GT-R R35は まだまだ 高騰するのかという疑問は、多くの自動車ファンや購入検討者が抱く関心事ではないでしょうか。2007年の登場から長きにわたり日本のスーパーカーの象徴であり続けたR35 GT-Rですが、日産自動車の公式発表の通り、2025年8月をもって18年にわたる生産の歴史に幕を下ろしました。このニュースを受けて、中古価格 推移や相場推移は顕著な上昇を見せており、もはや単なる移動手段ではなく資産価値を持つ存在として注目されています。
特にオークション相場では驚くような価格で取引されることも珍しくありません。この記事では、なぜR35は値落ちしにくいのか、そして今後さらに価値が上がる可能性はあるのか、さらには残価設定といった購入プランに与える影響まで、あらゆる角度から徹底的に分析・解説していきます。
- GT-R R35の最新の中古車相場
- 価格が高騰している具体的な理由
- 今後の価格変動に関する専門的な予測
- 資産価値を維持するためのポイント
GT-R R35はまだまだ 高騰するのか?現在の市場動向
- 近年の驚異的な中古価格 推移
- 直近5年間のリアルな相場 推移
- 業者間取引で見るオークション相場
- GT-R R35は値落ちしにくい?
- 残価設定ローン利用時の注意点
近年の驚異的な中古価格 推移
結論から言うと、GT-R R35の中古価格は近年、驚異的な上昇を記録しています。これは一部の特殊な個体に限定された話ではなく、市場全体で観測される明確かつ力強い傾向です。投機的な側面が注目されがちですが、その根底には純粋な需要と供給のバランスの変化があります。
価格高騰の直接的な引き金となったのは、2022年頃から段階的に始まった新車の受注停止、そして今回の生産終了の正式決定です。これにより、新車での購入という選択肢が完全に断たれたため、潜在的な購入希望者の需要が中古車市場へと一気に流入しました。加えて、世界的な半導体不足による他車種の生産遅延や、近年の円安基調が海外からの購買意欲を強く刺激し、価格上昇に拍車をかけている状況です。
大手中古車情報サイトの市場データを見ても、2021年からわずか1年で平均価格が約380万円も高騰したという衝撃的な記録が確認されています。この価格上昇は、数千万円の値がつくNISMOのような特別な限定モデルだけでなく、これまで比較的安定していたごく一般的な標準グレードの価格をも押し上げている点が特徴です。これは、R35 GT-Rという車種そのものの絶対的な価値が、市場全体で再評価・再認識されている強力な証拠と言えるでしょう。
現在の価格高騰を支える複合的要因
- 供給の停止:生産終了により、市場に存在する個体数が上限に達した。
- 需要の集中:新車購入を逃した層が中古車市場に流入。
- 海外からの需要:円安を背景とした海外バイヤーによる旺盛な引き合い。
- ブランド価値の再認識:標準グレードを含め、車種全体の価値が底上げされている。
直近5年間のリアルな相場 推移
GT-R R35の相場は、特にここ5年間で一貫して右肩上がりの力強いトレンドを描いています。数年前までは、初期モデルであれば走行距離やコンディション次第で比較的手の届きやすい価格帯で見つけることも可能でしたが、現在ではその面影はほとんどありません。
過去のデータを時系列で振り返ると、その上昇ぶりは一目瞭然です。市場全体の平均価格は、まるで階段を駆け上がるように上昇を続けてきました。
時期 | 中古車平均価格(目安) | 主な市場動向 |
---|---|---|
2021年4月頃 | 約914万円 | まだ1000万円以下の個体も多く、比較的市場が安定していた時期。 |
2022年4月頃 | 約1,300万円 | 新車の受注停止が発表され、価格が一段階目の急騰を見せる。 |
2025年8月(現在) | 約1,570万円 | 生産終了が確定し高値で安定。状態の良い個体は2,000万円を超えることも。 |
上記のように、平均価格はこの数年で600万円以上も上昇しています。これは、かつてR32からR34までの第二世代GT-Rが辿った生産終了後の価格高騰の歴史が、R35にも明確に波及し始めたことを示唆しています。さらに、世界的な日本製スポーツカーへの評価の高まりも強力な追い風となっており、今後もこの基調が簡単に崩れるとは考えにくいのが専門家の一致した見方です。

「一昔前は頑張れば手が届くかも…」と思えたR35ですが、今やその価格は完全にプレミアムカーの領域に達しています。購入を迷っているうちに、どんどん価格が上がってしまうという状況が何年も続いているのが実情ですね。
