こんにちは。Car Research Lab、運営者の「Mee」です。
ついにベールを脱いだ2026年モデルのディフェンダーですが、みなさんが一番気になっているのはやはり価格や納期の変動、そして新たに加わったOCTAのようなモデルの詳細ではないでしょうか。特に日本市場ではリセールバリューが驚異的な数値を記録しているため、単なる車選び以上に資産価値としての側面も無視できません。今回は、最新のデザイン変更点や燃費性能、そして気になるグレードごとの乗り出し価格について、私なりの視点で詳しく掘り下げていきます。
- 2026年モデルの具体的な価格設定とグレードによる逆転現象の理由
- 内外装の変更点や13.1インチ画面など使い勝手の進化ポイント
- 最強グレードOCTAのスペックとGクラスに対抗しうる実力
- 資産価値としてのリセールバリューの現状と今後の予測
2026年ランドローバーディフェンダーの価格と特徴
今回のマイナーチェンジは、一見すると小さな変更に見えるかもしれませんが、実は価格設定や装備の充実度において非常に重要な意味を持っています。ランドローバーというブランドは、年次改良(イヤーモデル制)ごとに細かな仕様変更を行うことで知られていますが、今回の2026年モデルは、これまでの微修正とは一線を画す、市場への明確なメッセージが込められていると感じます。まずは、基本的なスペックの進化と、購入を検討する上で避けては通れないお金の話、そして誰もが気になる納期のリアルな現状から見ていきましょう。
- 日本発売日と最新モデルの納期情報
- 外装変更点と新色のデザイン魅力
- 内装の13インチ画面とサイズ感
- 90と110のグレード別乗り出し価格
- ディーゼルモデルの実燃費性能
日本発売日と最新モデルの納期情報
2026年モデル(MY26)のディフェンダーは、すでに欧州での発表を経て、日本国内でもオーダーに向けた動きが水面下で活発化しています。ランドローバーのモデルサイクルは非常に独特で、イヤーモデルの切り替わりが早いことでも知られています。これまでの状況を振り返ると、コロナ禍以降の深刻な半導体不足により、一時期は「いつ納車されるか分からない」「注文してもキャンセルされるかもしれない」という、まさに暗黒時代と呼べる状況が続いていました。私自身も、友人がオーダーしたディフェンダー110が、生産枠の都合で何度も仕様変更を余儀なくされ、最終的に納車まで1年半以上待たされたという事例を目の当たりにしてきました。
しかし、ここ最近の市場動向や複数の正規ディーラー筋からの情報を総合すると、状況は劇的に改善しつつあると言えます。納期は以前よりも可視化されつつあり、標準的なグレードであれば半年から10ヶ月程度での納車が見込めるケースも増えてきました。もちろん、これはあくまで「順調にいけば」の話です。今回新たに追加されたフラッグシップモデル「OCTA」や、特定の半導体を多く使用するオプション(例えば高度なメリディアンサラウンドサウンドシステムや、リアシートエンターテインメントシステムなど)を組み合わせた仕様に関しては、依然として長い待ち時間が発生する可能性が高いのが現実です。生産ラインの優先順位や、世界的な需要の波によって、納期は数ヶ月単位で前後することを覚悟しておく必要があります。
また、注意したいのが「即納車」の存在です。キャンセルが発生した車両や、ディーラーが見込み発注していた車両が市場に出てくることがありますが、これらは争奪戦になります。特に2026年モデルの初期ロットは、いち早く新型に乗りたいユーザーからの問い合わせが殺到するため、Webサイトに掲載される前に、既存顧客への連絡だけで売れてしまうことも珍しくありません。これから購入を検討される方は、Webの情報更新を待つのではなく、実際にディーラーに足を運び、営業担当者と良好な関係を築いておくことが、最短で手に入れるための近道となります。
【賢いオーダーのコツ:強制スイッチへの対策】
オーダーを入れるタイミングによっては、年次改良の切り替わりで仕様や価格が勝手に変更されてしまう「強制スイッチ」が発生することもあります。例えば、「MY25で注文していたのに、生産が遅れてMY26になり、価格が上がってしまった」というケースです。これを防ぐためには、ディーラー担当者と密に連絡を取り、「もし仕様変更があった場合はどうするか(キャンセルするのか、差額を払って継続するのか)」を事前に握っておくことが重要です。単に注文書にサインするだけでなく、こうしたリスク管理ができるかどうかが、満足のいく納車を迎えられるかの分かれ道になります。
