アルファード中古相場推移の真実！暴落と買い時を徹底解説

こんにちは。Car Research Lab、運営者の「Mee」です。

最近、ネットやニュース、SNSなどで「アルファードの中古車価格が大きく動いている」「暴落している」という話題を頻繁に耳にしませんか。かつては新車価格を遥かに超える、いわゆる「プレ値（プレミア価格）」で取引されていたこの車も、ここに来て相場の潮目が劇的に変わりつつあるようです。これから憧れのアルファードの購入を本気で考えている方にとっては、まさに千載一遇のチャンス到来かもしれませんし、一方で大切に乗ってきた愛車の売却を検討しているオーナーさんにとっては、資産価値が目減りしていく気がして気が気ではない状況かもしれませんね。

特に2024年から2025年にかけての急激な価格変動や、熟成された30系後期モデルと最新技術の塊である40系の買取相場が、今後どのように乖離し、あるいは推移していくのかは、車好きならずとも誰もが気になるところでしょう。また、「いつまで下がるのか」「底値はいくらなのか」といった将来的な予測や、巷で騒がれている「暴落」と言われる現象の本当の理由についても、私なりに業界の動向やデータを詳しく調べてみました。

アルファードの中古相場推移と現在の動向

まずは、ここ数年で日本の自動車市場において最もドラマチックな動きを見せているアルファードの中古車市場が、現在どのような局面にあるのかを深掘りしていきましょう。異常とも言える高騰期を経て、今は一体どうなっているのか、具体的なデータやその背景にある複雑な事情を、初心者の方にもわかりやすく整理してみます。

暴落した？最新の価格動向を解説

「アルファードの中古価格が暴落している」という噂を耳にして、不安を感じているオーナー様や、逆に期待に胸を膨らませている購入希望者の方も多いのではないでしょうか。実際に市場のデータを見てみると、確かにピーク時と比較して価格は大きく下がっています。例えば、40系が登場した直後の2023年10月頃には、中古車の平均価格が1,000万円を大きく超えて取引されていた時期もありました。それが、下降トレンドに入り、2025年5月時点では平均価格が約775万円あたりまで落ち着いてきています。

この数字だけを見ると「200万円以上の大暴落！」とセンセーショナルに感じるかもしれません。しかし、これを単なる「暴落」や「人気の失墜」と呼んでいいのかというと、私は少し違うかなと思っています。むしろ、新車の供給が全く追いつかずに異常なプレミア価格がついていたバブル状態から、ようやく需要と供給のバランスが取れた「適正な価格水準」に戻りつつある「正常化」のプロセスだと捉えるのが正解のようです。

考えてみれば、新車価格よりも中古車が何百万円も高いという状況自体が、経済的に見ればかなり特殊な状態でした。約1年半で平均価格が200万円以上下がったというのは確かに衝撃的なスピードですが、それでも新車価格と比較すれば、依然として高水準な資産価値を維持しているのがアルファードの凄いところです。他の車種であれば、登録から1年も経てば新車価格の7〜8割程度まで落ちるのが一般的ですから、アルファードの「底力」は健在と言えるでしょう。

異常な高騰から正常化への道のり

そもそも、なぜあんなに価格が異常なほど高騰していたのでしょうか。この背景を理解することで、今後の動きも見えてきます。振り返ってみると、2020年から2023年にかけては、世界的なパンデミックである新型コロナウイルスの影響による工場の稼働停止や、深刻な半導体不足が重なり、新車を注文しても納車まで数年待ち、場合によっては受注停止という異常事態でしたよね。

「家族が増えるから今すぐミニバンが必要」「どうしても早く新型に乗りたい」という強い実需に加え、「買えば高く売れる」という値上がりを見込んだ投機的な動き（転売目的の需要）が中古車市場に一気に集中しました。その結果、オークション会場では新車価格を無視したマネーゲームのような入札が繰り返され、中古車相場がバブルのように膨れ上がっていたのです。

