日産ノートの購入を検討する際、多くの方がノートのe-powerとガソリン、どっちを選ぶべきか悩むでしょう。モーター駆動ならではの走りが魅力のe-POWERは、原理上ガソリン不要で走れますが、発電用にエンジンを搭載しています。そのため、e-powerのガソリンはレギュラーで良いのか、そもそもガソリン車のガソリンの種類は何なのか、といった疑問が浮かびます。
また、ガソリンの開け方やタンクのガソリン容量、月々のガソリン代にどれほどの差が出るのかも気になるところです。一方で、e-POWERは燃費が悪い、評判が悪いといった声も耳にすることがあり、購入して後悔しないか心配になるかもしれません。この記事では、そうした疑問や不安を解消し、燃費を良くする燃費のコツまで、後悔しない一台を選ぶための情報を多角的に解説します。
- e-POWERとガソリン車の基本的な仕組みとスペックの違い
- 走行距離に応じたガソリン代や維持費の比較
- それぞれのモデルのメリット・デメリットや評判
- 自分に最適なモデルを選ぶための具体的な判断基準
日産ノート e-powerとガソリンどっちがいい?基本スペック比較
- e-POWERは本当にガソリン不要?仕組みを解説
- ガソリン車の対応ガソリン種類は?
- e-powerのガソリンはレギュラーでいい?
- タンクのガソリン容量と航続距離
- 給油口のガソリン開け方は同じ?
- 月々のガソリン代はどれくらい違う?
e-POWERは本当にガソリン不要?仕組みを解説
結論から言うと、ノートe-POWERの走行にはガソリンが必要不可欠です。「e-POWER」という名称や電気モーターで走るという特徴から、「充電が必要な電気自動車」や「ガソリンが要らない車」と誤解されることがありますが、その仕組みは異なります。
e-POWERは、日産が開発した「シリーズハイブリッド」と呼ばれるシステムです。このシステムの一番の特徴は、ガソリンエンジンがタイヤを直接動かすためではなく、発電のためだけに使われる点にあります。具体的な流れは以下の通りです。
- ガソリンを燃料としてエンジンを動かす
- エンジンが発電機を回して電気を作る
- 作られた電気をバッテリーに蓄えたり、直接モーターに送ったりする
- モーターの力だけでタイヤを駆動させて走行する
つまり、e-POWERは「ガソリンで電気を作って走る電気自動車」と考えると分かりやすいでしょう。外部からの充電は一切不要で、通常のガソリン車と同じようにガソリンスタンドで給油するだけで走り続けられます。
e-POWERの仕組みまとめ
- 走行は100%モーター駆動
- ガソリンエンジンは発電専用
- 外部からの充電は不要
- 給油はガソリンスタンドで行う

よくあるハイブリッド車(トヨタのプリウスなど)は、走行状況に応じてエンジンとモーターを使い分けますが、e-POWERはどんな時でもモーターだけで走るのが大きな違いですね。だからこそ、電気自動車のような静かでスムーズな加速を体感できるのです。
ガソリン車の対応ガソリン種類は?
日産ノートのガソリン車が対応しているガソリンの種類は、無鉛レギュラーガソリンです。これは、スーパーチャージャー搭載の「DIG-S」グレードやNISMO Sを含め、全てのガソリンエンジンモデルで共通しています。
高価なハイオクガソリンを入れる必要はなく、一般的なガソリンスタンドで最も安価に給油できるレギュラーガソリンで問題ありません。給油口のキャップや取扱説明書にも指定燃料として記載されていますので、安心して給油できます。
ハイオクを入れるとどうなる?
レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れても、エンジンが壊れることはありません。しかし、車のコンピューターはレギュラーガソリンに合わせて設計されているため、燃費が向上したり、パワーが上がったりといった効果はほとんど期待できないのが実情です。経済的なメリットはないため、指定通りレギュラーガソリンを給油するのが最も賢明と言えます。
e-powerのガソリンはレギュラーでいい?

