状況では、タイヤが空転してしまい、最悪の場合スタック(立ち往生)してしまうリスクもゼロではありません。重量物を積んでタフな環境を走る機会が多いユーザーにとっては、後輪にしっかりと荷重がかかるFRのタウンエースの方が信頼性が高いと感じるでしょう。

グローバルモデルならではの注意点:インチ規格のボルト・ナット

これは純粋な欠点ではありませんが、知っておくと役立つ情報です。NV200は欧米、アジアなど世界各国で販売される世界戦略車です。そのため、車両を構成するボルトやナットの一部に、日本ではあまり使われないインチ規格のものが採用されています。ご自身でメンテナンスやカスタム(例えば、社外品のパーツ取り付けなど)を行う方は、一般的なミリ規格の工具セットだけでは対応できない場面が出てくる可能性があります。インチ規格のソケットレンチなどをあらかじめ用意しておくと、いざという時に困らずに済みます。

タウンエースが最悪と言われる理由

トヨタのエンブレムを掲げ、全国の販売網で売られているにもかかわらず、インターネットでタウンエースを検索すると、「最悪」「ひどい」「後悔」といった辛辣なキーワードが関連表示されることがあります。これは一体なぜなのでしょうか。その理由は、単に乗り心地が硬いというだけでなく、車両全体の「作り込み」が、多くの日本人ユーザーがトヨタ車に期待する品質レベルに達していないと感じられる点にあります。

タウンエースが厳しい評価を受ける最大の理由は、「良くも悪くも新興国向けのタフな道具であり、日本のユーザーが求める繊細さや質感を持ち合わせていない」という、その出自に起因します。

アストラ・ダイハツ・モーター社製の品質基準

タウンエースは、ダイハツとトヨタが共同で企画し、生産はインドネシアの現地法人「アストラ・ダイハツ・モーター」が担当しています。この車両(現地名:グランマックス)は、舗装路ばかりではない東南アジアの過酷な道路事情や、積載量を多少オーバーしても走り続けられるようなタフさが求められる市場をメインターゲットとして開発されました。(出典:ダイハツ グランマックス公式サイト

この「タフさ」は大きな美点ですが、その代償として、日本のユーザーが当たり前のように期待する緻密さや品質管理は、ある意味でトレードオフの関係にあります。具体的には、以下のような点がユーザーレビューで頻繁に指摘されています。

  • 目に見える個体差:新車であっても、ボディパネルの隙間(チリ)が左右で微妙に違ったり、塗装の肌が均一でなかったりといった個体差が存在することがあります。日本の工場の品質管理では考えにくいレベルのものが、許容範囲として出荷されているのが実情です。
  • 割り切られた内装の質感:内装は傷つきやすい硬質プラスチックが全面的に採用され、デザイン性よりも清掃のしやすさやコストが優先されています。ドアの内張りにポケットがなかったり、センターコンソールの収納が最小限だったりと、乗用車に慣れたユーザーが不便を感じるポイントが随所にあります。
  • 快適装備の不足:グレードによっては、今や軽自動車でも当たり前のキーレスエントリーが装備されていなかったり、スピーカーがラジオ用の1つだけだったりと、徹底したコストダウンが見られます。

「道具」として割り切れるかどうかが評価の分かれ目

言ってしまえば、タウンエースは「精密機械」ではなく「頑丈なハンマー」のような存在です。そのため、乗用車のような快適性や内外装の質感を少しでも期待して購入すると、ほぼ間違いなく後悔することになります。しかし、この割り切った作りとシンプルな構造が、「多少ぶつけても気にならない」「構造が単純で故障箇所を特定しやすく、修理も安価」という、プロの道具としてのかけがえのないメリットにも繋がっています。多少の粗は気にしない、とにかく丈夫で多くの荷物が積める「稼ぐための道具」が欲しい、という方にとっては、これ以上ない最高の相棒になり得るのです。

「最悪」という評価は、ユーザーがこの車に何を求めたかの裏返しです。購入を検討する際は、こうした背景を深く理解した上で、ピカピカの新車としてではなく、「新品の仕事道具」として実車を吟味することが、後悔しないための重要な心構えと言えるでしょう。

口コミから探るNV200とタウンエースどっちが良い?

