セレナC27のオーナーの方、あるいは購入を検討している方で、「セレナC27の燃費が悪い」という噂を耳にして不安に感じていませんか。特にSハイブリッドの燃費が悪いという声や、口コミで「燃費が悪すぎ」と評されるのを見ると、実際のところが気になりますよね。
この記事では、C27の燃費の実態から、多くの人が関心を寄せるe-power搭載車の燃費性能、さらには旧モデルであるC26の燃費が悪い原因や、最新モデルC28の燃費との比較まで、あらゆる角度から徹底的に掘り下げて解説します。また、今すぐ実践できるSハイブリッドの燃費を良くする方法も具体的にお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
- セレナC27の燃費が悪いと言われる本当の理由
- Sハイブリッドとe-POWERの燃費性能の具体的な違い
- 今日からできる具体的な燃費改善テクニック
- 旧モデルC26や最新モデルC28との燃費性能の比較
セレナC27の燃費が悪いと言われる理由
- 口コミでは燃費が悪すぎとの声も
- sハイブリッドの燃費が悪いと言われる背景
- Sハイブリッドはマイルドハイブリッド
- カタログと実燃費で見るC27の燃費
- ちょい乗りが燃費悪化の大きな原因に
口コミでは燃費が悪すぎとの声も
セレナC27の燃費についてインターネットで調べてみると、「燃費が悪すぎ」「ハイブリッドなのにガソリン車と変わらない」といった、やや厳しい内容の口コミが散見されます。
実際に、ユーザー投稿サイトなどでは新車購入後まもないオーナーから「街乗り中心でリッター7km程しか走らない」という報告や、主に子供の送迎や買い物(片道2km以内)といった使い方で「リッター6kmを切ることも珍しくない」という具体的な数値も挙げられています。特に、冬場の暖房使用時や夏場のエアコン使用時には、さらに燃費が悪化する傾向があるようです。中には、以前所有していた3.5Lクラスの大型ミニバン、アルファードよりも燃費が悪いと感じるユーザーもいるほどです。
このように、特に信号や渋滞の多い市街地での短距離走行、いわゆる「ちょい乗り」がメインのユーザーから、燃費性能に対する想定外の不満の声が目立つのが実情です。

「ハイブリッド」という名称から、静かで燃費の良い走りを期待していたのに、実際の数値を見て「こんなはずでは…」とがっかりした、という方が多い印象を受けますね。この期待値とのギャップが、厳しい評価につながっているようです。
sハイブリッドの燃費が悪いと言われる背景
なぜ、セレナC27、とりわけSハイブリッドの燃費は「悪い」と評価されてしまうのでしょうか。その背景を深く探ると、多くのユーザーが抱く一般的な「ハイブリッド車」へのイメージと、セレナに搭載されている「S-HYBRID」システムの特性との間に、大きな認識のギャップがあることが根本的な理由として考えられます。
一般的に、現代の消費者が「ハイブリッド」という言葉から連想するのは、トヨタのプリウスやアクアに代表される「ストロングハイブリッド」です。これらは、発進時や低速走行時にモーターの力だけで静かに走行(EV走行)でき、エンジンとモーターを巧みに使い分けることで高い燃費性能を実現します。しかし、セレナのSハイブリッドは、それとは全く異なるアプローチの仕組みを採用しているのです。
このシステムの特性を事前に正しく理解しないまま購入すると、「期待していたほどの燃費向上効果が得られない」という不満につながりやすく、結果として「燃費が悪い」という評価になってしまうのです。
Sハイブリッドはマイルドハイブリッド
セレナC27に搭載されている「S-HYBRID(スマートシンプルハイブリッド)」は、自動車技術の専門的な分類では「マイルドハイブリッド」と呼ばれるシステムです。これは、あくまで走行の主体はガソリンエンジンであり、その補助役として小さなモーターが存在するという点が最大の特徴です。
このモーターの主な役割は、最も燃料を消費する発進時や、追い越しなどで一時的にパワーが必要になる加速の際に、エンジンの負担をわずかに軽減することです。モーターの出力は約2馬力と非常に小さく、単独で車体を動かす力はありません。言ってしまえば、アイドリングストップからのエンジン再始動をスムーズにしたり、エアコンなどの電装品に電力を供給したりする役割も担う、縁の下の力持ち的な存在なのです。