業者間取引で見るオークション相場
中古車の最終的な販売価格(小売価格)を占う上で、最も重要な先行指標となるのが、自動車販売業者のみが参加を許されるオートオークションの取引相場です。一般の消費者が目にする店頭価格は、このオークションでの落札価格に、業者の利益や整備費用、諸経費を上乗せして設定されています。
そして、GT-R R35のオークション相場もまた、非常に高い水準で活発な取引が続いています。特に、中東や北米、ヨーロッパなどへの多様な輸出ルートを持つ海外バイヤーからのオンライン入札が絶えず、国内の販売店との間で激しい仕入れ競争が常態化しているのが現状です。
例えば、走行距離が2万km未満で、無事故、かつ正規ディーラーでの整備記録が完備されているNISMOや最終モデルのT-specのような人気グレードの場合、オークションの段階で2,000万円を軽々と超える価格で落札されることも珍しくありません。驚くべきことに、時には3,000万円に迫るケースも見られます。こうした業者間の熱気を帯びた取引が、そのまま小売価格にダイレクトに反映され、市場全体の価格を強力に押し上げているのです。
オークション相場における二極化と注意点
一方で、全ての個体が一様に高値で取引されるわけではない点には注意が必要です。走行距離が10万kmを超えている個体や、軽微であっても修復歴がある車両、整備記録が不透明な車両などは、オークションでも評価が伸び悩み、相場よりも低い価格で取引される傾向があります。購入を検討する際は、表面的な価格だけでなく、第三者機関による車両状態評価書などを参考に、車両のコンディションを細部まで見極めることが極めて重要です。
このように、オークション相場はR35の人気と世界的な需要の高さをリアルタイムで裏付けており、今後の価格動向を予測する上でも欠かせない最重要指標となっています。
GT-R R35は値落ちしにくい?
GT-R R35は、一般的な乗用車や他の多くのスポーツカーと比較しても、圧倒的に値落ちしにくい(リセールバリューが高い)車種として市場で確固たる地位を築いています。その理由は、単に走行性能が高いからという単純なものではなく、複数の強固な要因が複合的に絡み合っているためです。
値落ちを許さない3つの強力な理由
- 国境を超える圧倒的なブランド力と需要
「GT-R」という名前は、日産の技術と情熱の結晶であり、世界中に熱狂的なファンを持つ日本の至宝です。特にモータースポーツでの活躍や、映画・ゲームへの登場により、北米、中東、ヨーロッパ、オセアニアなど、地域を問わず絶大な人気を誇ります。この強固でグローバルな海外需要が、国内の中古車相場を強力に下支えする最大の防波堤となっています。 - イヤーモデル制による継続的な熟成と進化
R35は2007年の登場以来、ほぼ毎年何らかの改良が加えられる「イヤーモデル制」を採用してきました。エンジン出力の向上、トランスミッションの制御プログラムの洗練、サスペンションのセッティング変更、内外装のデザイン変更など、その進化は多岐にわたります。これにより、初期のモデルであっても設計の古臭さを感じさせず、常に一線級のパフォーマンスを保ち続けています。この絶え間ない熟成が、年式による価値の低下を他の車種に比べて非常に緩やかにしているのです。 - 伝説的なパワートレイン「VR38DETT」
R35の心臓部である「VR38DETT」エンジンは、日産横浜工場のクリーンルーム内で、「匠」と呼ばれる熟練工が1基ずつ手作業で組み立てる特別なユニットです。市販車でありながらレーシングエンジンに近い精度で組まれたこのエンジンは、発売当初の480psから最終的には570ps(NISMOでは600ps)にまでパワーアップしました。その圧倒的なパワーと、チューニング次第では1000ps以上も許容する高い耐久性は世界中のチューナーから絶大な評価を得ており、車両価値の根幹を成しています。
これらの要因が複雑に絡み合うことで、R35は「時間が経っても価値が下がりにくい車」という、他の車にはない特別なポジションを確立しました。実際、登場から10年以上が経過した初期モデルの個体であっても、状態が良ければ新車価格の半値以上で取引されるケースがごく普通に見られます。これは他の量産スポーツカーではまず考えられない、極めて稀有な現象と言えるでしょう。
残価設定ローン利用時の注意点