外装変更点と新色のデザイン魅力

エクステリアに関しては、ランドローバーらしい「引き算の美学(Reductionism)」がさらに洗練された印象です。2020年のデビュー以来、ディフェンダーのデザインは、過去のヘリテージを尊重しながらも現代的な解釈を加えた傑作として高く評価されてきましたが、2026年モデルではそのバランスを崩すことなく、絶妙なモダナイズが施されています。パッと見て気づく最大の変化は、やはりリア周りのライティング類でしょう。これまでのモデルでは、独立した4つのスクエア形状が特徴的な、通称「レゴブロック」と呼ばれる愛らしいテールライトデザインが採用されていました。
しかし、2026年モデルからはスモーク仕上げのフラッシュサーフェスなデザインへと変更されています。レンズカバーが一体化され、凹凸がなくなったことで、車両全体が非常に滑らかで空力特性が良さそうな印象を与えます。これには古くからのファンの間で「無骨さが薄れた」「ディフェンダーらしくない」という賛否両論があるのも事実ですが、実車を見るとレンジローバー・スポーツのような都会的な塊感が出ていて、現代のラグジュアリーSUVとしては正当な進化だと私は感じます。特に夜間、テールライトが点灯した時のグラフィックは非常に近未来的で、後続車に対して強烈なインパクトを残します。
そして、視覚的なインパクトにおいて重要な役割を果たすのが新色です。今回追加された「Woolstone Green(ウールストーン・グリーン)」と「Borasco Grey(ボラスコ・グレー)」は、どちらもディフェンダーのキャラクターを見事に表現しています。特に私が注目しているのはウールストーン・グリーンです。これは単なる緑色ではありません。かつてのシリーズIやシリーズIIといったクラシック・ランドローバーが纏っていたヘリテージカラーを現代的に再解釈したもので、深く、濃く、そしてどこか温かみのある色合いです。太陽光の下では鮮やかなグリーンに、日陰では黒に近い深緑に見えるその塗装は、キャンプ場や林道といったアウトドアシーンでは周囲の自然に溶け込みつつも、圧倒的な存在感を放つこと間違いありません。
逆にボラスコ・グレーは、コンクリートジャングルである都市部のビル群に馴染むテクニカルで冷徹な色味です。無機質な建築物との相性が抜群で、スーツで乗り付けても全く違和感のない知的さを演出してくれます。さらに細かい点ですが、フロントグリルやバンパーの加飾、ホイールのセンターキャップなどがグロスブラック(艶あり黒)で統一されるパッケージも増えており、全体的に未塗装樹脂パーツの「プラスチック感」を排除して高級感を高める方向で質感が向上しています。これにより、オフローダーとしての機能美を残しつつも、プレミアムSUVとしての格を一段上げた印象を受けます。
内装の13インチ画面とサイズ感

ドアを開けてインテリアに乗り込んで最初に目がいくのが、新採用の13.1インチ曲面タッチスクリーンです。これまでの11.4インチディスプレイでも実用上は十分に見やすく、不満を感じることは少なかったのですが、実際に13.1インチを体験してしまうともう戻れません。画面が大型化したことで、表示される情報の密度に余裕が生まれ、視認性が格段に向上しています。画面の縁(ベゼル)も薄くなり、まるでダッシュボードにiPad Proが埋め込まれているかのような先進性を感じさせます。
特にこの大画面が威力を発揮するのは、複雑な都市部のジャンクションでナビゲーションを確認する際や、過酷なオフロード走行時にボンネットの下を映像で確認できる「ClearSightグラウンドビュー」を使用する場面です。地面の凹凸や岩の位置がより鮮明に、かつ広範囲に表示されるため、ドライバーの安心感は段違いです。操作系を司る「Pivi Pro」システムも最新バージョンにアップデートされており、スマホライクなサクサクとした操作感は健在。Apple CarPlayやAndroid Autoへのワイヤレス接続も非常に安定しており、乗り込んでエンジンをかければ即座にいつもの音楽やマップアプリが立ち上がります。物理ボタンが減ったことへの懸念もあるかと思いますが、主要なエアコン操作などは直感的に行えるようUIが工夫されており、慣れれば問題ありません。
また、地味ながらユーザーからの評価が高いのが、センターコンソールの再設計です。初期モデル(2020年〜)のオーナーからは、「スマホや財布を置くスペースが微妙に使いにくい」「ドリンクホルダーの位置がシフト操作の邪魔になる」「USBポートの位置が悪い」といった声が少なからずありました。ランドローバーのエンジニアはこうした市場からのフィードバックを真摯に受け止め、2026年モデルではギアセレクターの位置を微調整し、カップホルダーや小物入れの配置を最適化しています。具体的には、ワイヤレス充電トレイのエリアが拡大され、大型化する最近のスマートフォンでも余裕を持って置けるようになりました。
