新型アルファードと新型ヴェルファイアを並べて比較した外観イメージ。アルファードは威厳、ヴェルファイアは精悍さを強調。こんにちは。Car Research Lab、運営者の「Mee」です。

日本を代表する高級ミニバンといえばこの2台ですが、「アルファードとヴェルファイアのどっちが人気なのか」、購入を検討する際に非常に悩ましいポイントではないでしょうか。街中でよく見かけるのはアルファードのような気がするけれど、ヴェルファイアの独特な存在感も捨てがたい。そんなふうに迷っている方も多いはずです。

実はこの2台、販売台数やリセールバリュー、そしてユーザーの年齢層やターゲットといった細かい部分を見ていくと、明確な違いが存在します。今回は、かつてのオラオラ感のイメージがどう変化したのか、乗り心地や燃費による維持費の差はどうなのかといった視点も含めて、私が感じたことを率直にまとめてみました。かなり詳しく解説しているので、ぜひ最後まで付き合ってくださいね。

この記事で分かること
  • 販売台数や市場データから読み解くリアルな人気の差
  • 外観デザインや走行性能の違いが与える満足度の違い
  • リセールバリューや維持費から見る経済的なメリット
  • 自分の目的に合わせて後悔しないための選び方の決定版

アルファードとヴェルファイアどっちが人気か違いを比較

まずは、この兄弟車がそれぞれどのような立ち位置で支持されているのか、具体的なデータや特徴から比較していきましょう。どちらも大人気車種であることは間違いありませんが、深掘りしていくと「人気の質」が少し異なっていることが見えてきます。

  • 販売台数の違いから見る売れ行き
  • 外観や内装デザインの違いとオラオラ感
  • ユーザーの年齢層やターゲットの違い
  • 乗り心地や走行性能の違いを検証
  • ステータスやブランドイメージの比較

販売台数の違いから見る売れ行き

アルファードとヴェルファイアの販売台数を比較する棒グラフ。アルファードが圧倒的な販売数で優勢であることを示す。結論から言うと、市場全体での「数としての人気」はアルファードが圧倒的です。これはもう、疑いようのない事実ですね。

街中を見渡してもアルファードを見かける頻度の方が高いと感じると思いますが、これは実際の販売データにも如実に表れています。自販連(日本自動車販売協会連合会)が発表している新車販売台数ランキングを見ても、アルファードは常にトップ10圏内を行き来するほどの常連ですが、ヴェルファイアはその数分の一の台数に留まることが多いんです。

例えば、ある月のデータ(2024年11月など)を参照すると、アルファードは約8,800台という驚異的な登録台数を記録しています。これは高級車としては異例中の異例と言える数字です。一方でヴェルファイアは、あえて生産台数を絞っているという側面もあるのですが、やはり「数の上でのメジャー感」はアルファードに軍配が上がります。

なぜこれほどの差がつくのかというと、アルファードが「王道の高級車」として、ファミリー層から企業の役員送迎車(VIPカー)、さらにはハイヤーやタクシー需要まで、極めて幅広い層に選ばれているからですね。対してヴェルファイアは、より個性を重視する層に向けた車づくりがなされており、ターゲットを意図的に絞り込んでいる戦略が見て取れます。

ここがポイント

「みんなが乗っている安心感」や「定番の人気」を求めるなら、圧倒的なシェアを誇るアルファードが優勢です。逆に「人とは違う」ことを価値と感じるなら、あえて台数の少ないヴェルファイアを選ぶのも賢い選択と言えるでしょう。
(出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会『新車乗用車販売台数月別ランキング』

外観や内装デザインの違いとオラオラ感

新型アルファード(左)と新型ヴェルファイア(右)のフロントグリルデザインを比較した接写。アルファードは威厳、ヴェルファイアはスポーティな印象。かつては「洗練のアルファード、オラオラ感のヴェルファイア」というイメージが強かったのですが、現行モデル(40系)になって、この図式に少し変化が起きているように感じます。

実際に両車を並べて見比べてみると、むしろアルファードのフロントグリルの方が、面積も大きく押し出し感が強いという意見も少なくありません。アルファードのグリルは、ヘッドライトと一体化したような鱗(うろこ)状のデザインが特徴で、これがとてつもない威厳を放っています。まさに「動く要塞」といった風格ですね。