はい、e-POWERモデルで使用するガソリンも、ガソリン車と同じく無鉛レギュラーガソリンです。
e-POWERのエンジンは発電に特化しており、最も効率の良い回転域を保って運転されるように設計されています。そのため、オクタン価の高いハイオクガソリンは必要なく、レギュラーガソリンで十分な性能を発揮します。
このように、ノートはe-POWER、ガソリン車を問わず、全モデルでレギュラーガソリン仕様となっており、燃料費を抑えたい方にとっては嬉しいポイントです。
タンクのガソリン容量と航続距離
ノートのガソリンタンク容量は、モデルや駆動方式によって少し異なります。ここでは、2代目ノート(E12型)の代表的なグレードを例に、タンク容量と理論上の航続距離を比較してみましょう。
モデル | グレード | タンク容量 | 実燃費(目安) | 航続距離(満タン時) |
---|---|---|---|---|
e-POWER | e-POWER X | 41L | 約20.5km/L | 約840km |
ガソリン | X DIG-S | 41L | 約16.8km/L | 約688km |
ガソリン(4WD) | X FOUR | 35L | 約15.0km/L | 約525km |
※実燃費は市街地や高速道路などを含んだ平均的な数値を参考にしています。運転状況により変動します。
e-POWERモデルとガソリンのFF(前輪駆動)モデルは、同じ41Lのタンク容量です。しかし、燃費性能に優れるe-POWERの方が、一度の給油で走れる距離が150km以上も長くなる計算になります。長距離移動が多い方にとっては、給油の回数が減るというメリットにも繋がります。
4WDモデルのタンク容量に注意
ガソリン車の4WDモデルは、後輪へ動力を伝えるプロペラシャフトなどの部品があるため、タンク容量が35Lと少し小さめに設定されています。燃費もFFモデルより若干劣るため、航続距離が短くなる点には注意が必要です。
給油口のガソリン開け方は同じ?
はい、ノートの給油口(フューエルリッド)の開け方は、e-POWERとガソリン車で全く同じです。どちらのモデルも、運転席の右下、床付近にある給油口オープナーのレバーを引くことで開けることができます。
給油口のキャップも、従来通りの回して開閉するタイプです。特別な操作は必要ないため、これまでガソリン車に乗っていた方がe-POWERに乗り換えても、給油で戸惑うことはありません。
月々のガソリン代はどれくらい違う?
e-POWERとガソリン車のどちらがお得かを判断する上で、ガソリン代の差は最も重要な要素の一つです。ここでは、月間走行距離別に、1ヶ月および1年間のガソリン代がどれくらい変わるのかをシミュレーションしてみました。
【算出条件】
- e-POWER Xの実燃費:20.5km/L
- ガソリン車(X DIG-S)の実燃費:16.8km/L
- レギュラーガソリン価格:165円/L
月間走行距離 | 1ヶ月のガソリン代 | 1年間のガソリン代 | 年間の差額 | ||
---|---|---|---|---|---|
e-POWER | ガソリン車 | e-POWER | ガソリン車 | ||
500km | 約4,024円 | 約4,911円 | 約48,288円 | 約58,932円 | 約10,644円 |
1,000km | 約8,049円 | 約9,821円 | 約96,588円 | 約117,852円 | 約21,264円 |
1,500km | 約12,073円 | 約14,732円 | 約144,876円 | 約176,784円 | 約31,908円 |
このシミュレーションから分かるように、走行距離が長くなればなるほど、e-POWERの燃費の良さがガソリン代の節約に大きく貢献します。例えば、通勤やレジャーで年間12,000km(月間1,000km)走る方であれば、ガソリン車と比べて毎年2万円以上もガソリン代を抑えることが可能です。
逆に、週末に近所の買い物で使う程度など、走行距離が短い場合は、年間の差額はそれほど大きくはなりません。ご自身の車の使い方と照らし合わせて、この差額をどう考えるかが選択の一つのポイントになります。
日産ノートはe-POWERとガソリンどっち?購入後の視点
- e-POWERが評判悪いと言われる理由
- 高速だと燃費悪いって本当?