R35のようにリセールバリュー(数年後の再販価値)が非常に高い車は、月々の支払い額を抑えることができる「残価設定ローン」を利用する上で、この上なく有利に働きます。金融機関やディーラーは、数年後の買取価格(残価)を高く設定できるため、高額な車両でありながら、利用者は月々の負担を抑えて現実的な支払いプランを組むことが可能になります。
しかし、この便利なプランを利用する際には、その仕組みを正しく理解し、いくつかの重要な注意点を念頭に置く必要があります。
残価設定ローンの最大のメリット
最大の利点は、月々の返済額を大幅に軽減できる点です。車両価格から将来の残価を差し引いた金額を分割で支払うため、通常のフルローンに比べて毎月の負担が軽くなります。これにより、憧れのGT-Rオーナーになるという夢を、より少ない負担で実現するための一つの有効な手段となり得ます。
残価設定ローン利用時に必ず確認すべき注意点
- 走行距離制限の存在
契約時には、年間走行距離の上限(例:年間10,000kmなど)が厳格に定められています。この上限を超過してしまった場合、契約満了時の最終査定において、超過した距離に応じた追加の精算金が発生します。日常的に長距離を走行する方は特に注意が必要です。 - 車両コンディションの維持義務
内外装の目立つ傷や凹み、ホイールのがり傷、さらには事故による修復歴は、査定額の大幅な減額対象となります。契約時に設定された残価が保証されなくなる可能性があるため、車両は常に丁寧に取り扱い、美しいコンディションを維持することが求められます。 - 原則としてカスタマイズは制限される
残価設定ローンの対象車両は、最終的に返却される可能性を前提としているため、原則としてノーマル状態を維持することが求められます。ホイール交換やマフラー交換、車高調の装着など、元に戻すことが困難な、あるいは費用がかかる改造は基本的に認められません。
残価設定ローンは、GT-Rのような高額車両を手に入れるための賢い購入方法の一つですが、それはあくまでも「将来の価値を担保に、月々の支払いを先送りしている」という側面を持つプランです。契約満了時に「残価を支払って完全に買い取る」のか、「車両を返却して乗り換える」のか、ご自身の数年後のカーライフを具体的にイメージした上で、慎重に検討することが何よりも大切です。
将来性:GT-R R35はまだまだ 高騰するのか?
- 生産終了で価値 上がる要因
- 投資対象としての資産価値を考察
- 特に注目される最終モデルの希少性
- 専門家が語る今後の価格シナリオ
- 結論:gtr r35は まだまだ 高騰するのか
生産終了で価値 上がる要因
2025年モデルをもってR35 GT-Rの生産が完全に終了したという事実は、今後の価値上昇を決定づける、最も重要かつ確実な要因と言っても過言ではありません。これにより、市場に存在するR35の総個体数が確定し、これ以上増えることがなくなりました。需要が減らない限り、希少性が高まり続けることは自明の理です。
自動車史を振り返れば、その答えは火を見るより明らかです。R34スカイラインGT-Rを筆頭に、多くの伝説的なスポーツカーが、生産終了のアナウンスと共にその価値を大きく高騰させてきました。R35も、その輝かしい先人たちと同様の道を辿る可能性が極めて高いと見られています。
特に重要な論点が、次期GT-Rに関する情報です。日産の幹部は「GT-Rの名は終わらない」と次世代機の存在を示唆していますが、現代の環境規制や市場の動向を鑑みれば、後継モデルが登場するとしても、そのパワートレインはハイブリッドや完全な電気自動車(EV)になることが濃厚です。そうなった場合、R35は「最後の純ガソリンエンジンを搭載した、伝統的なGT-R」という、唯一無二の歴史的称号を手にすることになります。
「最後の純ガソリン」が持つ計り知れない価値
電動化へのシフトが世界的に加速する現代において、「純粋な内燃機関」、特に多気筒・大排気量のターボエンジンを搭載したハイパフォーマンスカーは、それだけで歴史的な遺産としての価値を持ちます。エンジンの複雑なメカニズムが織りなす鼓動、ターボが唸りを上げる吸気音、そして魂を揺さぶる排気音といった、五感に直接訴えかけるアナログな魅力は、将来的にますます希少で価値あるものとなるでしょう。このノスタルジックな価値こそが、R35を単なる高性能車から不朽のコレクターズアイテムへと昇華させる、最大の要因となるのです。