Sハイブリッドシステムの仕組みと役割
- 走行の主体:あくまでガソリンエンジンが担う
- モーターの役割:発進・加速時にエンジンを補助するアシスト役
- EV走行:モーターのみでの走行は不可能
- その他の機能:減速時のエネルギーを回生してバッテリーに充電し、アイドリングストップからの静かでスムーズな再始動を実現する
結論として、Sハイブリッドは「非常に高性能なアイドリングストップ機能を備えたガソリン車」と理解するのが最も実態に近いでしょう。そのため、モーター走行を主体とするストロングハイブリッド車のような、劇的な燃費向上は見込めません。このシステム特性こそが、燃費が悪いと感じられる最大の要因と言えます。
カタログと実燃費で見るC27の燃費
車の燃費性能を客観的に判断する上で、国が定めた基準で測定されるカタログ燃費と、実際のユーザーが報告する実燃費を比較することが重要です。セレナC27(S-HYBRID・2WD)の燃費データを見てみましょう。
現在、カタログ燃費の公式な指標として使われているのが「WLTCモード」です。これは「市街地」「郊外」「高速道路」という3つの走行モードを平均化した、より実走行に近い国際的な燃費測定基準です。(出典:国土交通省 自動車燃費一覧)
項目 | カタログ燃費(WLTCモード) | 実燃費(ユーザー報告平均) | 達成率の目安 |
---|---|---|---|
セレナC27 (S-HYBRID/2WD) | 13.2km/L | 約8.5km/L ~ 12.5km/L | 約64% ~ 95% |
– 市街地モード (WLTC-L) | 10.3km/L | – | – |
– 郊外モード (WLTC-M) | 13.5km/L | – | – |
– 高速道路モード (WLTC-H) | 14.8km/L | – | – |
このように、総合的なカタログ燃費と実燃費には乖離があることが分かります。特に注目すべきは、ストップ&ゴーの多い市街地モード(WLTC-L)でのカタログ燃費が10.3km/Lである点です。この数値からも、渋滞や信号の多い都市部での走行では、実燃費が10km/Lを下回る可能性が高いことが示唆されています。
カタログ燃費はあくまで統一された基準値
カタログ燃費は、異なる車種の燃費性能を公平に比較するための「ものさし」です。実際の燃費は、走行する道路状況、運転スタイル、乗車人数、エアコンの使用状況、タイヤの空気圧など、無数の要因によって大きく変動することを理解しておく必要があります。
ちょい乗りが燃費悪化の大きな原因に
セレナC27の燃費を語る上で避けて通れないのが、「ちょい乗り」、つまり片道数キロ程度の短距離走行の繰り返しが与える深刻な影響です。
多くの口コミで報告されているように、「片道2km程度の子供の送迎」や「近所のスーパーへの往復」といった用途がメインの場合、燃費は著しく悪化する傾向にあります。これはセレナに限った話ではありませんが、車重のあるミニバンでは特にその影響が顕著に現れます。
なぜ「ちょい乗り」で燃費が悪くなるのか?
その理由は大きく分けて2つあります。一つは、エンジンが十分に温まらないことです。車は、エンジンオイルや冷却水が適正な温度に達することで、最も効率的に作動するように設計されています。しかし、短距離走行ではエンジンが本来の性能を発揮できるほど温まる前に目的地に到着してしまうため、常に燃料効率の悪い「暖機運転」の状態で走ることになります。
もう一つは、走行距離に対する発進・停止の回数が極端に多くなることです。車は停止状態から重い車体を動かす「発進」の瞬間に、最も多くのガソリンを消費します。ちょい乗りではこの最も燃費に悪い動作を繰り返すことになるため、燃費計の数値は見る見るうちに悪化してしまうのです。
ミニバンのような1.5トンを超える重量のある車は、物理の法則上、停止状態から動き出す際に膨大なエネルギー(燃料)を必要とします。そのため、ストップ&ゴーが頻発する日本の市街地、特に短距離での使用は、燃費にとって最も過酷な条件と言っても過言ではありません。
セレナC27の燃費は悪い?改善策と他モデル比較
- sハイブリッドの燃費を良くする方法
- e-power搭載C27の燃費性能は?
- 旧モデルC26の燃費はどれくらい?