このように、ディーラーに行けば新車が以前よりもスムーズに手に入るようになれば、わざわざ高いお金（プレミアム価格）を払ってまで中古車を買う理由は薄れます。供給不足というボトルネックが解消されたことで、積み上がっていた「プレミア価格」という名のメッキが剥がれ落ち、本来の車両価値に基づいた健全な相場へと戻ってきているのが、現在の私たちの目の前で起きている現象の正体なのです。

30系と40系で見る価格の違い

アルファードの中古車市場を語る上で絶対に欠かせないのが、完成された旧型（30系）と、最新技術を搭載した現行型（40系）の動きの違いです。私の周りの車好きたちの間でも、「あえて熟成された30系後期を狙う」という現実派の人もいれば、「40系の値下がりを虎視眈々と待つ」という最新派の人もいて、その戦略は様々です。

現行40系の相場動向

まず現行の40系ですが、こちらは特に上位グレードにおける価格調整が激しいのが特徴です。発売直後は「初物」としての希少価値や投機的な人気もあって、エグゼクティブラウンジなどを中心に凄まじい値段がついていました。しかし、街中で見かける頻度が増えるにつれて希少性は薄れ、現在はだいぶ落ち着いてきています。特に、無理をして高値掴みをしてしまった層が手放すタイミングと重なり、一時的な供給過多感も出ているようです。

旧型30系の底堅さ

一方の30系は、市場に流通している台数が非常に多いこともあり、相場は大きく崩れることなく、ある種「下げ止まり」から横ばいで推移している印象です。30系はデザインの完成度が非常に高く、カスタムパーツも豊富であるため、根強いファンが多いのも特徴です。

また、アルファードの中古車選びで面白いのは、世代によってエンジンのラインナップや装備が異なる点です。例えば30系は2.5Lや3.5LのV6ガソリン車、ハイブリッド車と選択肢が豊富です。特に3.5L V6エンジンは40系では廃止されてしまったため（ヴェルファイアにはターボがありますが）、大排気量NAエンジンのフィーリングを求める層からは、30系の希少価値が再評価されています。

さらに、リセールバリューを大きく左右するのは「装備の差」です。特にサンルーフ（ツインムーンルーフ）、JBLプレミアムサウンドシステム、デジタルインナーミラー、本革シートといったメーカーオプションがついている車両は、年式が古くても驚くほど高値で取引されていたりします。もしあなたが中古車を探しているなら、単に「グレード」や「年式」を見るだけでなく、こういった「後付けできない装備」がしっかり付いているかをチェックするのが、将来的に損をしない賢い選び方のポイントになりそうです。

リセールバリューを支える輸出の仕組み

アルファードが他のミニバン、例えば日産のエルグランドやホンダのオデッセイなどと比較して、圧倒的にリセールバリュー（残価率）が高い理由をご存知でしょうか？ その答えはずばり、「強烈な海外需要」にあります。日本国内だけでなく、中国、マレーシア、タイなどの東南アジア圏、さらには中東などでも、アルファードは「成功者の証」「究極のVIP送迎車」として絶大な人気を誇っています。

海外では関税や輸送費が上乗せされるため、現地での販売価格は日本の新車価格の2倍、3倍、国によっては1,700万円〜2,000万円以上で取引されることも珍しくありません。この海外からの熱烈なラブコールが、日本国内の中古車相場を強力に下支えしています。日本の輸出業者が「海外ならもっと高く売れる」と分かっているからこそ、オートオークションでも強気の高値で買い取ることができるのです。

この仕組みがあるおかげで、アルファードは国内の需要が多少落ち込んだとしても、海外への輸出という「逃げ道」が確保されています。この強力な輸出需要がある限り、国内の相場が底なしに暴落して紙切れ同然になるという事態は、よほどの為替変動や規制強化がない限り考えにくいという安心感こそが、アルファードを「資産」と言わしめる所以なのです。