一方のヴェルファイアは、水平基調のメッキバーを多用し、ワイド&ローを強調したデザインになっています。オラオラ感というよりは、スポーティで精悍な、メカニカルなカッコよさを追求している印象です。黒を基調とした漆黒メッキなどが使われているのも、ヴェルファイアならではの「悪っぽいカッコよさ」を演出していて素敵です。

内装に関しては、基本的には共通のデザインコードが採用されていますが、細部に違いがあります。ヴェルファイアには専用のインテリア加飾が施されていたり、ターボモデルではスポーティな演出がなされていたりと、ドライバーが運転席に座ったときの高揚感を高める工夫が随所に見られます。

Meeの視点

「オラオラ感」という言葉の解釈も変わってきています。単に威圧感があるだけでなく、現行アルファードは「威厳」や「格式」といった、よりフォーマルな迫力を手に入れた印象ですね。ヴェルファイアは「ちょいワル」から「洗練されたアスリート」へと進化したように感じます。

ユーザーの年齢層やターゲットの違い

ターゲット層の違いも、人気の質を分ける大きな要因です。ここを理解しておくと、自分がどちらを選ぶべきかが自然と見えてきます。

アルファードは、30代の子育てファミリーから、60代以上のシニア層、さらには法人需要まで、全方位的に支持されています。週末のショッピングモールで見かける家族連れも、都心のホテルに乗り付ける企業の重役も、みんなアルファードに乗っています。誰が乗っても似合う、懐の深さがありますね。

対してヴェルファイアは、どちらかと言えば「運転そのものを楽しみたい人」や「人と同じクルマは嫌だというこだわり派」に刺さる車です。年齢層というよりは、クルマに対する価値観(マインドセット)の違いと言ったほうが正確かもしれません。

マインドセットの違い

具体的には、「家族のために広い車が必要だけど、所帯じみた車には乗りたくない」「ミニバンでも走りを諦めたくない」という、ちょっとヤンチャな心を忘れないお父さん世代に、ヴェルファイアは根強い人気があります。自分の個性を車で表現したい、というニーズに応えているのがヴェルファイアなんですね。

乗り心地や走行性能の違いを検証

後席の快適性を重視してリラックスする乗員(アルファード)と、運転を楽しむドライバー(ヴェルファイア)のイメージ対比。ここが今回の40系モデルチェンジで最も大きく差別化されたポイントかもしれません。先代までは「顔が違うだけ」と言われることもありましたが、現行型は中身も別物になりつつあります。

アルファードは、同乗者が快適に過ごせることを最優先にした、しっとりと上質な乗り味に振っています。道路の継ぎ目などを優しくいなしてくれる感覚は、さすが高級ミニバンといったところ。サスペンションのセッティングも、路面からの入力を柔らかく吸収するように味付けされており、後席のVIPや家族が眠ってしまうような快適性を提供してくれます。

一方でヴェルファイアには、ボディ剛性を高める専用の補強パーツ(フロントパフォーマンスブレースなど)が入っていたり、専用のサスペンションチューニングが施されていたりと、「ドライバーが運転して楽しい」味付けが明確になされています。ステアリングを切ったときの反応がシャキッとしていて、ミニバン特有のグラつきが抑えられているんです。

特に、後述する2.4Lターボエンジンの設定はヴェルファイアだけの特権です。このターボエンジンの加速感は強烈で、高速道路の合流や追い越しでもストレスフリー。走りにこだわる層にはたまらない要素でしょう。

ステータスやブランドイメージの比較

「高級車に乗っている」というステータス性に関しては、どちらも国産ミニバンの頂点に君臨しているので申し分ありません。どちらに乗っていても「いい車に乗っているね」と言われることは間違いないでしょう。

ただ、そのブランドイメージの方向性は少し異なります。以下の表にイメージの違いをまとめてみました。

車種 主なブランドイメージ 周囲からの印象
アルファード 王道、ラグジュアリー、フォーマル、成功者の証 「ちゃんとした人」「安定している」「家族思い」
ヴェルファイア 個性的、スポーティ、アグレッシブ、こだわりの愛車 「車好き」「こだわりが強い」「アクティブ」