- C26の燃費が悪い原因はシステムにあった
- 最新モデルC28の燃費は向上したのか
- まとめ:セレナC27の燃費は悪いのか
sハイブリッドの燃費を良くする方法
Sハイブリッドの特性は変えられませんが、日々の運転スタイルやメンテナンスを少し見直すだけで、燃費を確実に向上させることが可能です。高価なパーツを追加する必要はありません。ここでは、今日からすぐに実践できる具体的な方法を3つのポイントに絞って紹介します。
燃費改善のための3つの基本
- 優しいアクセルワーク:急な操作を避け、穏やかな運転を徹底する。
- 機能の適切な利用:ECOモードの特性を理解し、効果的に使う。
- 基本的な車両管理:タイヤの空気圧と積載量を常に意識する。
1. アクセルワークを優しく
最も効果的で、かつ最も重要なのが、「ふんわりアクセル」の実践です。急発進・急加速は、エンジンに過大な負荷をかけ、燃費を大幅に悪化させる最大の要因です。発進時は、まずブレーキを離した際のクリープ現象を活かして車をゆっくりと動き出させ、そこからアクセルをじわりと踏み込むようにしましょう。走行中も、タコメーターの針が2,000回転を超えないように意識するだけでも、燃料消費は大きく変わってきます。また、先の信号が赤だと分かったら早めにアクセルを離し、エンジンブレーキを活用して惰性で走る距離を長くすることも燃費向上に繋がります。
2. ECOモードの適切な使い分け
ECOモードは、アクセル操作に対するエンジンの反応を穏やかにし、エアコンの作動を制御することで燃費向上をサポートする便利な機能ですが、その使い方には少しコツがあります。多くのユーザーの口コミでは「ストップ&ゴーの多い街乗りではオフにし、速度が安定する郊外路や高速道路の巡航時にオンにする」という使い分けが効果的だと報告されています。発進・加速がもたつく感覚のある街中で無理にECOモードを使うと、無意識のうちにアクセルを余計に踏み込みすぎてしまい、かえって燃費が悪化することがあるためです。状況に応じてオン・オフを切り替えるのが賢い使い方です。
3. 定期的なメンテナンス
車のコンディションを良好に保つことも、燃費性能を維持する上で欠かせません。特に以下の2点は、誰でも簡単にチェックできる重要な項目です。
- タイヤの空気圧: メーカー指定値よりも空気圧が低い状態で走行すると、タイヤの転がり抵抗が増大し、燃費が悪化します。月に一度はガソリンスタンドなどで適正値か確認し、補充することをおすすめします。
- 不要な荷物: 車重が100kg増えると燃費は約3%悪化すると言われています。普段使わないゴルフバッグやキャンプ用品、洗車道具などを積みっぱなしにせず、車から降ろして車体を軽く保つことも燃費改善に有効な手段です。

特別な運転技術や高価なパーツは一切必要ありません。これらの基本的なポイントを少し意識して運転するだけで、リッターあたり1〜2km程度の燃費改善は十分に期待できますよ。
e-power搭載C27の燃費性能は?
「セレナの燃費を本気で考えるならe-POWER一択」という声をよく聞きますが、Sハイブリッドモデルと比較して、具体的にどれほどの性能差があるのでしょうか。
日産のe-POWERは、搭載しているガソリンエンジンを発電専用に使い、その電力で100%モーターの力で走行するという画期的なハイブリッドシステムです。これは専門的に「シリーズハイブリッド」方式と呼ばれ、エンジンが主役でモーターが脇役のマイルドハイブリッド(Sハイブリッド)とは、根本的に仕組みが異なります。(参考:日産公式サイト e-POWERテクノロジー解説)
モデル (C27/2WD) | システム分類 | カタログ燃費 (WLTC) | 実燃費の目安 |
---|---|---|---|
S-HYBRID | マイルドハイブリッド | 13.2km/L | 約8.5 ~ 12.5km/L |
e-POWER | シリーズハイブリッド | 18.0km/L | 約15.0 ~ 19.0km/L |
表からも分かる通り、e-POWERはSハイブリッドをあらゆる燃費指標で大幅に上回る性能を誇ります。特に、エンジンが苦手とする発進・停止の多い市街地走行でその強みを最大限に発揮するため、「ちょい乗り」がメインのユーザーにとっては、燃料費の面で非常に大きなメリットを享受できます。
e-POWERの注意点:車両価格とコストパフォーマンス
e-POWERは優れた燃費性能を持つ一方で、Sハイブリッド車に比べて同等グレードでの車両本体価格が40万円ほど高価に設定されています。年間走行距離が比較的少ない場合、この初期費用の差をガソリン代の節約分で回収するには、かなりの年月を要する可能性があります。ご自身の年間走行距離や車の使用年数を考慮し、トータルコストでどちらがお得になるかを慎重に判断することが重要です。
旧モデルC26の燃費はどれくらい?