特にマレーシア向けの輸出動向は、日本の相場に直結するため、多くの専門業者が常に注視しています。これに関しては、財務省が公表している貿易統計などでも、自動車輸出の堅調さを確認することができます（出典：財務省『貿易統計』）。

走行距離が査定額に与える影響

車を売る時、やっぱり一番気になるのは「走行距離」ですよね。日本では昔から「10年10万キロ」が寿命の目安と言われてきましたが、アルファードの場合も距離が伸びれば査定額は下がります。しかし、その下がり方には少し特徴があります。

市場のデータをつぶさに見ていくと、走行距離が1万km未満の「極上車」と、16万kmを超えた「過走行車」では、査定額に5倍近くの大きな差が出ることがあります。例えば、新古車同然の車両が600万円で売れるのに対し、過走行車は100万円台前半になるといった具合です。やはり、国内で再販することを考えると、高額査定を狙うなら距離は少ないに越したことはありません。

ただ、ここで驚くべきなのが、16万km以上、時には20万km近く走っている車でも100万円以上の値段がつくケースが多々あるということです。一般的な国産大衆車であれば、15万キロも走れば査定額はゼロ、あるいは廃車手数料を取られるのがオチです。しかし、アルファードは違います。

なぜ過走行でも値段がつくのか？

これは先ほどお話しした「海外需要」と深く関係しています。海外、特に新興国では「日本車は壊れない」「20万キロなんて慣らし運転が終わったようなもの」という認識が強く、走行距離に対するマイナスイメージが日本ほど強くありません。また、アルファードのエンジンやボディの耐久性が非常に高いことも評価されています。そのため、国内市場では敬遠されがちな高走行車も、輸出業者が競って買い付けるため、底値が非常に高いのです。

「仕事で毎日使っていて距離が伸びてしまったから、もう値段がつかないかも…」と諦めずに、一度査定に出してみる価値は十分にありますよ。意外な高値に驚くかもしれません。

今後のアルファード中古相場推移と売買予測

さて、ここからは少し先の未来の話をしましょう。「歴史は繰り返す」と言いますが、過去のデータと現在の状況を分析することで、ある程度の予測を立てることができます。これからの相場はどう動くのか、売り時や買い時は具体的にいつなのか。私なりの視点で、今後のシナリオを予測してみたいと思います。

今後の相場は2026年に下がるのか

多くの業界関係者や中古車コンサルタントの意見を総合すると、残念ながら（購入派には朗報ですが）今の価格下落トレンドはまだ終わっていないようです。特に市場が警戒し、注目しているのが「2026年問題」とも言える、さらなる価格下落の可能性です。

なぜ2026年なのか？ その理由は大きく2つあります。

1. 40系アルファードの初回車検：2023年に発売された40系が、2026年に最初の車検（3年目）を迎えます。一般的に、高級車のオーナーは「車検を通さずに新しい車に乗り換える」というサイクルを持つ人が多いため、これに合わせて乗り換え需要が発生し、状態の良い40系の下取り車が大量に中古車市場に還流してくると予想されます。
2. 法人リースの満了ラッシュ：アルファードは役員車やハイヤーとしての需要も高く、その多くは3年契約などの法人リースで導入されています。これらのリースアップ車両が一斉に返却され、中古車オークションに出品される時期が2026年から始まります。

市場の原理として、需要に対して供給が過剰になれば、当然価格は下がります。現在は「異常な高騰からの正常化」という第一段階の下落ですが、2026年以降は「供給過多による第二段階の下落」が起こるかもしれません。もし、あなたが今すぐに車を必要としておらず、資金的にも余裕を持ちたいのであれば、この時期までじっくりと市場を静観して待つのも、賢い戦略の一つと言えるでしょう。

エグゼクティブラウンジの急激な変化

グレードごとの動きで特に目立っているのが、新車価格が800万円以上もする最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」の値動きです。一時は新車価格の倍近い、1,500万円〜2,000万円という値段が付くこともありましたが、その反動が大きく出ています。