ホテルや高級旅館の車寄せに乗り付けたとき、アルファードはタキシードのような「正装」の安心感がありますが、ヴェルファイアは高級なレザージャケットのような「大人の遊び心」を感じさせる、そんなイメージの違いがあるかなと思います。ビジネスで使うならアルファードが無難ですが、プライベートで個性を出すならヴェルファイアも素敵ですね。

アルファードとヴェルファイアどっちが人気か価格で分析

次は、購入検討時になくてはならない「お金」の話です。価格設定や維持費、そして将来売るときのリセールバリューまで含めて、経済的な視点から「人気」を分析してみましょう。車は買って終わりではないので、ここもしっかりチェックしておきたいところです。

  • 新車価格とグレード構成の違い
  • 燃費や維持費で見る経済性の違い
  • リセールバリューが高いのはどっちか
  • 中古車市場での価格動向と人気
  • どっちを買うべきか後悔しない選び方
  • アルファードとヴェルファイアどっちが人気かの最終結論

新車価格とグレード構成の違い

現行モデルの大きな特徴として、ヴェルファイアの方が全体的に価格設定が高めであることが挙げられます。これはカタログを見比べると一目瞭然です。

アルファードには、比較的購入しやすいエントリーグレード(「Z」グレードなど、と言っても500万円オーバーの高額車ですが)が用意されており、幅広い層がアクセスしやすい構成になっています。これが販売台数の差にもつながっています。

対してヴェルファイアは、上級グレード中心の構成になっています。ベースグレードの時点で「Z Premier」という名称がついており、最初から19インチアルミホイールや本革シートなどの豪華装備が標準で付いています。つまり、「素のヴェルファイア」というものが存在せず、最初からフル装備に近い状態なんですね。

これは、「ヴェルファイアを選ぶ人は、価格よりも個性や装備の充実度を重視するはずだ」というメーカー側の戦略的なメッセージとも受け取れます。安さで選ぶ車ではない、という宣言のようにも聞こえますね。

燃費や維持費で見る経済性の違い

維持費の面で大きく関わってくるのが燃費です。ガソリン価格が高騰している今、ここは無視できないポイントです。

両車ともにハイブリッドモデル(HEV)が設定されており、こちらは2.5Lエンジン+モーターの組み合わせで、大型ミニバンとしては非常に優秀な燃費性能(WLTCモードで16〜17km/L前後)を誇ります。経済性を重視するなら、間違いなくハイブリッドモデルが人気ですし、リセールも安定しています。

注意点:ターボ車の燃費

ヴェルファイアのみに設定されている「2.4Lターボエンジン」は、走りの力強さは抜群で最高に楽しいのですが、燃費性能はハイブリッドに比べて明確に劣ります(実燃費で街乗り7〜9km/L程度という声も)。また、ハイオクガソリン指定となるため、給油のたびにコストがかさみます。

「維持費が高くても、ターボの加速感が欲しい!」「エンジンの鼓動を感じたい!」という情熱的なファンがいるのもヴェルファイアの特徴ですが、家計への優しさや実用性を考えると、アルファード(特にハイブリッド)に軍配が上がるでしょう。

リセールバリューが高いのはどっちか

アルファードとヴェルファイアのミニカーと積み重ねられた日本円の札束。驚異的なリセールバリューと資産価値を象徴。「アルファード ヴェルファイア どっちが人気」と検索する方の多くが気にしているのが、このリセールバリュー(再販価値)ではないでしょうか。数年後に売るとき、いくらで売れるのかは重要な資産価値の話です。

結論としては、どちらも驚異的に高いリセールバリューを持っています。国産車の中でもトップクラス、いや世界的に見ても異常なほどの高値を維持する車種と言って間違いありません。

一般的には、流通量が多く、海外(特にマレーシアやタイなど)への輸出需要も太いアルファードの方が相場が安定していると言われています。どんな状況でも高値が付きやすい「鉄板」の選択肢です。特に「白(プラチナホワイトパールマイカ)」や「黒(ブラック)」で、ムーンルーフなどの人気オプションがついている個体は最強です。