このように、生産終了という事実は、R35 GT-Rを「現行モデル」のカテゴリーから「歴史遺産」のカテゴリーへと移行させる、決定的かつ重要な転換点なのです。
投資対象としての資産価値を考察
近年の凄まじい価格高騰を受け、GT-R R35は単なる趣味性の高い乗り物としてだけでなく、「保全性の高い実物資産」、すなわち「走る資産」としての側面が、国内外の富裕層や投資家から強く意識されるようになりました。この現象は、世界的な経済状況の不安定さと密接に関連しています。
世界各国で進行するインフレや、特定の国・地域における通貨価値の変動などを背景に、現金や預金といった金融資産だけでなく、価値が保存されやすくインフレに強い「現物資産」への投資に大きな関心が集まっています。その中で、①世界的な知名度、②絶対的な希少性、③国境を越える普遍的な需要、という三要素を兼ね備えたR35 GT-Rは、クラシックカーや高級腕時計、現代アートなどと並ぶ、魅力的なオルタナティブ投資(代替投資)の対象の一つと見なされ始めているのです。

純粋な車好きとしては少し複雑な気持ちにもなりますが、実際に投資目的で購入し、走行させずに温度・湿度が管理されたガレージで大切に保管するオーナーが増えているのも、また一つの事実です。もちろん、「車は走らせてこそ価値がある」という根源的な意見も、私も含め多くの人が共有するところです!
ただし、どんな投資にもリスクは付き物です。R35を資産として長期保有することには、もちろん特有のリスクも伴います。
投資としてGT-Rを保有する際の潜在的リスク
- 無視できない高額な維持費
たとえ走行させなくても、自動車税や任意保険、定期的なメンテナンス(油脂類の交換など)には多額の費用がかかります。将来的に車両価値が上がったとしても、これらのランニングコストを考慮すると、トータルリターンがマイナスになる可能性も十分にあります。 - 予測不可能な市場変動リスク
現在の価格高騰が未来永劫続くという保証はどこにもありません。世界的な経済危機の発生や、主要国でのガソリン車に対する厳しい規制強化、あるいは次世代の魅力的な代替資産の登場など、予期せぬ要因で相場が調整局面に入る可能性もゼロではありません。 - 厳格な保管・管理の手間とコスト
車両の資産価値を最大限に維持するためには、紫外線や湿度の影響を避けることができる屋内ガレージでの保管が必須です。また、これほどの価値を持つ車両となると、高度なセキュリティシステムによる盗難対策も万全にする必要があります。
これらのリスクを十分に理解し、許容できるだけの資金的・時間的余裕があるのであれば、R35 GT-Rは個人の資産ポートフォリオを豊かにする、非常にユニークで魅力的な実物資産となり得るポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。
特に注目される最終モデルの希少性
数あるR35 GT-Rのラインナップの中でも、将来的に他のモデルとは一線を画す、別格の資産価値を持つと確実視されているのが、最終イヤーモデル、特に「Premium edition T-spec」や「NISMO Special Edition」といった、生産台数が極端に少ない特別仕様車です。
これらのモデルは、単に最後の年式というだけでなく、標準モデルとは明確に差別化された、数々の特別な要素を備えています。
- 極端に限定された生産台数
これらの特別仕様車は、もともと生産枠が極端に少なく、その多くが抽選販売となりました。そのため、市場に流通する絶対数がごくわずかです。この供給の少なさが、希少価値の根源となっています。 - 垂涎の的となる特別な専用装備
例えば、「T-spec」には専用設計のカーボンセラミックブレーキや、ブロンズカラーのRAYS製鍛造ホイールが標準装備されます。一方、「NISMO Special Edition」には、クリア塗装が施された美しいカーボンファイバー製エンジンフードや、赤いリムアクセントが入る専用ホイールが与えられます。これらの装備は、そのモデルでしか手に入らないという特別感を演出します。 - 歴史と伝統を継承するボディカラー
「T-spec」に特別色として設定された「ミッドナイトパープル」や「ミレアムジェイド」は、かつてR34スカイラインGT-Rの伝説的な限定車にのみ採用されたカラーリングを現代の技術で再現したものです。GT-Rの長い歴史を知るファンにとっては、これ以上ないほど価値のあるカラーリングと言えるでしょう。