| 項目 | 従来モデル(〜MY25) | 2026年モデル(MY26) |
|---|---|---|
| 画面サイズ | 11.4インチ(または10インチ) | 13.1インチ曲面ディスプレイ |
| コンソール | 機能的だが収納に難あり | 収納スペース拡大・配置最適化 |
| テールライト | 分割式スクエアデザイン | 一体型スモークレンズ |
| 充電環境 | 標準的なワイヤレス充電 | 急速充電対応&スペース拡大 |
これにより、日常の使用におけるストレス、いわゆるQOL(生活の質)がグッと上がっています。毎日乗る車だからこそ、こうした細かな改善が所有満足度に大きく響いてくるんですよね。さらに、上級グレードではシート素材の選択肢も増え、動物性素材を使わない「レジスト」シートなどのサステナブルな素材も質感が高く、本革に劣らない高級感を提供しています。
90と110のグレード別乗り出し価格

さて、ここが最も複雑で、かつ多くの人が混乱するポイントです。カタログや公式サイトで公開されている価格データを見ると、3ドアのショートボディである「90」が1,016万円〜、5ドアのロングボディである「110」が872万円〜となっており、サイズが小さいはずの90の方が高いという不可解な逆転現象が起きています。「小さい方が高いなんてありえるの?」と不思議に思うかもしれませんが、これには日本導入グレードの構成によるマジックがあります。
現在、日本市場に導入されている「90」は、エントリーグレードの設定がなく、装備が充実した上位グレード(X-Dynamic SEやHSEなど)からのスタートになっているケースがほとんどです。これは90が実用車というよりも、より趣味性の高いパーソナルカーとして位置付けられているためでしょう。一方で、量販モデルである「110」には、フリート需要やファミリー層向けに、より装備を絞ったベーシックな「S」グレードなどが用意されているため、見かけ上の開始価格が安くなっているのです。
しかし、ここで絶対に注意が必要なのは、「110が安く買える」と勘違いしてはいけないという点です。素のグレードのままで乗る人は稀で、実際にディフェンダーらしい快適性とリセールバリューを確保しようとすると、オプション費用が嵩んできます。私が考える「後悔しない110の選び方」として、以下のオプションは必須級であり、これらを付けずに買うことは、売却時の損失を考えると逆にお勧めできません。
【リセールを左右する「三種の神器」オプション】
- エアサスペンションパック:
バネサス(コイルサス)のディフェンダーも悪くありませんが、この車の真骨頂である「魔法の絨毯」のような乗り心地と、車高調整機能による乗降性の良さを享受するにはエアサスが不可欠です。中古市場でもエアサス付きか否かで評価額が大きく(数十万円単位で)変わります。 - コールドクライメートパック:
シートヒーター、ステアリングヒーター、ヒーテッドウィンドスクリーンなどがセットになったパッケージ。日本の冬、特に革シートの車には必須です。これがないと冬場の快適性が著しく下がりますし、スキー場などへ行く際にもフロントガラスの熱線は重宝します。 - ファミリーパック(110のみ):
3列目シートを追加して7人乗りにするオプションです。「うちは4人家族だから要らない」という方もいると思いますが、中古車市場では7人乗りの需要が圧倒的に高く、売却時の査定額でオプション代の元が取れる可能性が高いです。また、これに伴いエアコン機能なども強化されるため、快適性も向上します。
これらに加えて、リセールで人気の高いメタリックペイント(サントリーニブラックやアイガーグレーなど)や、引き締まった印象を与えるブラックパックなどを追加していくと、Defender 110の現実的な乗り出し価格は1,100万円〜1,300万円のレンジに落ち着くことがほとんどです。カタログ価格の「800万円台」という数字だけを見てディーラーに行くと、諸費用やオプションを含めた見積もりを見て予算オーバーになる可能性が高いので、最初から「コミコミ1200万円」くらいの心積もりで検討することをお勧めします。逆に言えば、この価格帯で購入できるSUVとしては、その性能とブランド力は破格とも言えます。
ディーゼルモデルの実燃費性能