一方でヴェルファイアは、流通量が少ない分、希少価値がついて相場が跳ね上がる可能性があります。過去のモデルでは、特定の時期にアルファードを超えるプレミア価格がついたこともありました。ただし、輸出先の規制変更やトレンドの変化を受けやすく、アルファードに比べると少しギャンブル要素があるかもしれません。

中古車市場での価格動向と人気

新車の納期が長い時期などは、中古車価格が新車価格を大幅に超えてしまうような異常事態(いわゆるプレ値)も起きていましたが、生産体制の安定に伴い、徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。

中古車市場での人気を見ると、やはりタマ数(在庫数)が豊富なのはアルファードです。選択肢が多いので、自分好みの仕様や走行距離、価格帯から探しやすいというメリットがあります。「すぐに乗りたい」という人にとってはアルファードの方が見つけやすいでしょう。

ヴェルファイアは、こだわりのカスタマイズ(モデリスタのエアロパーツなど)が施された車両などが高値で取引されることもあり、「指名買い」をする濃いファンに支えられている市場と言えます。「なんでもいいからミニバン」ではなく、「絶対にヴェルファイアがいい」という熱量の高いユーザーが中古車市場でも買い支えている構図ですね。

どっちを買うべきか後悔しない選び方

家族を乗せて快適にドライブするシーンと、一人で運転を楽しむシーンを比較し、車種選びの目的の違いを示す。ここまで様々な角度から比較してきましたが、「結局どっちが良いの?決められない!」と迷っている方へ、私なりの選び方の基準を提案させてください。後悔しないためには、自分のライフスタイルを具体的にイメージすることが大切です。

アルファードがおすすめな人

  • 家族やゲストへの「おもてなし」を重視する: 後席の快適性や乗り心地の良さは天下一品です。
  • リセールバリューの安定感を重視する: 「損をしたくない」という堅実な考えの方には、鉄板のアルファードが安心です。
  • フォーマルな場での利用が多い: 冠婚葬祭からビジネス、子供の送迎まで、どんなシーンでも恥ずかしくない品格があります。
ヴェルファイアがおすすめな人

  • 自分でハンドルを握って運転を楽しみたい: ドライバーズカーとしてのミニバンを求めるならこちら。
  • 人とは違う個性を出したい: 街中で溢れかえるアルファードとは一線を画す、独自の存在感があります。
  • スポーティな世界観が好き: ターボエンジンの加速感や、黒を基調とした引き締まった内装に惹かれる方に最適です。

重要なのは、「誰のために、何のために乗るか」を明確にすることかなと思います。「家族のため」ならアルファード、「自分のため」の要素も残したいならヴェルファイア、といった選び方も一つの正解かもしれません。

アルファードとヴェルファイアどっちが人気かの最終結論

圧倒的な人気を誇るアルファードと、情熱的なファンに支持されるヴェルファイアが高級ミニバンとして並走する様子。最後にまとめです。「アルファードとヴェルファイアはどっちが人気か」という問いに対する私の答えはこうです。

圧倒的な販売台数と万人に愛される安定感で選ぶなら「アルファード」が人気No.1。しかし、走りと個性にこだわるオーナーからの熱狂的な支持という意味では「ヴェルファイア」も負けない人気を誇る。

「ボリュームのアルファード、情熱のヴェルファイア」と言い換えてもいいかもしれません。どちらを選んでも、所有する満足度は非常に高い車です。広大な室内空間、豪華な装備、そして所有欲を満たしてくれるデザイン。これらを手に入れる喜びは、どちらのモデルでも共通しています。

ぜひ、ご自身のライフスタイルや価値観に合った一台を選んで、素敵なカーライフを送ってくださいね。迷ったらディーラーで両方試乗してみるのが一番ですよ!

※記事内の価格や仕様、市況などの情報は執筆時点のものです。最新の情報は必ずメーカー公式サイト等をご確認ください。また、購入や売却に関する最終的な判断は、専門家にご相談の上、ご自身の責任で行ってください。