- 燃費を良くする運転のコツとは
- 選んで後悔しないためのチェックポイント
- あなたに合うノート e-power ガソリン どっち?
e-POWERが評判悪いと言われる理由
e-POWERは革新的な技術で高い評価を得ている一方で、一部では「評判が悪い」という声も聞かれます。購入後に後悔しないためには、事前にデメリットとなり得る点を理解しておくことが重要です。主に挙げられる理由は以下の3つです。
1. 発電時のエンジン音と振動
e-POWERはモーター走行時の静粛性が非常に高い分、発電のためにエンジンが始動すると、その音が逆に目立ってしまうことがあります。特に、バッテリー残量が少ない時や急な坂道などでエンジンが高回転になると、「思っていたよりもうるさい」と感じる方もいるようです。アクセル操作と関係なくエンジンがかかるため、違和感を覚えるという意見もあります。
2. 高速走行時の燃費の伸び悩み
前述の通り、e-POWERは街乗りなどストップ&ゴーが多い場面では優れた燃費性能を発揮します。しかし、高速道路を一定速度で走り続けるような状況では、常にエンジンを回して発電し続けるため、期待したほど燃費が伸びない傾向があります。詳しくは次の項目で解説します。
3. 独特なワンペダル操作への慣れが必要
e-POWERの大きな特徴である「e-Pedal Step(ワンペダル)」は、アクセルペダルを離すだけで強く減速するため、慣れるまではギクシャクした運転になりがちです。同乗者から「車酔いしそう」と言われたり、ドライバー自身もカックンブレーキのようになり、スムーズな運転が難しいと感じることがあります。
これらの点は、e-POWERの特性に起因するものです。購入を検討する際は、必ず販売店で試乗を行い、特に静かな場所でのエンジン音やワンペダル操作の感覚、高速道路での走行フィールなどを実際に体感してみることを強くおすすめします。
高速だと燃費悪いって本当?
はい、e-POWERは「街乗りに強く、高速走行はやや苦手」というのは事実です。これはe-POWERの仕組みに理由があります。
街乗りの燃費が良い理由
市街地では、信号での停止や渋滞など、加速と減速を頻繁に繰り返します。e-POWERは、この減速時のエネルギーを使って電気を回収(回生ブレーキ)し、バッテリーに充電するのが非常に得意です。貯めた電気で再びモーターを動かせるため、エンジンを効率よく使い、優れた燃費を実現できます。
高速走行の燃費が伸び悩む理由
一方、高速道路では減速する機会が少なく、一定の速度で走り続けることになります。この状況では回生ブレーキによる充電の恩恵をほとんど受けられません。走行に必要な電気を常にエンジンを回して発電し続けなければならないため、エンジンの稼働時間が長くなり、結果としてガソリンの消費量が増えてしまうのです。
走行シーンと燃費の関係
- 街乗り・渋滞路:減速時の回生ブレーキが効率よく働き、e-POWERの燃費が非常に良くなる。
- 高速・巡航時:回生ブレーキの機会が減り、常に発電が必要になるため、ガソリン車との燃費差が縮まる。
とはいえ、e-POWERの高速燃費が極端に悪いわけではありません。ガソリン車と同等か、少し良いくらいのレベルは維持します。ただし、「ハイブリッドだから高速も圧倒的に低燃費」という期待を持っていると、少しがっかりする可能性がある、と理解しておくと良いでしょう。
燃費を良くする運転のコツとは
ノートe-POWERの優れた燃費性能を最大限に引き出すためには、少しだけ運転の仕方を意識することが効果的です。誰でも簡単に実践できる3つのコツをご紹介します。
1. 「ECOモード」または「Sモード」を積極的に活用する
e-POWERには走行モードを選択できる機能があります。「NORMALモード」に比べて「ECOモード」や「Sモード」は、アクセルを離した際の回生ブレーキが強く働き、より多くの電気を回収してくれます。特に街乗りではこれらのモードを使うことで、効率的にバッテリーへ充電でき、燃費向上に繋がります。
2. 急のつく操作を避ける
これはどんな車にも共通する燃費向上の基本ですが、モーター駆動のe-POWERでは特に重要です。急加速はバッテリーの電力を一気に消費し、エンジンが高頻度で稼働する原因となります。発進時はアクセルをじわりと踏み込み、モーターの滑らかなトルクを活かしてスムーズに加速するよう心がけましょう。
3. ワンペダル操作に慣れ、車間距離を十分に保つ
ワンペダル操作(e-Pedal Step)を上手に使いこなすことが、燃費向上の鍵です。先の信号が赤に変わった時など、早めにアクセルペダルを緩めることで、ブレーキペダルを踏むことなく、回生ブレーキだけで滑らかに停止できるようになります。この回生ブレーキを最大限に活用するために、前の車との車間距離をいつもより多めに取っておくと、アクセル操作だけで速度調整がしやすくなり、結果的に燃費が向上します。

最初はワンペダル操作に戸惑うかもしれませんが、慣れてくるとブレーキペダルへの踏み替えが減って運転がとても楽になりますよ。まさに「ゲーム感覚」で、いかに回生ブレーキでエネルギーを回収できるか考えながら走るのも、e-POWERの楽しみ方の一つです。
選んで後悔しないためのチェックポイント
ここまでe-POWERとガソリン車の様々な違いを見てきました。最終的にどちらを選ぶべきか、後悔しないための判断基準を3つのポイントにまとめます。ご自身のカーライフと照らし合わせて、どちらが合っているか考えてみましょう。
1. 年間の走行距離はどれくらいか?