タウンエースが最悪と言われる理由

  • 実際に乗った人の口コミ・レビュー
  • 車中泊にはどちらが向いている?
  • NV200の強力なライバル車
  • 比較検討したいタウンエースの同等車種
  • 結局NV200とタウンエースどっちが良いのか

実際に乗った人の口コミ・レビュー

カタログスペックや評論家の言葉だけでは見えてこない、日々の使用感。それを知るためには、実際に両車種を仕事や趣味の相棒として使い込んでいるオーナーの声が最も信頼できる情報源となります。ここでは、SNSやみんカラなどのレビューサイトで見られるリアルな声を、より具体的に掘り下げてご紹介します。

NV200に対する口コミ・レビュー

NV200の評価は、やはりその商用車の枠を超えた「乗用車ライク」な快適性に多くの賞賛が集まっています。

NV200の良い点
  • 運転がとにかく楽:「商用バンとは思えないほど室内が静かで、長距離を走っても乗用車と変わらないくらい疲れない」「CVTの滑らかな加速は、渋滞の多い都心部での運転ストレスを大幅に軽減してくれる」といった、ドライバーの疲労軽減に関する声が多数見られます。
  • スタイリッシュなデザイン:「いかにも『仕事の車』という感じがしないデザインなので、休日に家族を乗せて出かけても違和感がない」「ボディカラーの選択肢も多く、カスタムパーツも豊富なので自分好みの一台に仕上げる楽しみがある」など、プライベートユースを意識した意見も多いです。
  • 安定した走行性能:「FFベースなので、高速道路での直進安定性が高く、横風にも強い」「多少の雪道なら、スタッドレスタイヤを履けば安心して走れる」など、走行性能への信頼も厚いようです。
NV200の気になる点
  • 積載能力への不満:「あと少しが積めない。最大積載量が600kgしかないので、たまに重量物を運ぶ際にヒヤヒヤする」「荷室の高さが意外にないので、背の高い荷物は積みにくい」など、やはり積載能力に関する不満の声は一定数存在します。
  • フル積載時のパワー感:「重い荷物を積んで坂道を登ると、エンジンの唸り音が大きくなり、パワー不足を実感する」といった、動力性能に関する指摘もあります。
  • 内装の耐久性:「内装パネルが傷つきやすいプラスチックなので、工具などを無造作に置くとすぐに白く傷だらけになる」という、質感と耐久性のトレードオフを指摘する声も見られます。

総じて、ドライバーの快適性を最優先し、過度な積載を必要としないスマートなビジネスユースや、仕事と趣味を一台でこなしたいアクティブな個人ユーザーから絶大な支持を得ていることが伺えます。

タウンエースに対する口コミ・レビュー

タウンエースの評価は、NV200とは対照的に、そのネガティブな点をすべて受け入れた上での「道具としての信頼性」に集約されています。

タウンエースの良い点
  • 圧倒的な積載力とタフさ:「とにかく荷物がたくさん積める。最大積載量750kgは伊達じゃない。多少ラフに扱っても壊れる気がしないタフさが良い」「狭い工事現場や農道では、このコンパクトなボディと小回り性能が本当に助かる」など、プロの現場からの信頼は絶大です。
  • シンプルな構造:「構造がシンプルなので、自分でメンテナンスしやすいし、万が一故障しても修理代が安く済みそう」「電子制御が少ない分、故障のリスクも少ないはず」といった、長期的な維持を見越した意見が目立ちます。
  • MT車の魅力:「今どき珍しいFRのマニュアル車は、自分で車を操っている感覚が強く、運転が楽しい」「自分のシフト操作次第で燃費が大きく変わるので、ゲーム感覚でエコランに挑戦できる」など、マニュアル車好きからの根強い人気があります。
タウンエースの気になる点
  • 乗り心地と騒音:「乗り心地は最悪の一言。空荷で走ると常にピョンピョン跳ねている感じがする」「高速道路ではエンジン音とロードノイズで会話が困難になるレベル。オーディオの音も聞こえにくい」など、快適性に関する不満は枚挙にいとまがありません。
  • 特異な運転姿勢:「運転席の足元が狭すぎて、右足の置き場に困る。長距離を走ると膝や足首が痛くなる」「ペダルが左に寄りすぎ。慣れるまで時間がかかったし、今でもたまに踏み間違えそうになる」といった、切実な声が非常に多いです。
  • 品質への諦め:「新車で納車された日に、ボディに小さなエクボを見つけてしまった」「内装のパネルは指で押すとペコペコする。これがトヨタの品質かと思うと悲しくなる」など、品質に対する諦めや妥協を前提とした意見が多く見られます。
男性

このように、評価はユーザーの価値観によって180度変わります。タウンエースは、その数々のデメリットを「そういうものだ」と理解し、割り切って付き合えるユーザーにとっては、他に代えがたい魅力と信頼性を持つ最高の仕事道具として、深く愛されているようです。

車中泊にはどちらが向いている?