これらの複合的な理由から、最終期の限定モデルは、既に市場で新車価格を数百万円、場合によっては1,000万円以上も上回る、驚異的なプレミア価格で取引されています。その価値は、将来的にはR34 GT-Rにおける「V-spec II Nür」や「Z-tune」のような、自動車史に名を刻む伝説的な存在になっていく可能性を十分に秘めています。
豆知識:T-specに込められた哲学
「T-spec」という名称には、GT-Rの開発哲学を象徴する2つのキーワードが込められていると言われています。それは、「Trend Maker(常に時代の最先端を走り、新たなトレンドを創り出す者)」と「Traction Master(路面を掴んで離さない、駆動の達人)」です。まさにGT-Rの本質を表すネーミングですね。
専門家が語る今後の価格シナリオ
では、専門家の視点から見て、GT-R R35の中古車価格は今後、具体的にどのように推移していくのでしょうか。様々な意見がありますが、考えられる主なシナリオは、大きく分けて以下の3つに集約されます。
シナリオ1:高値安定・成熟期(最も現実的)
これが最も現実的かつ多くの専門家が予測するシナリオです。現在の高騰した相場が大きく崩れることなく、中古車の平均価格が1,500万円~1,800万円といった高い水準で安定して推移する可能性です。生産終了による希少価値と、高額な維持費や購入ハードルの高さが釣り合い、売りたい人と買いたい人の需給バランスが取れた、市場の「成熟期」に入ると考えられます。
シナリオ2:緩やかな上昇・二極化(優良個体はさらに高騰)
高値安定の状態から、さらに一歩進んだシナリオです。時間が経つにつれて、事故や経年劣化、過走行によってコンディションを崩す個体が増え、市場から徐々に淘汰されていきます。その結果、走行距離が少なく、内外装が美しく、整備記録が完璧な「優良個体」の価値が相対的に高まり、年々少しずつ価格が上昇していくという展開です。特にワンオーナー車や低走行の特別仕様車は、この傾向が顕著になるでしょう。一方で、状態の良くない個体は価格が伸び悩み、価格の「二極化」が進行すると見られます。
シナリオ3:爆発的な高騰(外的要因による急騰)
これは、何らかの強力な外的要因が引き金となり、R34 GT-Rが経験したように、価格が短期間で爆発的に跳ね上がるシナリオです。その最も有力なトリガーと考えられているのが、アメリカで製造から25年が経過した中古車の輸入が合法となる、通称「25年ルール」です。2007年に登場したR35の初期モデルは、2032年以降にこのルールの対象となり始めます。世界最大の自動車市場であるアメリカからの需要が本格的に流入し始めれば、相場が再び大きく動く可能性があります。また、世界的なクラシックカー市場で日本製スポーツカーが主要な投資対象として再評価されるといった動きも、価格を押し上げる要因となり得ます。

どのシナリオを辿るにしても、専門家の間では「大幅な値崩れが起きる可能性は極めて低い」というのが共通した見方です。ただし、将来的なガソリン価格の異常な高騰や、世界主要都市での純ガソリン車の乗り入れ規制が厳格に強化されるといったネガティブな要因が顕在化すれば、一時的に相場へ冷や水を浴びせる可能性もゼロではない、という点は常に心に留めておくべきでしょう。
結論:GT-R R35はまだまだ高騰するのか
- 2025年モデルでの生産終了により希少価値は確実に増大する
- 次期モデルの電動化が噂され「最後の純ガソリンGT-R」となる可能性が高い
- 中古車の平均価格はここ数年で一貫して右肩上がりの推移を見せている
- NISMOやT-specといった限定・最終モデルは特に高騰している
- 海外からの強い需要が国内の中古車相場を強力に下支えしている
- R34など歴代GT-Rも生産終了後に価格が爆発的に高騰した歴史がある
- 圧倒的なブランド力と性能から値落ちしにくく高い資産価値を持つ
- コンディションの良い低走行車は今後さらに価値が上がると予想される
- 業者間のオークション相場も高値で安定しており需要の高さを証明している
- 特に円安局面では海外バイヤーの存在が価格を押し上げる要因となる
- 最終モデルは既に新車価格を大幅に超えるプレミア価格で取引されている
- 短期的には現在の高値水準で安定して推移する可能性が高い
- 長期的には優良個体を中心にさらなる価格上昇が見込まれる
- 投資対象としても注目されるが維持費や市場変動のリスクも存在する
- 今後はコンディションの差による価格の二極化が進行することも考えられる