最も分かりやすい判断基準です。前述のガソリン代シミュレーションの通り、走行距離が長ければ長いほどe-POWERの経済的なメリットが大きくなります。
- 年間1万km以上走る方:通勤や長距離ドライブが多いなら、ガソリン代の差額で車両価格の差を回収できる可能性が高いため、e-POWERがおすすめです。
- 年間5,000km未満の方:近所の買い物や送迎がメインなら、経済的なメリットは小さくなります。初期費用を抑えられるガソリン車が合理的な選択肢です。
2. 走りの質や静粛性に何を求めるか?
車の運転そのものに求める価値観も重要なポイントです。燃費や価格だけでなく、乗り心地も考慮しましょう。
- 静かでスムーズな加速を重視する方:電気自動車のような滑らかで力強い走りが好みなら、e-POWER一択と言えるでしょう。ワンペダル操作という未来的な運転感覚も魅力です。
- 従来の自然な運転感覚を好む方:エンジンの回転に合わせてリニアに加速していくフィーリングが好きなら、ガソリン車がしっくりくるかもしれません。
3. 初期費用(車両価格)をどれだけ抑えたいか?
新車・中古車を問わず、同じ年式・装備のモデルで比較した場合、e-POWERの方がガソリン車よりも数十万円高価になります。この初期費用の差をどう捉えるかが最終的な判断を左右します。
- 将来のガソリン代より、今の購入費用を重視する方:初期投資をできるだけ抑えたい場合は、ガソリン車が有力な候補になります。特に中古車市場では、価格差がより顕著になる傾向があります。
- 先進技術やトータルコストに価値を感じる方:初期費用は高くても、毎月の燃料費を抑えられ、先進的な走りを手に入れられることに満足できるなら、e-POWERを選ぶ価値は十分にあります。
あなたに合うノート e-power ガソリン どっち?
- ノートのe-POWERとガソリン車で悩んだら、走行距離、走りの好み、初期費用で判断する
- e-POWERはガソリンで発電してモーターだけで走るシリーズハイブリッド
- 走行にガソリンは必須で、外部からの充電は不要
- e-POWERもガソリン車も使用する燃料はレギュラーガソリンで経済的
- タンク容量はFFモデルで共通だが、燃費が良いe-POWERの方が航続距離は長い
- ガソリン代は走行距離が長いほどe-POWERが有利になる
- 年間1万km以上走るならe-POWERの経済的メリットは大きい
- e-POWERは街乗りでの燃費に優れるが、高速走行では燃費が伸び悩む傾向がある
- 評判が悪いと言われる理由は、発電時のエンジン音やワンペダル操作への慣れが必要な点
- 静かで力強いモーター駆動の走りはe-POWERならではの大きな魅力
- 初期費用を抑えたいならガソリン車が有力な選択肢
- ECOモードやワンペダル操作の活用がe-POWERの燃費を良くするコツ
- 購入前には必ず両方のモデルを試乗して、走りの違いを体感することが重要
- 近距離メインならガソリン車、長距離メインならe-POWERが基本の選び方
- 最終的には、ご自身のライフスタイルや価値観に合った方を選ぶことが後悔しないための鍵