車中泊にはどちらが向いている?空前ののアウトドアブームを背景に、商用バンをベースにした「バンライフ」や手軽な車中泊が大きな注目を集めています。NV200とタウンエースは、ハイエースよりも手軽な「ちょうどいいサイズ感」から、コンパクトキャンパーのベース車両として双璧をなす存在です。では、純粋に車中泊用途として見た場合、どちらに軍配が上がるのでしょうか。

これは一概にどちらが良いとは断言できず、「移動の快適性」を重視するか、「居住空間の広さとカスタムの自由度」を重視するか、あなたの目指す車中泊スタイルによって最適な選択は変わってきます。

広さとレイアウトの自由度で自分だけの城を築くならタウンエース

車内空間を一つの移動できる「部屋」として捉え、DIYで自分好みの空間を作り込みたいと考えるなら、より四角く広い空間を確保できるタウンエースが圧倒的に有利です。荷室長がNV200より約15cmも長く、室内高も高いため、車内での圧迫感が少ないのが大きなメリット。後輪のホイールハウスの出っ張りという弱点はありますが、それを前提にベッドキットや収納家具を設計すれば、完全にフラットで広大な就寝スペースを生み出せます。

壁面が比較的垂直に近いため、棚などを設置しやすく、空間を立体的に活用するカスタムに向いています。まさに、自分のアイデア次第で無限の可能性が広がる「動く秘密基地」の素体として、DIY派の心をくすぐる素材と言えるでしょう。

快適な移動で行動範囲を広げる旅の相棒ならNV200

車中泊の魅力は、車内で過ごす時間だけでなく、目的地までのドライブそのものにもあります。長距離を快適に移動し、ストレスなく旅を楽しみたいというスタイルであれば、卓越した走行安定性や静粛性、乗り心地に優れるNV200がベストな選択です。運転による疲労が少ないため、より遠くの目的地へ、よりアクティブに行動範囲を広げることができます。

荷室空間はタウンエースに一歩譲りますが、それでも大人2名が余裕をもって就寝するには十分なスペース(荷室長1,900mm × 荷室幅1,220mm)を確保できます。また、NV200は市販の専用ベッドキットやアクセサリーが非常に豊富に流通しているため、DIYが苦手な方でも手軽に快適な車中泊仕様を完成させられるのが魅力です。

専門ビルダーのコンプリートカーという選択肢

「DIYは時間も技術もないけれど、本格的なキャンパーが欲しい」という方には、キャンピングカービルダーが製作・販売するコンプリートカーがおすすめです。両車種ともに、就寝定員を増やすポップアップルーフや、夏場の車中泊を快適にするクーラー、長期滞在を可能にするサブバッテリーシステムなどを搭載した、プロ品質のモデルが多数存在します。専門店のノウハウが詰まった一台は、快適性も安全性も段違いです。一度、キャンピングカーショーなどで実車を見てみることをお勧めします。

NV200の強力なライバル車

NV200を検討する際、直接の競合となるタウンエース以外にも、目を向けるべき魅力的なライバルが存在します。市場全体を俯瞰することで、本当に自分に合った一台が見えてくるはずです。ここでは、NV200と競合しうる車種をクラス別に紹介します。

NV200の直接的なライバルとしては、同じくライトバンクラスのトヨタプロボックスが筆頭に挙げられます。また、使い方によってはクラスが異なる車種も比較対象となり得ます。

トヨタ プロボックス

「最強の営業車」「究極の働くクルマ」として、法人ユーザーから絶大な信頼を得ているのがプロボックスです(かつての兄弟車サクシードはプロボックスに統合)。NV200に比べてボディサイズは一回りコンパクトですが、取り回しの良さと、徹底的に無駄を削ぎ落としたことによる圧倒的な耐久性、そして優れた燃費性能で市場を席巻しています。近年では、そのシンプルで無骨なスタイルが、リフトアップやルーフキャリア装着などのカスタムベースとして個人ユーザーからも注目を集めています。

NV200と比較した場合、絶対的な積載量や荷室の広さでは劣るものの、より乗用車に近いキビキビとした運転感覚と、長期保有での優れた経済性を求めるのであれば、非常に強力な選択肢となるでしょう。

ホンダ N-VAN

排気量こそ軽自動車クラスですが、その革新的なパッケージングで商用車の概念を覆したのがN-VANです。最大の特徴は、助手席側のセンターピラーをなくした「ドアインピラー構造」による広大な開口部と、助手席まで完全にフラットになるダイブダウン機能です。これにより、軽自動車とは思えないほどの長尺物や大きな荷物の積載を可能にしました。

積載重量や高速走行性能ではNV200にかないませんが、維持費の安さと、狭い路地でもスイスイ入っていける圧倒的な機動性を重視するデリバリー業務や、一人での車中泊・キャンプといった用途では、NV200以上に魅力的な選択肢となり得ます。