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「こんなに大きくて重い車、燃料代が恐ろしいことになるのでは?」という心配は、ディフェンダーに関しては(良い意味で)裏切られます。日本市場で主力を担う3.0リットル直列6気筒ディーゼルターボエンジン(D300/D350)は、マイルドハイブリッドシステム(MHEV)と組み合わされており、その効率は現代の重量級SUVとしては驚異的です。このエンジンは、低回転から湧き上がるような太いトルクと、驚くほどの静粛性を兼ね備えています。
私が独自にリサーチしたオーナーの実燃費データや、試乗レビューなどを総合すると、街乗りと高速道路を組み合わせた平均燃費でリッター10.5km前後を記録するケースが多く見られます。信号の少ない郊外路や高速道路を淡々と巡航するようなシチュエーションであれば、リッター13km〜14kmまで伸びることも珍しくありません。2.5トンを超える巨体が、リッター10km以上走るというのは、ひと昔前のクロカン四駆(リッター5〜6kmが当たり前)を知る身からすれば隔世の感があります。満タンにすれば、東京から大阪まで無給油で往復できるか、あるいは九州まで片道余裕で到達できるほどの航続距離を持っています。
もちろん、ガソリンエンジン(P300など)の軽快な吹け上がりや静粛性も捨てがたい魅力があります。しかし、ディーゼルエンジンの太いトルクは、ストップ&ゴーの多い日本の交通事情において非常に運転しやすく、アクセルを軽く踏むだけでスルスルと巨体を加速させてくれます。さらに、燃料が軽油であることの経済的メリットは計り知れません。ハイオクガソリンに比べてリッターあたり20円〜30円安い軽油は、長距離を走れば走るほど財布への優しさを実感できます。年間1万キロ走る場合、ガソリン車と比較して数万円単位で燃料代が変わってきます。
また、ディーゼル特有の「ガラガラ音」も、車内にいる限りはほとんど気になりません。遮音材がふんだんに使われているため、アイドリング中でも遠くでエンジンが回っている感覚しかなく、走り出せばロードノイズにかき消されてしまいます。トルクフルな走りと燃料代のバランス、そしてリセール時の人気を考えると、やはりディーゼルモデルが日本市場における「最適解」であり続けることは間違いなさそうです。実際、中古車市場を見てもディーゼルモデルの流通量が圧倒的に多く、需要の高さが伺えます。
2026年ランドローバーディフェンダーの価格対効果
次に、ディフェンダーを単なる乗り物としてではなく、「資産」や「投資」に近い視点で見てみましょう。車を資産として捉えるなんて邪道だ、という意見もあるかもしれませんが、輸入車価格が高騰する現代において、リセールバリューを無視した車選びは大きな損失を招きかねません。特に新登場のOCTAや、ライバル車との比較において、その価格に見合う価値があるのかを冷静に分析します。ここでは、単なるスペック比較だけでなく、市場での立ち位置や将来性まで含めた深層分析を行います。
- 最強グレードOCTAのスペック
- 驚異的なリセールバリューの推移
- ランクル250との維持費比較
- 資産として見る中古車市場の動向
- 2026年ランドローバーディフェンダーの価格総括
最強グレードOCTAのスペック

2026年モデルの最大のトピックであり、ランドローバーファンのみならず、世界のスーパーSUVファンを熱狂させているのが、新設されたフラッグシップモデル「OCTA(オクタ)」の登場です。これは従来のV8モデルの後継という枠には収まらない、完全に別次元のハイパフォーマンス・オールテレイン・モデルです。その心臓部には、従来のジャガー・ランドローバー製5.0リットル・スーパーチャージドV8エンジンに代わり、BMWから供給される4.4リットルV8ツインターボエンジンが搭載されています。最高出力は驚異の635PS(626hp)、最大トルクは750Nmを発生。この数値だけでもモンスター級ですが、OCTAの真価は単なるパワー競争ではありません。
私が最も衝撃を受けたのは、「6D Dynamics」サスペンションシステムの採用です。これは、従来の車両に付いている物理的なアンチロールバー(スタビライザー)を完全に撤廃し、代わりに油圧システムですべてのダンパーを相互接続して制御するという、F1マシンやマクラーレンのようなスーパーカーでしか見られないような技術です。