C27型との比較対象として、一つ前のモデルであるセレナC26型(2010年~2016年販売)の燃費性能も確認しておきましょう。C26型は、2012年のマイナーチェンジで後期モデルからSハイブリッドが初めて搭載されました。
モデル (C26/S-HYBRID/2WD) | カタログ燃費 (JC08モード) | 実燃費の目安 |
---|---|---|
セレナC26 | 16.0km/L | 約10.5km/L 前後 |
ここで注意が必要なのは、C26型のカタログ燃費は「JC08モード」という、現在使われている「WLTCモード」よりも古い測定基準で算出されている点です。JC08モードは比較的甘い数値が出やすい傾向にあるため、C27のWLTCモードの数値(13.2km/L)と直接比較することはできません。
しかし、より実態に近いユーザー報告による実燃費を比較すると、C27型とC26型の間には、実はそれほど大きな差がないことが分かります。これは、両モデルが「Sハイブリッド」という基本的なシステムを共有しているためであり、モデルチェンジを経ても燃費性能が飛躍的に向上したわけではないことを示しています。
C26の燃費が悪い原因はシステムにあった
前述の通り、C26型の燃費が期待ほど伸び悩んだ根本的な原因も、やはりSハイブリッドというシステムの特性そのものにありました。
C26型にSハイブリッドが初搭載された当時、市場では「ハイブリッド」という言葉が先進性と高い燃費性能の代名詞として浸透していました。そのため、多くのユーザーがセレナにも同様の性能を期待しましたが、実際にはエンジン主体で走るマイルドハイブリッドであったため、そのギャップから「期待外れだ」と感じる声が少なくありませんでした。
特に、セレナのような1.6トンを超える車両重量のあるミニバンに対して、エンジンをわずかに補助するだけのマイルドハイブリッドでは、燃費向上効果が限定的だったのです。この技術的な課題は、基本的なシステムをそのまま引き継いだC27型にも共通する問題点と言えるでしょう。
最新モデルC28の燃費は向上したのか
では、最後に現行モデルである6代目セレナC28型(2022年11月~)の燃費性能はどのようになったのでしょうか。C28型では、e-POWERシステムが「第2世代」へと大きな進化を遂げています。
モデル | エンジン/システム | カタログ燃費 (WLTC/2WD・XVグレード) |
---|---|---|
C27 e-POWER | 1.2L / 第1世代e-POWER | 18.0km/L |
C28 e-POWER | 1.4L / 第2世代e-POWER | 19.3km/L |
このように、最新モデルのC28型ではe-POWERシステムがさらに洗練され、燃費性能が着実に向上していることが明確にわかります。特に注目すべきは、発電用エンジンの排気量を1.2Lから新開発の1.4Lにアップさせ、モーターの出力も向上させている点です。これにより、より余裕のあるパワフルな走りを実現しつつ、エンジンの作動頻度や回転数を抑えることで、燃費性能と静粛性を同時に高めることに成功しています。(出典:日産自動車 ニュースリリース 2022/11/28)
これからセレナの購入を検討し、燃費性能を最優先に考えるのであれば、最新のC28型e-POWERが最も満足度の高い選択肢となるでしょう。
まとめ:セレナC27の燃費は悪いのか
最後に、この記事で解説してきたセレナC27の燃費に関する要点を、箇条書きでまとめます。
- セレナC27の燃費が悪いという口コミは特に市街地でのちょい乗りユーザーから多い
- 燃費が悪すぎると感じる最大の原因はSハイブリッドが「マイルドハイブリッド」であるため
- Sハイブリッドはモーターのみでの走行ができずエンジンを補助するシステムに過ぎない
- C27 Sハイブリッドのカタログ燃費は13.2km/L、実燃費はリッター8.5kmから12.5km程度が目安
- 片道数キロの短距離走行の繰り返しはエンジンが温まらず燃費を著しく悪化させる
- 燃費を良くするには急発進・急加速を避ける優しいアクセルワークが最も効果的
- ECOモードは速度が安定する郊外や高速巡航時に使うのがおすすめ
- タイヤ空気圧の定期的なチェックや不要な荷物を降ろすことも燃費改善につながる
- e-POWER搭載のC27は100%モーター駆動のため実燃費が良く、特にちょい乗りに強い
- e-POWERはSハイブリッドより車両価格が40万円ほど高い点がデメリット
- 旧モデルC26の燃費もSハイブリッドの特性により期待ほど伸び悩む傾向があった
- 実燃費で比較するとC26とC27のSハイブリッドに劇的な差はない
- 最新モデルC28では第2世代e-POWERへと進化し燃費性能が明確に向上している
- 燃費性能を最優先するならe-POWERモデル、特に最新のC28型が最適な選択肢
- 結論としてセレナC27の燃費は、システムの特性を理解し、乗り方や使い方を合わせることで評価が大きく変わる