※価格はオークション相場や小売価格を参考に算出した概算値です。

このように、元々プレミアが大きく乗っていた上位グレードほど、そのメッキが剥がれた時の下落幅が大きくなっています。これは、投機目的で購入していた層が、相場下落を恐れて一斉に売りに出したことも影響していると考えられます。逆に、エントリーモデルのXグレードや中級グレードは、もともとの上乗せ分が少なかったため、下落幅も比較的緩やかです。

しかし、見方を変えればチャンスです。もしあなたが「いつかは憧れのエグゼクティブラウンジに乗りたい！」と夢見ていたなら、かつての雲の上の存在から、なんとか手の届く価格帯に近づいてきていると言えるでしょう。豪華な内装や快適な乗り心地を、新車価格に近い（あるいはそれ以下で）手に入れられる日が来るのも、そう遠くはないかもしれません。

損しないための売り時を見極める

現在アルファードを所有しているオーナーの方にとって、この下落局面での「売り時」の判断は非常に難しく、悩ましい問題ですよね。相場が下がっている最中なので、「これ以上下がる前に売るなら1日でも早い方がいい」というのが基本的なセオリーですが、もう少し戦略的に考えるなら、具体的なタイミングとしては以下の2つが強く推奨されます。

特に30系にお乗りの方は、ご自身の車検証を見て「初度登録年月」を必ず確認してください。「まだ大丈夫だろう」と思っていたら、気づけば5年を過ぎていて相場がガクンと落ちていた…なんてことにならないよう、カレンダーに印をつけておくことを強くおすすめします。

買い時はいつ？狙い目のタイミング

最後に、これからアルファードの購入を検討している方へのアドバイスです。「今買うべきか、もっと下がるのを待つべきか」、これはあなたの置かれている状況や、車に求める価値観次第で変わってきます。

「今」が買い時の人

もしあなたが、「とにかく40系の上位グレードが欲しいけれど、さすがに1000万円オーバーのプレ値では買いたくない」と我慢していたなら、価格調整が進んだ今は十分に買いのチャンスと言えます。ピーク時より200万円近く安くなっている個体もあるわけですから、実需層にとっては非常に嬉しい状況です。これ以上待っても、人気車種だけに劇的な暴落（例えば半値になるなど）は考えにくいため、欲しい時が買い時と割り切って、カーライフを楽しむ時間を買うのも良い選択です。

「待つ」のが賢明な人

一方で、「できるだけ安く手に入れたい」「今の車検がまだ残っていて急いでいない」という方は、先ほどお話しした2026年以降のさらなる下落を待つのも非常に賢明です。市場にタマ数が増えれば、色や装備を選べる幅も広がります。

パワートレインの選び方：将来を見据えて

また、長期間乗るつもりなら、将来的なリセールも考慮して、ガソリン車よりもハイブリッド車（HV）を選んでおくのが無難かもしれません。世界的な環境規制の流れもあり、海外市場では燃費性能に優れたHVモデルの評価が年々高まっています。特に東南アジアなどの燃料代が高い地域では、HVへの需要シフトが鮮明です。今はガソリン車の方が安く買えるかもしれませんが、数年後に売る時のことを考えると、トータルコストではHVの方がお得になる可能性が高いと私は見ています。

アルファードの中古相場推移に関する総括

アルファードの中古相場は、コロナ禍や半導体不足が生んだ狂乱とも言える高騰期を終え、ようやく健全な市場へと戻りつつあります。しかし、「暴落」という言葉に踊らされてはいけません。アルファードは依然として、国産車の中でもトップクラスのリセールバリューを維持し続けている特別な車です。

売るにせよ買うにせよ、大切なのは「市場全体の流れ（トレンド）」と「輸出規制などのルール」を正しく知っておくことです。感情や噂に流されず、冷静にデータを見ることで、数百万円単位での得や損が決まります。この記事が、あなたのカーライフにおける重要な決断の一助になれば、執筆者としてこれ以上嬉しいことはありません。