1クラス上のハイエース/キャラバン

もし予算や駐車スペースに余裕があるならば、商用バンの王者であるトヨタ ハイエースや、その対抗馬である日産 キャラバンが視野に入ってきます。積載能力、室内の広さ、耐久性、そしてリセールバリューのすべてにおいてNV200やタウンエースを圧倒しており、あらゆる業種のプロフェッショナルから、キャンピングカービルダーまで、絶大な支持を受けています。

しかし、その分車両価格は大幅に高くなり、大きなボディは都市部での取り回しや駐車に気を使います。「ハイエースでは大きすぎる、でも軽バンでは物足りない」という、その「ちょうどいいサイズ感」こそが、NV200やタウンエースが存在価値を発揮する最大の理由なのです。

比較検討したいタウンエースの同等車種

比較検討したいタウンエースの同等車種タウンエースの購入を具体的に検討し始めたなら、必ず知っておくべき極めて重要な事実があります。それは、街中にはトヨタのエンブレムを付けていない「タウンエース」が走っているということです。つまり、全く同じ車でありながら、名前(とエンブレム)だけが違う兄弟車が存在するのです。

これまでも触れてきた通り、現行のタウンエースはダイハツ工業がインドネシアで生産するグローバルモデル「グランマックス」がベースであり、トヨタだけでなくマツダにもOEM供給されています。

タウンエースの三兄弟(OEMモデル)

販売ブランド 車名 特徴
トヨタ タウンエースバン 最も知名度が高く、全国のトヨタ販売店(カローラ店・ネッツ店)で購入可能。中古車市場での流通量も最も多い。
ダイハツ グランマックスカーゴ この車の「本家」にあたるモデル。全国のダイハツ販売店で購入できる。エンブレム以外はタウンエースと基本的に同一。
マツダ ボンゴバン 長年マツダが自社生産してきた伝統の車名を受け継ぐモデル。中身はグランマックスと同一で、マツダの販売店で購入できる。(参考:マツダ株式会社 ニュースリリース 2020年7月17日

これら3車種は、フロントグリルに付いているエンブレムや、ごく一部のグレード設定・ボディカラーの名称が異なるだけで、車体、エンジン、内装、性能など、車両の根幹をなす部分は全て共通です。つまり、トヨタのタウンエースも、マツダのボンゴバンも、中身はダイハツのグランマックスなのです。

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この事実は、賢いクルマ選びにおいて非常に重要なポイントです。例えば中古車を探す際に、「タウンエース」というキーワードだけで検索すると、状態が良くて価格も手頃な「グランマックス」や「ボンゴ」を見逃してしまうことになります。中古車検索サイトでは、必ずこの3車種を同時に検索対象に入れることで、より多くの選択肢の中から、本当に条件の良い一台を見つけられる可能性が格段に高まりますよ。

また、これは新車で購入する場合も同様です。トヨタ、ダイハツ、マツダという異なる販売チャネルが存在するため、ディーラーによって値引きの条件や下取り価格、納車の早さが異なる場合があります。少し手間はかかりますが、複数のディーラーで見積もりを取得し、競合させることで、より有利な条件を引き出すことができるかもしれません。

結局NV200とタウンエースどっちが良いのか

これまで様々な角度からNV200とタウンエースを詳細に比較してきましたが、この記事の結論をまとめます。結局のところ、どちらの車が「良い車」であるかは、乗り手のあなたが「車に何を一番求めるか」という価値観によって決まります。以下に最終的な判断材料をリストアップしましたので、ご自身の使い方と照らし合わせてみてください。

  • NV200はドライバーの快適性と疲労軽減を最優先する人におすすめ
  • タウンエースは1kgでも多く積むことが重要なプロの道具を求める人向け
  • 長距離移動の快適性や静粛性は乗用車に近いNV200が圧倒的に優れる
  • 荷室の絶対的な広さと750kgという最大積載量はタウンエースに軍配が上がる
  • 日々の燃料コストを少しでも抑えたいなら燃費性能で有利なNV200
  • 運転席の自然な姿勢やペダル配置を重視するならNV200一択
  • タウンエースは特異な運転姿勢のため購入前に長時間の試乗が必須
  • NV200の構造的欠点は最大積載量が少なくフル積載時の坂道発進が苦手なこと
  • タウンエースはインドネシア生産由来の内外装の作りが粗い点が最大のウィークポイント
  • 移動の過程も楽しむ快適な車中泊の旅ならNV200
  • 車内をDIYで作り込む「秘密基地」のような車中泊ならタウンエース
  • 仕事とプライベートをスマートに両立できる汎用性を持つNV200
  • 傷や汚れを気にせずガンガン使える純然たる「働く道具」としてのタウンエース
  • 中古車を探す際はタウンエースの兄弟車「グランマックス」「ボンゴ」も忘れずに検索する
  • 最終的にはスペックの優劣だけでなく自分の価値観やビジネスに合う一台を選ぶことが最も重要