通常の車は、コーナリング時の傾き(ロール)を抑えるために金属の棒(スタビライザー)を使いますが、これはオフロードでタイヤを上下に動かしたい時には邪魔になります。6D Dynamicsはこのジレンマを解決し、「オンロードではスポーツカーのようにフラットに旋回し、オフロードでは脚を自在に動かして岩場を乗り越える」という、物理法則に反するような挙動を実現しています。これにより、ニュルブルクリンクをスポーツカー顔負けの速度で駆け抜け、そのまま砂漠や岩場に突入できる唯一無二の存在となりました。
さらに、専用の「OCTAモード」ボタンを押せば、エンジンのレスポンスや排気音が即座に戦闘モードに切り替わります。エクステリアにおいても、ダイヤモンドの八面体構造を模した専用バッジや、22インチの専用ホイール、そして専用デザインのバンパーなどが奢られ、一目で「普通のディフェンダーではない」ことが分かるオーラを放っています。価格は2,105万円〜と非常に高額ですが、メルセデス・ベンツGクラスのAMG G63が3000万円に迫ろうとしている現在、最新のテクノロジー満載でこの価格というのは、ある意味で「バーゲンプライス」と言えるかもしれません。Gクラスの独壇場だった市場に、技術力と英国流の洗練で真っ向から喧嘩を売りにいった、ランドローバーの執念を感じるモデルです。(出典:ジャガー・ランドローバー・ジャパン『新型「DEFENDER OCTA」プレスリリース』)
驚異的なリセールバリューの推移

ディフェンダーがこれほどまでに日本市場で人気を集める最大の理由、それはデザインの良さもさることながら、やはり異常とも言えるリセールバリューの高さにあります。「車は買った瞬間に価値が半減する」という常識は、ディフェンダーには通用しません。私が定点観測している中古車市場のデータを分析すると、驚くべき実態が見えてきます。
特に納車待ちが深刻だった時期には、1年落ちの車両が新車価格の130%近い価格で取引されるという、いわゆる「プレ値」現象が常態化していました。現在でもその傾向は続いており、一般的な残価率の目安は以下の通り推移しています。
- 1年後残価率:約120%〜129%
新車価格を上回る価格で取引されています。「今すぐ乗りたい」という富裕層が、プレミアム価格を払ってでも即納可能な中古車を買い求めている証拠です。特に人気色やフルオプションの個体は、瞬く間に売れていきます。 - 3年後残価率:約110%〜117%
3年間、数万キロ乗った後でも、売却時に購入価格以上の金額が戻ってくる可能性があります。実質的な車両コストがゼロ、あるいはプラスになるという「無料の所有」が実現できてしまう稀有なケースです。ローン金利分を差し引いてもお釣りがくる計算です。 - 5年後残価率:約80%〜90%
一般的な輸入車が5年で30%〜40%程度に落ち込む中で、依然として8割以上の価値を維持しています。長期保有しても資産価値が目減りしにくい安心感があり、次の車への乗り換え資金を十分に確保できます。
ただし、盲信は禁物です。これらは「納期遅延による供給不足」と「急激な円安」という二つの要因が重なって起きたバブル的な数値である側面も否めません。今後、2026年モデルの供給が安定し、市場に中古車が溢れてくれば、この異常な数値は徐々に正常化(100%以下)へと向かう可能性が高いです。それでも、他の車種に比べれば圧倒的に高水準であることに変わりはありませんが、「絶対に儲かる」と思って購入するのはリスクがあることを理解しておく必要があります。市場の潮目が変わるタイミングを見逃さないことが、損をしないための鉄則です。
ランクル250との維持費比較

ディフェンダーを検討する際、どうしても比較対象として頭をよぎるのが、トヨタの新型ランドクルーザー250(旧プラド)です。「カクカクしたSUVに乗りたい」という動機であれば、この2台は最大のライバルとなります。しかし、価格帯で見ればランクル250は500万〜700万円台、ディフェンダーはその倍近い価格ですので、本来は競合しないはずの車です。それでも比較されるのは、やはり「維持費」への懸念があるからでしょう。
正直に申し上げますと、維持費の安さにおいてランクル250に勝てる輸入車は存在しません。部品代、車検費用、そして万が一の故障時の修理費、どれをとっても国産車であるトヨタの圧勝です。トヨタのサービス網は全国津々浦々にあり、部品供給も迅速かつ安価です。リセールバリューに関しても、ランクルは海外(特に中東やオーストラリア)からの需要が強烈なため、ディフェンダー以上に鉄壁の安定感を誇ります。どんなに古くなっても値段がつく、という意味ではランクルは最強の実物資産です。
では、なぜ高い維持費を払ってまでディフェンダーを選ぶのか。それは、「移動の質」と「世界観」にお金を払う価値があるからです。ランクル250はラダーフレーム構造を採用した本格クロカンであり、その乗り味は良くも悪くも「トラック的」な揺れや硬さが残ります。対してディフェンダーは、アルミモノコックボディ(D7xアーキテクチャ)とエアサスペンションの組み合わせにより、まるで高級サルーンのようなしっとりとした乗り心地を実現しています。高速道路での直進安定性や、コーナーを曲がる際の素直なハンドリングは、ランクルとは比較にならないほど洗練されています。
「道具として泥だらけにして使い倒すならランクル、週末の旅行や都市生活を優雅に彩るパートナーとしてならディフェンダー」という選び方が、両車のキャラクターを最もよく表していると思います。維持費の差額は、この圧倒的な快適性とブランドがもたらす高揚感への対価だと割り切れるかどうかが、選ぶポイントになるでしょう。また、ディフェンダーに乗っているというだけで、ホテルやレストランでの扱いが変わるといった「ブランドの副次的効果」も無視できない要素です。
資産として見る中古車市場の動向
近年、ディフェンダーを「金融資産」としてポートフォリオの一部に組み込む動きが、経営者や富裕層の間で定着しつつあります。これには明確な理由があります。特に注目されているのが、法人名義での購入における節税効果です。
日本の税制上、4年落ち(正確には3年10ヶ月以上経過)の中古車は「定率法」という計算を用いることで、購入費用のほぼ全額を1年(または短期間)で経費計上できるという仕組みがあります。通常、新車であれば6年かけて減価償却するところを、中古車なら一気に経費にできるため、利益が出過ぎた年度の節税対策として非常に人気があります。これを「4年落ちのベンツ」などと呼ぶことがありますが、今はそれが「4年落ちのディフェンダー」に置き換わりつつあります。
ここでディフェンダーの強さが活きてきます。一般的な車は、4年も経てば価値が大きく下がっていますが、ディフェンダーは前述の通りリセールバリューが高いため、4年落ちでも十分な資産価値(売却時の換金性)を保っています。「経費として計上して税金を抑えつつ、手元には価値の高い現物資産(車)が残る」、そして「売却時にも高値で売れるため、資金回収が容易である」。このサイクルの出口戦略として、ディフェンダーは極めて優秀な商材なのです。特に最近は、中古車オークションでの落札相場が安定しており、換金性の高さ(流動性)も魅力の一つとなっています。
ただし、これはあくまで現在の市場相場が続くことを前提とした話です。投資目的で購入を検討している方は、為替の変動やモデルチェンジの情報、そして市場の在庫状況を常にチェックしておく必要があります。特に為替が円高に振れた場合、輸出需要が減退し、相場が下落するリスクがあることは頭に入れておくべきでしょう。また、税制改正のリスクなども考慮し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
2026年ランドローバーディフェンダーの価格総括
ここまで見てきた通り、2026年モデルのディフェンダーは、価格の上昇に見合うだけの確実な進化と、揺るぎないブランド価値の向上を果たしています。OCTAという新たな頂点の登場により、ブランド全体のステータスもさらに引き上げられ、「高級SUVといえばGクラス」という固定観念を崩しつつあります。単なる移動手段を超えた、ライフスタイルを豊かにするツールとしての完成度は、今の自動車市場において頭一つ抜けていると言えるでしょう。
結論として、もし購入を迷っているなら「迷わず買うべき」というのが、現時点での私の偽らざる意見です。リセールバリューの高さが経済的なリスクを最小限に抑えてくれますし、何よりこの車がもたらす所有満足度、週末に出かけるワクワク感、そして駐車場に停めた愛車を振り返って見る時の高揚感は、どんな金融商品にも代えがたい「プライスレス」な価値があります。人生において、これほどまでに所有欲を満たし、かつ実用的なパートナーとなり得る車はそう多くはありません。
ただし、最新の在庫状況や納期については刻一刻と変化します。ディーラーによっては既に枠が埋まっている可能性もありますので、正確な情報は公式サイトや最寄りの正規ディーラーで必ずご確認ください。また、資産としての購入を検討される際は、ご自身の財務状況や税務上のメリット・デメリットをよく精査し、最終的な判断は税理士等の専門家にご相談されることを強くお勧めします。
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